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#建築 記事まとめ

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建築系の記事を収集してまとめるマガジン。主にハッシュタグ #建築 のついた記事などをチェックしています。
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#コラム

洗濯機はどこに置くのでしょうか? 2021年版

無印良品は、暮らしの変化に呼応して、室内空間を編集できるように、家全体を「一室空間」として、固定された壁で家を仕切ってしまうことをなるべく避けたい=「脱・間取り」を提唱しています。 しかし、日々の暮らしのルーティーンに深く関わり、家事動線にも大きく影響する水まわり(キッチンや浴室・化粧室、トイレなど)は機能上固定せざるをえないので、その配置は慎重に検討する必要があります。 そこで、この水まわりを含めた、自分の家での日常の行動がどこで何を使って行われるかを整理してみました。

フィンランドデザインの質の高さは「工業」と「アート」の往復運動から生まれる 〜アアルトとカイフランクのデザインアプローチ〜

みなさんこんにちは! 暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか? 今回の北欧デザインコラムでは、フィンランドデザインのクオリティの源泉を、アルヴァ・アアルトとカイ・フランクの二人の名デザイナーの事例を引きながら「工業」と「アート」という二つの視点から紐解いてみたいと思います。 1.アアルトのデザインにおける「遊び」の役割先日、世田谷美術館で開催されていたアルヴァ・アアルト展に行ったときのこと。最後のブースにアアルトが描いた「絵画」が展示されていました。アアルトと言

温熱環境を改善した団地のスターハウスのリノベーション

今回も、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトから、新プランをご紹介します。大阪府枚方市にある香里団地では、MUJI×UR Plan59「温熱環境を改善した一室空間の自由な間取り」、MUJI×UR Plan60「温熱環境を改善した一室空間とアイランドキッチン」が実現しました。この2プランはスターハウスで実現しています。 一般的な団地は、5階建ての板状でシンプルなかたちの建物が、広い敷地に整然と並列に並べられていることが多く、これは陽当たりや風通し、住戸数を効率的に確保

二拠点居住・移住という暮らし方を考える

暮らしが大きく変化するなかで、テレワークや在宅勤務が多くなり、街や電車、近所の公園などの風景にも変化を感じるようになりました。コロナ禍の影響により、住まいや働き方に対する考え方が変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そのようななか、無印良品でも家具や「無印良品の小屋」、リフォームや家づくりなどのサービスを通じて、二拠点居住や移住を検討している方からのご相談も増えてきていると感じます。 休日は、家族と近所の山や海で過ごす。平日も大自然のなかで仕事をする。近所のおじい

ワークスペースに対応した新プラン登場

2012年に大阪でスタートしたMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは9年目を迎え、今年は首都圏・関西・九州で合計4団地の新しい団地が登場し、11の新プランが加わりました。 合計で全国51団地・67プランの展開となり、2021年1月下旬から入居の申込受付が開始されます(一部団地を除く)。 MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、団地の良さを見直し、優れた部分を上手に生かしながら、そこに無印良品が積み重ねてきた知恵や工夫をそっと掛け合わせて、これまでにない賃貸住

団地で住宅スゴロクのその先へ

今回は、老後の住まいについて考えたいと思います。 1970年代の日本では、住宅スゴロクという考え方がありました。独身のころは小さな賃貸アパートに住み、結婚して少し広い賃貸マンション、子どもが産まれたら分譲マンション、その後それを売却して、郊外の庭付き一戸建てで「上がり」、ゴールは1つでした。 まだ暮らしの考え方に多様性が少なく、みんなが同じ理想をもっていたのかもしれません。 しかし、郊外の庭付き一戸建ては引っ越した当初は理想的かもしれませんが、子どもが独立した老後になると、

もしも団地の集会室をキッチンスタジオにできたら

団地の共用部には集会室があります。団地ができた当初は、若いファミリー世帯が多く入居していたので、集会室は様々な活動に使われていました。近年は住人も高齢となり、あまり使われることが少なくなっているようです。せっかくある団地の集会所の有効的な使い方を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。 団地の集会室は共用部であり、団地に住む方が使うことができる屋内施設です。一般的に、団地の自治会やサークル活動などに使われていますが、いつも使われているわけではありません。 この集会室に人

東京有明に新しい無印良品の百八貨店ができます!

すでにMUJI Passportや、無印良品 WEBサイトを見てご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、来る12月3日(木)に、無印良品の新しい大型店「無印良品 東京有明」がグランドオープンいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大により生活様式や価値観が大きく変わるなかでオープンするこちらのお店は、お米や新鮮な野菜などの食品、スプーンや靴下など日々の生活を満たす道具から、部屋のリフォーム、戸建販売、そして街の活性化まで、暮らしの全てに関わり、店舗周辺に住む方々の「感じ良い

これからの暮らしをあらためて考える

2019年末からの新型コロナウイルス感染症の流行が起こり、大きな社会・経済的影響を与えています。私たちは、いままでの暮らし方・働き方とは違ったことを考えていかないとならないのかもしれません。そうはいっても悲観的にならず、必要以上に恐れず無理をしないで毎日を暮らしたいものです。 まず働き方が変わりました。今まで都会のオフィスに電車で通っていたのが、自宅でテレワークをすることになった人もいるでしょう。それによって、家で必要とされる機能も変わったかもしれません。専用のスペースや仕

家に帰ったら「ただいま」という前に服を脱いでシャワーを浴びる、という「新しい生活様式」

ほんの少し前までは、誰も想像もしなかった新型コロナウィルス感染拡大による「緊急事態宣言」が発令されてから40日以上になります。その間、多くの方がこれまで経験がないくらい長い、いわゆる「おうち時間」を体験されているのではないでしょうか。 そんななか、東京や大阪などの8都道府県での緊急事態宣言解除延期の際に、厚生労働省から、新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」が公表されました。 「新しい生活様式」と聞いて、テレワークやローテーション勤務、時差通勤などを思い浮かべた方も

構造デザインって何?

初めての投稿になります。 私は、建設・家具の会社を経営しながら、個人で建築構造デザインの仕事をしたり、大学で教育活動をしたりしています。 このnoteでは、建築構造以外の人に向けて、その中身を分かりやすく説明していきたいと思います。 そもそも建築構造って何だろう?「建築構造」は、一言で言い表しづらい不思議な分野です。皆さんは、「建築構造」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか? 地震力の検討、骨組みの設計、トラス、ドーム、タワー・・・計算ばかりしているイメージが強い

2020に20世紀をおさらいするということ: 建築見学記のあとがきにかえて

平穏あるいは平凡な日常、もしくは予定というもののあてにならなさをただ噛みしめる数ヶ月間の挙句、僕の米国生活は終了した。 時を隔ててこの記事を読んでくれている方のために書き記しておくと、2020年前半のアメリカ合衆国は大変な苦難に見舞われた。悲しい出来事もいっぱい起きた。 ひとつめの苦難は新型コロナウイルスの流行だ。昨年末に中国で発生が確認された「COVID-19」。ニュースこそひっきりなしに耳にしていたものの、暫くはまさに対岸の火事って感じで、米国では僕や周りの人含めて呑

サーリネン と サーリネン

はじめに・・・ 2020/04現在、コロナウイルスが世界中を大混乱に陥れ、アメリカも大変なことになっているのは皆さんご承知の通りだと思います。僕は地方都市に住んでいますが、一か月くらいほとんど外出しない日々が続いています。この記事ですが、米国がこんな状況になる少し前に行ってきた建築見学記になります。その点、ご承知いただければ幸いです。 米国が危機的な状況を脱出し、日本でも爆発的な感染増加・医療崩壊が起きず、誰もが健やかに・気兼ねなく外出できる日々がいち早く再来することを祈っ

12月のテキサス / アゲイン(その②:ヒューストン建築散歩)

前回の記事では、レンゾ・ピアノ氏設計の美術館「メニル・コレクション」について言及したが、ヒューストンは他にも見るべき建築が沢山あった。我々日本人からすると「NASA!」って感じのイメージが先行してしまうこの街だが、実際のところ全米第四の大都市で、文化的充実度も高い。 最近の見学記では、一つの建築・あるいは一人の作家について、ベッタリ、クドクドと感想を書くことが多かったが、たまには(?)淡々と建築紹介をしてみたいと思う。 ― Cy Twombly Gallery / Da