シェア
戸田 温
2020年7月12日 21:41
ある真夏日の昼。ベランダで息を途絶えていく蝉が居た。「7日間という短すぎる地上での人生の中で、何故あなたはこの地球上に生まれたのか」「一夏も持たない命を、何故この暑さの中ひたすらに鳴き続け、死ぬ間際にも声を上げることを選んだのか」多分、彼らはこの世界に「恋」をしたのかもしれない。すぐに終わると知っていながらも、少しでも長くそこに居たくて、美しいこの世界でその声を発し、誰