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淡い夢を見ていた。 はじめは夢だと思わなかったけれど、記憶を再生してみると、視界いっ…
――〈淡い夢を見ていたのでした〉。その冒頭が有名な遺書は、自殺した女性作家・北原しづく…
淡い夢を見ていた。中身はもう覚えていない。まばたきみたいに、スマートフォンを一度光らせ…
淡い夢を見ていた。そこに、夢としての自然さはなかった。 まるで何かを刷り込もうとする…
淡い夢を見ていた、で名前なんだよ、一つの。 ――私立女学院中学の生徒二人の会…
淡い夢を見ていた、と言うよりも、私自身が淡い夢だったんだろう。色合い、意識、指先の感覚…
淡い夢を見ていた。 大人はいつだってもの知りで、多彩な幸せを教えてくれた。ずっと孤独だった僕の幼い頃、自分で覚え身につけた事も様々あるけれど、いつしか周囲には寄り添ってくれる人も増え、そうやって大抵、こなせる様になって行った。 体を仰向けにして浮かべる。雲が流れる時の速度で、草花の上を静かに揺蕩う。涼しさがいいな、と思ったから、少しだけ空気を調えた。風に織り交ぜた音楽が、耳で安らぎに変わる。徒に星の輝度を上げる。愛すべき風景、愛すべき世界。自由だった