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ニートが家に住むことになった。#04

どうも、この度ニートが家に住むことになりました。

(ケ)4日目

どんなに悲しい気持ちに苛まれても、朝は来る。寅女かなり疲労が溜まっており、8時半に起床。ついでにいびきをかいて寝ているニートを叩き起こす。眠い目をこすって寅女は自分の仕事を開始した。

とにかく生活できないレベルでお金がないのであれば、「自分で事業をする」なんて到底先の話だ。ただニート、8月に退職した後約4か月間、倉庫内夜勤の仕事でしか金を稼いでいないらしい。まずは日々呼吸をできるだけのお金を稼ぎ、自立して生活した方がいい。そう考えた寅女は以下2点を伝えた。「本日よりコンビニ禁止」「本日中に時給1500円〜×週4日以上の仕事を探し、応募すること」

そう伝えると、お腹が減っているであろうにも関わらずじっとしている。かわいそうだったため、水2リットルとコーヒーを買いに行って、コップを与えた。するとようやくバイトを探し始めた。無事応募完了しお昼。もちろんコンビニには行かせない。寅女の実家から送られてきた仕送りであるパスタとソースを使って、ミートスパゲッティーを作ることにした。

寅女が作っている横に立ってじっとこちらを見つめているので「どうしたの」と聞くとパスタを茹でたことがないと言うので茹で方を教えるついでに作ってもらうことにした。「自分で作ったものは美味しい」と言いながら食べていた。寅女不覚にもなぜか涙が出そうになる。2人前茹でたが、腹が減っていたらしく1.5人前を勢いよく食べていた。

お昼を済ますと午前中に応募をした会社から「面接に来てください」と連絡があり、寅女から相当「やばい」と言われ過ぎて危機感を持ったのか「今日面接にいってくるね!」と言い、家を出て行った。

夕方頃帰宅。ドアを開けた瞬間「合格したから1月4日から働くことになったよ」「面接ですごい褒められた」と勢いよく話しかけてきた。なおニートが応募したバイトというのが、電話でアポを取り続ける仕事。前回にも少し触れていたが「足腰使うゴリゴリ営業」を約半年間していたので、営業は得意である。かつ、扱う商材も同じだったため、面接官から「これは即戦力になりそうな子がきた」とその場で合格をもらったらしい。なんかそういうセンスだけは本当にあるよなと感心した。よかったねと言いつつも目先のお金はまだない。

その後寅女は仕事が立て込んできたので放置していると気づいたらいびきをかきながら寝ていた。9時半頃用事があり家を出て、10時半頃帰宅すると一生懸命寿司打をしていた。「コンビニ禁止」と伝えていたので飯を作らなければと思いつつも、寅女ストレスで体調が絶不調。悪寒がひどく立ち上がれなかった。

寒いと連呼するもニート、大型犬のようにじっと座っている。「インスタントラーメンあるから作って食べていいよ」と伝えたものの「うん」と言葉を発してから一向に動こうとしない。まだ犬の方がマシだわと思いながらも面倒だったのでUber eatsで牛丼を手配した。

まるで大型犬が尻尾をフリフリしているかのように、喜んで食べていた。寒すぎて普段ニートが寝ているソファで包まっている寅女はまるで目に入っていない模様。『梨泰院クラス』を見始め挙げ句の果てには冷蔵庫から寅女のビールを取り出しぐびぐびとうまそうに飲んでいた。

3時半。私はどうやら寝てしまっていたようだ。パッと横を見るとニートはまだ床に座ってじっとしている。「寅女ちゃん、もう寝ようよ限界だよ」とのこと。いうの遅くない?!?!?!と思いつつ自分のベッドに移動して就寝した。

(コ)5日目

翌朝起床すると喉痛・発熱・頭痛の三拍子揃っており死にそうだったので取り急ぎ上司に連絡し、もう一度寝た。ニートを起こさなければと思ったが体力は1ミリたりとも残されていなかったので放置した。

寅女この日は年内最後の仕事納めの日。年内中にやらなければいけない仕事が山のように残っていたので13時半、ようやく仕事をし始める。まだニートはいびきをかいて寝ている。この日は食いつなぐために夜勤の仕事を入れたと聞いていたので、そろそろ起こさなければと思い、16時頃叩き起こす。すると「俺も風邪っぽい」とのことだったので熱を測ってもらいまた放置した。

17時頃そろそろ本当に間に合わないのではと思い、もう一度叩き起こしてパブロンと水を与える。夜勤に行かせるために電車の時間を調べてあげるとやばいと思ったのかそそくさと動き出し、18時半頃家を出て行った。「ここから4日間くらいは毎日夜勤の仕事に入ることにしたから、年始までこの家には帰らないことにするね」とのことだった。

ニートが家を出る少し前、社長が忙しい中ポカリと食べ物を買って家に来てくれた。涙が出そうになる程嬉しかった。入って開口一番ニートに向かって「なんで寅女が風邪薬与える側やねん。普通心配して看病するやろ」とピシャリと言うとああ〜そうだね〜と心ここに在らず的な感じで言葉を発していた。ニートが家からいなくなった後、社長とこの5日間にあった出来事とニートの現状・これからについて話をした。社長もここまでやばい奴だとは知らなかったようで「本当に申し訳ない」と謝罪された。そんな謝罪はどうでもいいんだがこれからどうするんだ?!?!?!?!


ということで、第一弾同棲記録終了である。
今後の展開に、ご期待ください。




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