[北海道日本ハムファイターズ観戦日記] 来季10年目に突入する栗山政権。過去の長期政権と比べてどうか。

 ベストナインが選出され、契約更改も進み、戦力補強も徐々に行われていますが、そのあたりは後日まとめます。今回は面白い記事を見つけたので読んでみましょう。

 同じ球団で連続10年以上指揮を執り続けた監督は過去に8人。栗山監督は9人目となりますが、その過去の8人の成績と栗山監督の成績を比較したものです。球史に名を残す錚々たる名監督が並んでますね。

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 非常に興味深いです。

◎9年目にBクラス&負け越しているのは栗山監督だけ

◎在任中2年連続でBクラスに沈んだことのある監督は栗山を含め3人(阪急・西本、ダイエー・王)だが、6年目以降に2年連続でBクラスを記録した(今も継続中)のは栗山だけ

◎6年目以降の4年間でBクラスを経験しているのは栗山も含め4人(阪急・西本、広島・古葉、阪急・上田)だが、2回以上記録しているのは栗山だけ

 つまり他の監督はキャリア後半に行くにつれ成績を残し、それが長期政権という結果になっているのに対して、栗山監督はキャリアの後半に行くに従ってどんどん成績を落としているのになぜか留任し続けているわけです。王監督など、就任当初は3年連続Bクラスと低迷したのに、それ以降はすべてAクラス、優勝も3回と、見事にホークスを常勝チームへと育て上げています。王監督はその後もずっとAクラスを維持し続け、14年目の2008年に最下位を記録してその年限りで勇退、秋山新監督にあとを譲っています。見事な手腕であり引き際ですね。

 さらに9年間トータルの成績を見ても……

◎在任9年間でBクラスを4回以上記録したのは栗山と阪急の西本幸雄のみ。しかし西本は残りの5年間で優勝4回、2位を1回記録しているのに、栗山は優勝2回のみ、2位が1回、3位が2回。西本監督は9年目に優勝し、翌年も優勝して9~10年目に2年連続優勝しているが、栗山は8〜9年目と2年連続Bクラス中……

 このように過去9年の実績も他の監督に比べ著しく劣り、しかも長期政権で徐々にチームを強くするのではなく、どんどん弱くなっていくという惨状。普通はこれだけ長いことやっていれば自分の理想通りのチーム作りが進み、監督としての経験も積み采配・育成の技量やスキルも向上するのが普通なのに、後半に行くに従って成績をどんどん落としている。これでなぜ9年も10年も続けて監督をやれるのか。不思議ですね。もちろん他の8監督と栗山監督では、チーム状況も時代状況も全然違うので同列に比較はできません。しかしハムの場合、単に近年のチーム成績が低迷しているだけでなく、投打とも若手の輩出がここ数年ほとんどなく、育成も進んでいないので、近い将来の伸びしろ(優勝を狙えそうな)も期待できそうもないのが痛い。勝つための采配だけでなくチーム作りも育成も、なにもかもうまく行っていない。それが栗山政権の9年間の公平な評価だと思います。もちろんそれは栗山監督だけの責任ではありません。

 ハム球団は直近の栗山監督の成績や順位、現在の監督としての力量ではなく、球団の方針をよく理解しているとか、フロントと関係性がいいとか、育成方針が球団の方向性と一致しているとか、長い間やっていてチームの内情を理解しているとか、つまりは「ハム球団とうまくやっている」ことの方を重視しているように思えます。つまり言葉を替えて言えば、栗山監督は指揮官として有能だから10年間監督をやっているのではなく、球団の傀儡として都合がいいからに過ぎない。それは先日の記事でも書いた通り、あまりにフロントの力が強すぎて、その要求を満たす都合のいい人材が栗山監督しかいない、ということでしょう。

 来季は西川も有原もいなくなる可能性が大きい。それを埋めるような大きな補強も期待できそうになく、投打の大きな穴を抱えたまま、既存の選手たちの成長と新人の健闘、そして当たるかどうかわからない外国人選手に頼るしかない。そんな中で10年目を迎える栗山監督が、どうチームを率いていくのか。まったりと見守りたいと思います。

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