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答えを急がない勇気…ネガティブ・ケイパビリティ【読書感想】

あなたは
問題に対する解決方法が
すぐに思いつかない時
どんな気持ちになりますか?

たいていは
落ち着かなくなったり
不安になったり
イライラしたり
するのではないでしょうか。

ここ数年どころか
ここ百年くらいは

「問題をいかに素早く解決するか」

ということが
重要視されている気がします。

問題を効率よく解決する力を
「ポジティブ・ケイパビリティ」
だとすると、

今回おすすめする本は
問題を解決しないままにする
「ネガティブ・ケイパビリティ」
について書かれています。

(電子書籍と紙の本とで価格が違います)

ケイパビリティ(capability)
とは「能力 才能 才覚」のことだそうで

「何かができる」
というポジティブな意味合いを持ちます。

そこに「ネガティブ」をつけた
「ネガティブ・ケイパビリティ」は
「しないでおく能力」という意味になるのです。


たとえば
くよくよ悩んでいる人がいたとしましょう。

その人の悩みを
解決するでもなく
励ますでもなく

ただ相手の気の済むまで
聴いてあげる能力です。


本から引用すると
『不確実性を許容する高度な能力』
なのです。

優柔不断は
「なんとなく決められないこと」
をさすのに対し、

ネガティブ・ケイパビリティは
『意志と目的を持って、
そこでは結論を出さないでおくこと』
なのです。

『新しい思考や認識の出現を可能にするために、
不安や恐怖に耐え、確実性のない場所にとどまる能力』

と作者は言っています。

『立ちすくむのではなく、
真実に近づくために
立ち止まる勇気』だと。


作者の枝廣淳子さんは
とてつもない才女なのですが

それでも
「答えを出さない勇気」
について考えておられることに
感動しました。


わたくし事なのですが

相談者様のためになるように
日々占いを勉強して
自分の身で実践しています。

「これだ!」と閃いて
嬉しくなっても

実際に試してみると
あまり効果がない…

つまり占いとして
「当たらない」
ということもしばしば起こります。

そんな時
焦ったり、ガッカリしたりせず

「ちょっと温存しとこ」

と考えてきました。

もっと良い案が浮かび
もっと相談者様のお役に立てる日がくると
信じながら待つ。

この気持ちに名前があったことが
私は少し嬉しかったです。


「効率よく」
「答え」を出すことが求められ

「熟慮する」
「立ち止まる」姿勢は

「ダメなやつ」
「何もしていないやつ」
という評価になる最近の世の中。

すぐさま答えの出ないもの
得体の知れないものは
排除されがち。

社会全体が常に
時間に追われているような
生活をしている感じ…。


もちろん
効率的に問題を解決することが
悪いわけではありません。

私もその恩恵を十分に受けて生活しています。

でも最近
「生きにくい」と感じる人が
増えているように思うのは

この効率化が
影響しているんじゃないかなぁ
と感じているのです。


「何もしていない」ことに
不安を感じる人に
ぜひ読んでみて欲しい一冊です。


~~余談~~

「ネガティブ・ケイパビリティ」
という言葉の生みの親
キーツについて
ホロスコープで読んでいます。

興味がある方はどうぞ。


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