見出し画像

プロカメラマンと尾道の各地をめぐって写真を撮る企画ができるまで

11月~来年2月にかけて、ある企画がおこなわれる。

尾道市地域おこし協力隊の2名が、尾道にゆかりのあるプロカメラマンと市内各地をめぐりながら写真を教わり、学んだ内容をnoteで、撮った写真をinstagramで共有するというものだ。

今回は、この企画が生まれた背景と、企画がつくられていった過程についてご紹介します(尾道市地域おこし協力隊の自己紹介記事instagram)。

1. カメラ嫌い

わたしはカメラがきらいだ。
正確にいうと、写真を撮ることが好きじゃない。

撮るといつも、多くのものをとりこぼしてしまったような気がするのだ。

撮影技術が高くないから、撮れた写真が本物を下回ることはあっても上回ることがないし、四角い枠に切り取れる分しか残せないし、それでいて、基本は見た通りに写るから想像する余白がないと感じる。

67972FBF-2922-4789-A326-9B2398A28808-4545-000000C88D3A6AF9 - コピー

たしかにアートな写真は解釈するのに想像力を求められるけれど、自分と写真との間に1本の太い線が引かれている感じがして近寄りがたいと思ってしまう。伝えたいことが読み取れない、と情けなくもなる。

それから、重い腰を上げて学ぼうとする→機能が多すぎてすぐに気力を失う→上達しない→...という悪循環。

これらが理由でいままでずっと、カメラとは距離を置いていた。

2. カメラ嫌い、カメラを買う

それなのに私はカメラを買った。しかもFUJIFILMのちょっといいやつ。

F2948A3B-DB39-4BE9-915B-09F3A458CA15-4545-000000C920D0AEA1 - コピー

理由は単純で、仕事で写真を撮らざるを得なくなったからだ。

地域の魅力を伝えるのが仕事だから、地域の様子を発信する必要があるし、毎回プロにお願いするのも難しいので、自分で撮るしかなかった。

状況はもうひとりの協力隊も同じで、2人して写真に自信がない。そこでオノミチシェアというシェアオフィスの管理人でアイディアマンの後藤さんに相談をして、お互いのアイディアを足して生まれたのが今回の企画だった。

3. 企画ができるまで

Ep.1 一人目のカメラマンさんとの出会い

企画のきっかけと出会ったのは、実はカメラを買う前だった。

画像3

広島県尾道市に移住した6月、行くあてもなく夜にふらっと先述したオノミチシェアに立ち寄った。

実はもう営業時間は過ぎていたのだけれど、それも知らずに到着。まだ明かりはついていて、管理人の後藤さんが忙しそうに放送機材をセットしている。聞くと、

「これからオノミチシェアチャンネルの収録で。今回は東京から向島に移住したカメラマンさんがゲストで来るんですよ。」との返事。

画像4

しばらくしてTシャツ&サンダル姿で現れたのが、各地をめぐり「旅する写真館」として写真を撮られているカメラマンの大森さんだった。企画に協力してくれた、一人目のカメラマンだ。

後藤さんと大森さんの軽快な会話のラリーで収録が終わると、3人で雑談をした。そのときにボソッと言った、「instagramをしているのですが、写真がうまくなくて...」という自分のぼやきを拾った後藤さんがひと言。

「プロのカメラマンに写真を教えてもらいながら、その過程も全部伝えるのはどう?」――― 企画の種を見つけた瞬間だった。

Ep.2 企画の肝を決める

ただ写真を教わる研修では、あまり地域に還元できないのでは...?

画像10

そう思って、Instagramでしていた「海だけじゃない尾道を伝える」ことを、この企画でも取り入れることにした。研修で市内各地を撮影するのだ。

市内各地の魅力を写真で切り取ってInstagramに投稿し、カメラマンに教わったことやエリア情報をnoteで伝えたら、写真撮影が好きなひとや、市内外の尾道が好きなひとが読みたい内容になるかもしれないと思った。

Ep.3 スーパーマンとの出会い

大森さんの紹介で、2人目のカメラマン岡本さんも協力を快諾してくれた。

画像5

出だしは順調。...と思いきや、すぐに壁にぶつかってしまった。

カメラを習うということ以上に、肝心の企画の中身がまったく浮かばないのだ。考えるほど煮詰まってしまう。そもそもカメラに苦手意識があるのも相まって、考えがまるでまとまらない。

考えることを一旦止めて、「市内各地をめぐって学ぶ」という構想を周りに言ってまわっていると、ある救いの手が差し伸べられた。

画像6

もうひとりの地域おこし協力隊の大橋さんの紹介で、今回アドバイザーとなる米田さんに出会ったのだ。

長年映像業界に携わる傍ら、カメラもセミプロの腕前をもつ米田さんは、いままで自身が通ってきた幾多ものカメラ講座をもとに、実践的な講座内容をすぐに組み立ててくれた。

寝かせていた企画が、それを機に一気に動き出した。

Ep.4 息を止めて、送信。

4人目のカメラマン信重さんは、米田さんの師匠にあたる方。

画像7

米田さんが話をつけてくれていたので、オンラインで直接話す前からすぐに快諾してくださった。

残る3人目のカメラマン竹國さんは、唯一ダイレクトメッセージで依頼した。米田さんが薦めてくださった方で、直接のやりとりはないという。尾道出身のカメラマンで、カメラ教室も積極的に開催されている方だ。

そこでネット検索で連絡先を探り、Instagramでメッセージを送った(緊張して送信ボタンは息を止めて押した)。するとすぐに、オンラインで会ってくださり、地域の役に立てたらと、快く話を受けてくださった。

Ep.5 生まれた企画

こうして、4名のカメラマンとアドバイザーが揃った。

画像8

そのあとは、米田さんがつくった講座内容をカメラマンにシェアして意見を伺い、大森さんと全8回の各回研修テーマを決定した。それからカメラマン全員と撮影場所と日程の調整をおこなった。

並行して、市役所の方々も企画のために予算取りに奔走してくださった。

こうして夏に生まれた企画の種が徐々に芽を出し、企画という実となって、ついに11月から第1回目がはじまることになったのだ。

**

instagramで写真を投稿するほか、撮影場所の様子や解説、カメラ研修で習ったことの一部をnoteに専用のマガジンをつくって毎回研修後に共有する予定です。お時間のあるときに一気読みしていただけたら嬉しいです。

4. 企画の種が育つまち

「ここにはものを生み出し、ひとを育てる土壌があると思うんです。」

画像9

企画を立てていたときに、あるカメラマンさんがそう教えてくれた。

なにかをはじめたいと思ったとき、地域を愛し、地域でなにかを生み出したい方を応援するひとが多い尾道は、協力者を見つけやすいまちだと思う。ひとが温かいし、まちがコンパクトだからひとの紹介もしてもらいやすい。

オノミチシェアのような駆け込み寺から、地域をよく知るひとがわかるサイト「人と尾道」、移住相談から補助金の相談までできる尾道市役所など、まずはここをあたってみればなにかが動くという場所やものがある。

これから発信する企画のnoteInstagramを通して市内各地を知って、育てたい種がある/見つけたい方は、ぜひ上記の機関・サイトを見たり、尾道市へ直接訪れてみてはいかがでしょうか。

写真は、向島洋らんセンターで月1回開催される「おのみち家族の台所」というイベントの様子です。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?