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「Fitbit」の成功と失敗を #マーケティングトレース

おはようございます。

今回は、フィットネス製品の「Fitbit」についてマーケティングトレース
していこうと思います。

「Fitbit」は僕も1年前から愛用しており、心拍数や睡眠時間の質と量、運動量などの計測が役にたっています。

また、最近のニュースではGoogleの「Fitbit」買収が正式に決まり、今後より広範囲にサービスを提供していくことが可能になりました。
(AndroidユーザーなのでApplleWatchに代わるものが出そうで嬉しいです。)

本編では、

・Fitbitが業界1位にまで成長できた理由(2015年時点)
・業界1位から転落してしまった理由

などについても深ぼっていきます。

■マーケティングトレース

まずは、市場環境の分析です。ポイントは、

①コロナウィルス発生により、世界的に健康意識が高まっっていること
②ウェアラブルデバイスの技術開発が進み、競争も激化していること

などですね。

競合にも、名だたる大企業が名を連ねております。

2019年時点の市場シェアは、1位AppleWatch(37.9%)、2位Fitbit(24.1%)、3位Samusung(10.6%)となっています。Fitbitは、2018年に比べて4.2%市場シェアを落としています


次にターゲットです。健康への興味関心が高い若い層が現状ターゲットだと思いました。

ウェアラブル系の端末を保有している人のニーズを調査した結果では、
「向上・らしさ」の追求や「孤高・さまよい」の解消などがありますね。
明確な健康改善というニーズ他に、運動やアクティビティを通した他者とつながる手段にもなっているんですね。

ポジションとしては、フィットネス特化×一般向けの汎用的な機能という軸で置きました。

Fitbitの端末では、歩数、消費カロリー、歩行距離、心拍数、ストレス検知、酸素飽和度、皮膚温度などが取得できます。(端末によって異なる)
Fitbitアプリでは、それらの数値が見える他、FitbitPremiumという月額プランに入ると、より詳細な健康に関する情報を受け取ることが出来ます。

■成功要因2つと失敗要因2つ

成功要因①:ウェアラブル市場を早期開拓し、生活者の健康意識の高まりに対応した

fitbitは2007年にサービスをローンチしております。AppleWatchの初代が2015年の4月に発売されたことを考えると、まだ市場がない早期に参入し、大手販売代理店やAmazonなどの巨大小売店の手を借りながらシェアを拡大していったことになります。

2015年の時点では、世界シェアの32.6%を獲得しており、市場のリーダー的ポジションを獲得していました。

また、2016年には最も革新的な企業の50社のうち37位にランクインするなど、分野としての新しさが強調されていました。

成功要因②:健康データを活用したモチベーション付けによる継続利用の促進

Fitbitは端末から取得しているユーザーの健康データをもとに、ユーザーのモチベーション向上機能を導入してきました。

たとえばFitbitは、ユーザーのアクティビティを促進するために、「コミュニティ機能」を提供しています。これは、他のユーザーと運動数や消費カロリーなどを競い合う機能です。

Fitbitの調査では、Fitbitアプリ内で友達がいるユーザーは、そうではないユーザーと比較して一日あたり平均700歩歩行数が多くなるとのことです。

また、アクティビティチャレンジ目標の「Fitbitアドベンチャー」もあり、仮想の目的地に向けて仲間と一緒に競争しながら目指していくといった機能もあります。

失敗要因①:ターゲットが健康意識狭かったため、全人類を対象にするような競合にシェアを奪われた

Fitbitはもともと2015年には市場のリーダーとして位置してました。しかし、その後に参入したAppleは、AppleユーザーをターゲットにしたAppleWatchを提供し、健康以外の目的でも利用できるSmartWatchとして提供をはじめました。

この結果、健康目的以外のユーザーを獲得することができ、Fitbitが取れていなかったユーザー層の獲得ができました。(現在では、Appleの年間販売数は、スイスの腕時計産業全体の販売数を1000万本近く上回るとか。)

失敗要因②:テクノロジーの変化が激しかったため、資本力をもった後発企業に対して効果的な対策がとれなかった

Fitbitが位置しているウェアラブル市場は、現在進行形で市場規模もテクノロジーも成長している市場です。その市場で継続的に勝負をしていくためには、新しいテクノロジーの開発が必要でした。たとえば、初期のFitbitでは、歩数や走行距離、アクティビティ管理のみだったのが、現在では心拍や皮膚体温、酸素飽和度などを検知できるように進化しています。

その点、資本力をもつAppleに対して研究開発やプロモーションなどの点で対策をうまくとれませんでした。

実際に、FitbitがAppleへの対抗策として初期に出したスマートウォッチは、クオリティの面で評判がわるかったとか。。

■自分がCMOだったら?

自分がCMOだったら現状のFitbitに対してどのような策をうつか(CMO仮説)は、

①現実策:AndroidWatchの提供
②不確実性高い策:GoogleAssistantと連携したパーソナル・コーチング機能提供

です。Googleと連携して業界のリーダー的ポジションをどのように取るかが鍵だと思いました。

■トレースからの学び

トレースからの学びは以上です。早期の市場開拓を行うSTARTUPにとって、後発の大企業とどのように競争するかは、Fitbitの事例から考えさせられますね。

いずれにせよ、ターゲットを絞り、ターゲットにとってのポジションを決めた上で、全体としての一貫性をもつ必要はありそうです。

以上、Fitbitのマーケティングトレースでした。

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