台湾旅行記 故宮博物館編
旅も後半になるにつれて、同行しているHさんと自分のやりたいことが異なってきた。HさんはASPT(Asia Series of Poker Tour)で行われているトーナメントにできる限り出て優勝して、名誉と賞金が欲しい。私はもうポーカーを打つ資金が底を尽きかけているので、台湾の観光がしたい。そんなことで、夕食の時以外は段々と別行動が多くなった。
朝、起きるとHさんはもういなくなっていた。朝9時から行われるトーナメントに出場しに行ったのだろう。残された私は一人で台北市郊外にある故宮博物館を見学することにした。経路をGoogle mapの機能で調べてバスに乗り込むと妙に運賃が高い。どうやらバスの2階の屋根が解放されていて、台北市街が見渡せる観光客向けタイプのバスに乗ってしまったらしい。そんなことに気づく余地もなく、バスの1階の奥の方の席に座っていたら、添乗員の人から不思議そうな顔で見つめられた。言ってくれよ。二階に座らないんですかって。
そうこうしていると故宮博物館に到着した。何なら入館料の方がバスの運賃より安かったのは置いておいて、展示は素晴らしかったのでその中から幾らかをピックアップして紹介しようと思う。
手前から草書、楷書、行書で書かれた掛け軸が並ぶ。字体の違いを実物で確認することができて、興味深い。読めないけど。そもそも日本語で書かれていても掛け軸って割と読めないけど。
この時期にはデジタル×アートがテーマとして掲げられた特別展示がありました。これ見たときには一本取られたなという感じでした。他にも3Dグラスを掛けなくても立体に見える彫刻作品であったり、掛け軸の世界の中の鳥になって、水墨画で描かれた峡谷の間を自在に飛び回れたりと、動きも音もない昔の作品を五感で感じられて、楽しめました。
細かい造形と目に鮮やかな色彩が素晴らしいですね。やっぱりこういうの作らせたら中華圏は世界一だと思います。
台湾の博物館といえども展示されている物品は割と中国の大陸製が多い。その中でも乾隆帝や雍正帝といった清の時代に景徳鎮で作られた陶器が数多く展示されていた。上の壺は感心した作品で壺の外が中華風の柄に切り抜かれていて向こう側が見えるようになっている。
珍しい形の鉄器、鼎(かなえ)ですね。たまに使う鼎談(ていだん、3人の会談のこと)という言葉の元ネタの実物を見られるとは。
これがメインの展示の一つらしいです。白菜て。でも台湾の至宝らしいです。上部には翡翠の緑を生かしたキリギリスが彫られています。
これがもう一つのメインの展示。角煮、中華風に言うなら東坡肉(トンポーロー)を模した石の彫刻。ボケてるのか、マジなのかよくわかりません。これ最上階に展示されているので、堂々とした掛け軸の書や絵画、精密に色彩素晴らしく作られた彫刻や陶器を余るほど見せられた後に、これを見せられます。でも、帰国した後Kにこの作品のことを知っているかと聞いたら、なんとなく知っていたのでマジっぽいです。
、という感じですべての作品を見終わりました。非常に満足しました。帰りは自分の乗っているバスが観光バスと気づいたので、しっかりと二階の空が解放された席に座って台湾の市街を楽しみました。
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