見出し画像

バートを滑るということ

「つれづれ」 Vol.01 2000/12/04 公開記事 原文そのまま

 スケートを履いてすることっていろいろあると思う。 フィットネス、ダンス、ホッケー、ストリート... 面白いと感じないと長続きしない。 私にはバートで滑ることが一番面白く、そしてその感覚が持続している場所だ。

画像1

 最初は滑って転んでも痛くないな、上にあがるのってなんか楽しいな、と思った。 見えない世界が数をこなすことで見えていく。 高さがちょっとづつ上がっていく。(ほんとにちょっとづつ。) 上がるたびに見えていくものが変わってくる。それにドキドキした。

 私はバートでのほとんどの時間は体で覚えることに費やしてきた。 もちろん上手い人からのアドバイスももらったし、他の人の滑りもたくさん見てきた。 見ることって、疲れないトレーニング方法であることもバートの脇に座っていることで学んだ。 でもそれを形にしていくのに私はイメージから自分の体を動かして覚えていくのが苦手で、 繰り返すことでだんだん効率が良くなり、体がそれを自然に覚えていくまでがんばった。 だから上達にはとってもとっても時間がかかった。

 エアを出しても慣れなくてビビッて体に力が入らなかったのが、 最近ではエアを出しても余裕がでて、グラブに費やす時間が取れるようになったため、 やっとこさっとこなんとか形になってきた。 長い時間をかけてなにかが完成しそうだと感じ始めた。 今までやってきたことは非常に長い時間をかけた前振りのような気さえする。 スキーなど他の事でもいいのだけど、自分の中である程度のレベルが完成してしまうとふっと興味が薄れることがある。 完成するまでの過程が一番面白い。だから不安になることも多々あった。

画像2

 体力がついていかなくなってチャレンジすることが出来なくなったときか、 ある程度の自分の中での満足してしまうレベルに達したとき、きっとやめてしまうのだろうとずっと思っていた。 でもバートに関してはまだチャレンジしようと思うことがある。 さらに小さなことでもチャレンジしてそれが出来ていく自分が見える。 だからまだバートはやめられない。未だに成長中。最近はこれってスゴイと思っている。

私にとってバートは精神安定の場。何も考えなくて良い場。アドレナリンが湧き出る場。

 ほんと、余計なことは考えなくて済む。考えてたら怪我をする。

 コーピングからエアを出すこと、これほど気持ちのいいものは無い。 どっかに行ってしまいたくなるときやむなしさを感じているときでも、空に向かって飛び出し、 無重力を感じる、するとほんとにスカッとする。こんな感覚は他のどこでも味わえない。

 チャレンジしつづけられる自分も、ちょびっとづつだけど進歩しつづけている自分も好き。 そんな場を提供してくれるバートは死ぬほど大好き。死んでも好きだろうな。(^^)

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?