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ニートが家に住むことになった。#02

どうも、この度ニートが家に住むことになりました。

(オ)大掃除

寅女の部屋は汚い。「玄人のみぞ、足を踏み入れられる」で巷では有名である。そんな部屋にもう1人、マッチョなニートが住むとなると完全にキャパオーバー。早速社長に手伝ってもらい部屋を掃除することにした。

社長「この部屋は収納機能が死んでいる」とのことだったので近くのホームセンターで新たな棚を購入。組立が終了したところでタイムオーバー。次の日、同期の女がたまたま家にやってきたので掃除を徹底的に手伝ってもらうことに。何から何まで捨てられ、人1人寝れるくらいの大きさのソファを購入し、見違えった部屋で迎えることができた。

同期の女と寿司とビールとM-1が私の最後の休日となる。


(カ)初日

当日。15時頃に家に着きますと言われていたが15時を過ぎても全く連絡がこない。電話をかけたが当然出ない。ようやく1時間後に返信があり「すみません、夜向かいます」とのことだった。私は在宅勤務中。突然の電話やzoomMTG等たくさん予定があるので時間を教えてもらわなければ困る。「時間がわかり次第教えてください」と返信し、仕事が忙しかったので放置することにした。

19時半ニートから電話。「今近くのスーパーにいるんだけど、ここからどうやって行けばいい?」とのこと。位置情報は既に送っているのになぜ道がわからないのか理解ができないという気持ちは横に置き、取り急ぎ迎えに行くことに。「ああ、遅くなりすみません」とニート。とにかく私は仕事が終わっていなかったが早速OJT始めようと取り急ぎ「やらないといけないことリストを書いてできたら見せて」と言い残して放置した。
15分後。やけに静かだなと思ったら携帯を見ながら暇そうにしており、時計を見ると21時だったため自分の仕事はまるで終わっていなかったが強制終了した。

部屋が汚いことから容易に想像がつくだろうが、私は自炊は全くしていない堕落人間。コンビニで一緒に買ったご飯を食べながらこれからについて話そうと試みた。しかしニートも上手である。かなり気まずいのか自分の好きな話を次から次へと止まることなくしてきて真面目な話をする隙がない。しまいにはポーカーの練習をさせられたりマジックの披露があったりした。流石にまずいと思い一旦トイレに行って仕切り直すことにした。

トイレから戻り間髪入れず先ほど記載してもらった「やりたいことリスト」を確認した。メモの精度が低い。要はやりたいことが明確ではないと考えた寅女、そこから怒涛のガン詰質問タイムを繰り広げた。
各項目において、「なんで?」×10くらいを繰り返していくうちにひとつ見えてきたことがある。社長になりたい理由がまるで無いに等しい。ということである。

寅女「てかそもそもなんでお酒の事業やりたいの?」ニート「お酒が好きだから」寅女「お酒のどうゆうところが好きなの?」ニート「、、、え〜どういうところって、」寅女「その事業を成し遂げてどうしたいの?」ニート「お金持ちになりたい」寅女「なんでお金持ちになりたいの?」ニート「いい暮らししたいし、いい車欲しいし、いい時計欲しいし、女の子にモテたいから」

ここで寅女さすがに黙る。だが負けてられない。続いて、「ニートくんがお金持ちになるってことは、そのお金を何かの価値を感じて払ってくれる人がいると思うんだけど、その人たちって何があったらお金払うの?ニートくんにお金どうしたら払ってくれるの?」

ニートくん黙ってしまった。「なんでかわからないけどなんかやりたい」という状態らしい。寅女は悔しさを隠しきれなかった。興味を持った事象には迷いなく突き進むことのできる人間なのに、そこが曖昧なのか。応援のしようがないじゃないか。そんな曖昧な状態なのに、私からタスク管理されて大丈夫か。悔しさはすぐに雲隠れしすぐに不安な気持ちが押し寄せてきた。

そんなこんなで時計を見ると丑三つ時だ。初日からこの調子だとぶっ倒れる気しかしなかったので寅女「自分の中でもきっと今モヤモヤしてるんだろうね。自分だけでもやもや考えるより、人と話したり言葉にしてみるとスッキリしていくからそこも明確にできるようにして行こう」と言い残して強制就寝した。

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