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創業99年の老舗製氷メーカー、ECサイトを始めるまで【#6小野田商店100+ 】


「オンライン氷屋」は可能か?

さて、今日ではあらゆるものがECサイトにて購入可能な時代となっていますね。日用品やインテリア、保存食品などはもちろん、冷凍食品まで購入が容易で、ふるさと納税などはまさに冷凍、冷蔵での食品のやり取りがネット上で容易な現代だからこそ発展したといえるでしょう。

なので、オンラインで氷を販売している氷屋もそれなりに見かけても良いはずな気がしますが、実際にはほとんど、ネット上で氷が販売されているのを見たことは無いのではないでしょうか?

実際のところ袋詰めの氷が欲しい場面というのは、必要なときに家の冷凍庫の製氷トレーの氷を切らしているか、アウトドアなどで袋入りの氷として持っていきたい場面がほとんどなのではないでしょうか?

こういった場面では早く氷を入手したいため、ネットショッピングが利用されることは少ないでしょう…。

バーテンダーの方やプロの料理人の方にはわざわざ超純氷®を氷屋さん経由などで買って頂けることも多いのですが、なかなか一般の方にちょっと贅沢な氷を使ってもらうハードルは高いという現実はあると思います。

しかし!「超純氷®」が、ご家庭や業務用製氷機で作る氷とどう違うのか知ってもらうためにも、小野田商店はご家庭向けの氷ブランド「小野田の超純氷®シリーズ」を立ち上げました。

晩酌やパーティーなど、ちょっと特別な場で味わうのにピッタリな超純氷®を皆様に買って頂ける新しい場を作りたい!

そして小野田商店は99周年目を迎えるにあたり、まだ氷業界が積極的にチャレンジしていないことにも挑んでいきたいと考えております。
そこで、小野田商店として初の取り組みになる、ECサイトでの氷ブランド「小野田の超純氷®シリーズ」を販売することを決めたのですが…。

ECサイト、どこで始める?

さて、ここで問題となったのがどのECサイトを選ぶかです。

どのECサイトもそれぞれ異なる強みがあり、どれが優れているということでなく、どのサイトを選ぶかはそれぞれのビジネス上での特徴に合わせて選択していくことが大事になると思います。

ここで小野田商店が最初に選択したのは「BASE」です。
理由としては、まぁ…色々あるのですが、簡単にいうとBASEは全く新しいビジネスを展開するにあたり、小さく始めることに適しているからです。

BASEはショップが無料で開設できるので、商品が売れた時には決済料とサービス料がかかりますが、売れるまで全くお金がかかりません。
さらに「BASEかんたん決済」は決済システムの選択幅が広く、多くのお客様に買って頂きやすいので、裾野を広げるためにECサイトをはじめるならもってこいです。

そして、なんといってもnoteとの連携が容易だからです!

小野田商店と氷業界、ひいては氷そのものを皆様にもっと知って頂きたいと始めたnoteとの連携は、まさにECサイトという製氷メーカーの新たなチャレンジを始めるにあたり最適でした。

さて、このようにBASEを立ち上げることになった小野田商店ですが、ここで問題にぶつかります。

小野田の超純氷®シリーズ、本格生産はまだまだこれから

さて、BASEでECサイトを立上げるところまで決めたのは良かったのですが、「小野田の超純氷®シリーズ」は今までのような業務用の氷とは違った規格を取り入れた、ご家庭向けの製品。

業務用とは異なる、新たな製造のための流れを作っていく必要があり、これは新型コロナウイルスの流行で、イベント中止などが相次ぎ、業務用氷の消費が落ち込んでしまった逆境を逆手に取って進めていく予定でした。

ですが、ちょうど生産の準備が整ってきたタイミングに、新型コロナウイルスの流行がひと段落して、それまで売上が下がっていた業務用氷の売上が思った以上の回復を見せました!

これにより、特に夏季は業務用氷の需要がキャパオーバーギリギリまで高まり、小野田商店として大変うれしい悲鳴を上げてあります。
これはひとえに、苦しいときも小野田商店を支えて下さったお客様などを始めとした、多くのサポーターのおかげです。
当社一同、大変感謝しております。

しかし、一方でご家庭向けの氷である「小野田の超純氷®シリーズ」の展開のために、今まで愛用頂いた業務用氷の生産能力を削るわけにもいきません。
新しいことへのチャレンジも大事ですが、まずは何よりも今まで支えて頂いたお客様に報いるためにも、業務用氷の生産は守り続けることが必要でした。

そこで、今はまだ「小野田の超純氷®シリーズ」は限られた場所で、先行販売をするに留めました。

今は眠れ…小野田の超純氷®BASEよ…

さて、一旦は飲食用氷「小野田の超純氷®シリーズ」の販売を取り止めたBASE…しかし、小野田商店の新たな取り組みは飲食用氷だけではありません。

食べる氷ではなく、魅せる氷…氷華®です。

小野田商店初のECサイト「氷華®BASE」オープン!

さて前述の通り生産の事情もありますが、やはりにコンビニ・スーパーの氷が小野田の超純氷®シリーズの競争相手と考えると、飲食用氷はブランドを展開していきなりのEC販売は難しいという判断となりました。

その上で氷をECサイトで販売するとなると、より独自性の強い商品に絞るべきと考えて、最終的に氷華®のみ販売する形で構想は進んでいきました。

氷華®は花氷、氷中花とも言われる、氷に造花などを閉じ込めた昔ながらのアイスアートです。

過去に小野田商店で作製した大型氷華®

その詳しいに歴史ついてはここでは割愛しますが(気になる方はこちらの記事「氷華?花氷?氷中花?」へ!)、かつてはデパートや駅、銀行、そして国会議事堂にも置かれることがありました。
冷房が今よりも進んでおらず、また今よりも涼しかった時代は見た目と温度で涼を取るためのグッズとして愛されていたようです。

しかし、時代は変わりそれらはあまり街中で見る事も少なくなりました。
情緒的な涼しさだけでは夏の暑さに対抗できなくなったことと無関係ではないでしょう。

このように時代とともに忘れ去られつつあった氷華®に、小野田商店はギフトグッズとしての価値を見出し、時代のニーズに合わせたデザインと、より簡単に飾って頂ける仕様へとリメイクし、新たに展開しました。

最新作のブライダル氷華SS(ピンク)。
手軽なサイズで、プレゼントやウェディング会場の装飾にピッタリです。

ちょっと変わった贈り物として、氷に閉じ込めた思いを贈る氷華®はプレゼントとして最適です。
この、もう一つの新たな取り組みとECサイトの相性は抜群でした。

小野田商店は昨年度から氷華スタジオという専用の製造拠点を開設し、氷華®の製造に力を入れています。

氷華®のデザインも専門の担当者を設け、より時代のニーズに合わせたデザインへと変わっていったのですが、ECサイトのデザイン自体も、氷華®専門の担当者に手掛けてもらっています。

氷華®に使用するフラワーアレンジメントをデザインした担当者と同じ方がBASEもデザインしているので、商品の雰囲気とベストマッチしたページを実現できました!

こうしてかつての超純氷®BASEとは装いも新たにした、onoda Hyouka Studio BASEがオープンしました。
小野田の超純氷®のコンセントや小野田商店HPの雰囲気とも違った、氷華®の商品に込めたブランドイメージを最大限に押し出すことのできる特化型の販売サイトとなったので、結果的に非常に良いものとなりました。

↓onoda Hyouka Studio BASEはこちらのリンクから↓

オフラインでもオンラインでも新たな取り組みを!

こうした紆余曲折ありながら、製氷メーカー初となる氷のECサイトがオープンしました。

変わっていくことは大事ですが、もちろん簡単には変えられないこと、また変えてはいけないこともあります。
また、ソフト面での進化は、ハード面のそれとバランスを取り続けるのは難しいこともあります。

しかし、製氷メーカーの未来のためにも、皆様により幅広く氷と笑顔を届けるためにも新たな取り組みを続けていきたいと思います。

…さて、ECサイトデビューを果たした小野田商店ですが、実はほんの3年ほど前には、ホームページがあるにはあったのですが、一体いつの時代のサイトか?と思うような整備されていないものしかなかったのです…。

そんな小野田商店HPが一体どのような経緯で変化を遂げたのか…?
一部始終を当マガジンの次回記事にてお話ししましょう!


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