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ニートが家に住むことになった。#06

どうも、この度ニートが家に住むことになりました。

(ス)会議③

兎にも角にも、寅女としては「ニートが成長するまで諦めたくないこと」「3人には色々ここで諦められると困る」「社長とマッシュ男に見切らせないこと」この3点である。なぜこんなに熱量が高いのかはさておいて、それだけは自分の中で揺るぎない事実だと確信した。

そこで、前日明け方5時までかけて思考を巡らし準備した以下資料を元に、翌日のMTGにて社長とマッシュ男に淡々と話出す寅女。

そもそもなぜこの「寅女の家にマッチョニートを住まわすことにしたのか」という原点から立ち返ると、この取り組み事態の目的が曖昧である。本件は”とりあえず”寅女の家に住まわすことでニートがどう変化していくのか経過観察をしてみよう的なざっくりした目的のみで実行されてしまっている怖いPJT。寅女はここからまず明確にする必要性を強く感じた。

寅女として出した【目的】の結論は新会社の長期的な事業拡大・利益拡大である。そもそも新会社は社長が設立したのであるが、そこにタイミング良く「社長をやってみたい」というニートが現れたためお任せしてみることに…から発展したシリアス展開。解決するには関係各位が同じ目的を抱く必要がある。4人に対する想定メリットから、上記目的と定義した。

当初社長・マッシュ男はニートの状態を「方向性は定まっているが進捗管理ができていない状態」だと認識していたため、”寅女の家に打ち込み管理してもらうことで課題は解決できる”と打ち手ベースに走らせてみた。ところが寅女としてはそこが課題ではないと認識。ニートの状態は「方向性が定まっておらず、進捗管理ができていない状態」であること。本質的な課題はそこでありそれを解決させてもらえないのであれば本件は降りさせてもらいたいと伝える。その根深い問題に足を突っ込まない程度でやるのであれば興味がないし勝手に失敗すればいいとまで思った。

ここから現状の整理を進める。そもそも社長になったことすらない寅女、的外れなこと言っている可能性があるものの、会社としてあるべき姿を整理していく。

会社が事業としてあるべき姿として考えたのは”長期的に”事業・利益拡大ができている状態だと考える。その中で現状として「方向性が定まっていない」ことを問題定義した。

次に、その会社の軸となる社長のあるべき姿である。なおこちらの「社長」というのは広義の”社長”であり本noteに登場する寅女の友人の”社長”のことを指すのではない。これまでの記事に散見されるが「ニートの現状」をざっくり整理したものが上記となる。

現状をまとめると、「短期・長期どちらの視点で本件に対して取り組むのか」というところ。寅女としては「長期的な視点で取り組むことで後々みんながハッピーになるのでは」というところで2人に訴えかける。

よって、寅女としては「ニート自身のモチベーションを探り個人として成長することが必須事項」「もう一度言うがこれに関与させてもらえないのであれば本件はこのタイミングで降りる」と明言した。※なお、この後具体的な打ち手のスライドも用意していたがここでは割愛する。

寅女が話したことに対して社長とマッシュ男は「相違はない。おっしゃる通りだと思う」と第一声。これからはもう好きなようにしてください、まあ負荷がかかりすぎないように気をつけて、とのことだった。

(セ)それぞれの思惑

ここまで、寅女目線での現状の整理と事実をお伝えしてきた。しかし現状はもっと複雑で、各々の思惑が錯綜してしまっている状態。改めて第三者目線で整理する。

<寅女>

▽心情
・ニートを成長させたい
・自分の信念として始めたことを半端に終わらせられない
・利害よりも気持ち・パッションを優先

▽行動
・会議③の通り、支援を継続できる方法を模索
・それに伴い、ニートと支援側の利害を調整(こちらで割愛している打ち手部分で伝えている)

<ニート>

▽心情
・何かやりたいがどうしていいかわからない
・これまで頑張ったことがないので頑張り方がわからない
・これまで人と深い付き合いをした経験が少ないため、なぜこのような事態になっているか(色んな人からとやかく言われるのか)理解できない

▽行動
・まるでテンプレートのような文言でその場を乗り切ろうとする
・やる気を見せようとする

<マッシュ男>

▽心情
・これまで支援を1人でしていたが、限界があるため協力者が欲しい
・ニートとは昔からの親友なのでどうにかしてあげたい
・そんな昔からの親友が周囲の人間に迷惑をかけている状態を生み出してしまっている状態を解決したい

▽行動
・各々にかかる利害を計算し、支援の撤退を提案

<社長>

▽心情
・ニートがやりたいと言っていることの実現方法はある程度想定できている状態(もちろん、ニート本人の努力次第であることは前提)
・ニートが努力できる人なのか、方法がわからないからできないのかを見極めたい
・一週間の検証(ニートを寅女の家に住まわし、仕事を進められるのかどうかの実験)の結果、方法がわからないからできないことが問題なのではなく、本人自身のモチベーションコントロールに問題があることが判明

▽行動
・リターンが見込めないため最小限の工数を残した上で支援徹底を提案


<総意>
寅女のどうしてもニートを更生させたいという熱い想いに心を動かされ、支援の継続を決定


要するに寅女のブルドーザー(自分の強い意志を伝えて周囲を巻き込み提言していく様/寅女属する会社の先輩から命名を受けたものであり、寅女の「ブルドーザー受注」は社内でもまるで見世物の一つとなっている)により、これからも支援を継続することを協力者である2人に納得させたのである。

残るはニート本人の意向と意志の最終確認である。翌日に続く。


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