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子どものウソの暴き方と寄り添い方

はじめに 

 皆さんは子どもが嘘をついた時、なんと声をかけますか?「嘘をつくことは人として許されないこと。」と諭していくでしょうか。「嘘をついたら悲しい。」と心に訴えかけるでしょうか。もちろん答えなどありませんが、ただ一つ明らかなことは、子どもはうそをついてはいけないことくらい分かっているということです。何かもっと大切なことを忘れていないでしょうか。今回は、子どもが自分で嘘を認める対話法と、子どもが嘘をついた時の対応について記事を書いていきたいと思います。

子どもが自分で嘘を認める対話法

 「怪しいな」と子どもに対して思う経験は誰しもしたことがあると思います。そこで「うそをついてない?」と問い詰めてしまうと、もしそうでなかった場合や、何かわけがあった場合に、子どもにとって大きな傷となってしまいます。そこで、最も効果的なのが、「気持ちよく喋らせること」です。簡単に説明します。
 子どもが何か怪しいことを言っても、最初はそこに言及しません。「そうなんだ」と受け止めます。そして、「それはどこで起こったことなの?」などと質問を重ねていきます。ある程度矛盾が生じても何食わぬ顔で質問を続けます。ポイントは、5W1Hを使うことです。(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)を使うことです。そして、矛盾が続くと、子どももだんだん焦り始めます。そして、子どものメンタルが弱り初め、矛盾が複数出てきた時点で、一気にその矛盾点について質問を重ねます。「さっきは◯◯って言ってたけど、どうしてここは違うの?」といった感じです。大人でも嘘をつき続けるのは難しいですから、子どもは簡単にボロが出ます。少々かわいそうな方法ではありますが、大体の子どもはこの時点で嘘を認めます。他にもたくさん方法がありますので、気になる方は是非別の機会でお話をしましょう!さて、問題はここからです。子どもが嘘をついた場合、どのように子どもに寄り添うべきでしょうか。その対応次第でその後の展開が大きく変わってきます。

子どもが嘘をついた時

 もしも子どもが嘘をついた場合、大人はどのように対応するべきなのでしょうか。結論から言うと、嘘をついたことへの反省は、一旦後回しにするべきだと思っています。多くの方々は、嘘をついたことへの指導を最も始めにします。それは、嘘をつかれたことへの裏切られた感とショックが強いからです。「嘘は何があっても許されない」「言い訳してはならない」などと、嘘をついたことへの反省を促すことと思います。反省を促した後に、子どもになぜ嘘をついたのかを尋ねた場合、「自分が弱かったから。」などと言うでしょう。しかし、一旦立ち止まって考えてみてください。そもそも人は皆弱いのです。「弱い自分が嘘をついてしまった意味」について内省をする機会がなければ、根本的な問題が解決することはありません。子どもはなぜ嘘をついたのか。嘘をつくに至るまで子どもを追いつめていたものは何なのか。それを遡って引き出すことができなければ、子どもは本当の意味で反省することはできません
 もしも、子どもを追いつめていたものを引き出さずに、子どもに反省をさせた場合、子どもは否定的な感情を抑え込むことでしょう。しかし、その抑え込んだ否定的な感情はどうなるでしょうか。それは、さらに大きな否定的な感情へと繋がっていきます。そして、その否定的な感情は、さらなる大きな問題行動へと繋がるのです。何が言いたいのかというと、嘘をついてしまった根本的な要因を取り除かないまま、嘘をついたことへの反省を促しても、子どもの否定的感情を大きくしてしまうだけだということです。
 
 さてここまで読んでいかがだったでしょうか。全ての子どもが追い込まれて嘘をついているわけではないかもしれません。しかし、何かしら内面の問題があることは間違いありません子どもが嘘をつくということは、その内面の問題を吐き出させるチャンスなのです。そして、その内面の問題が吐き出された時、初めて人は自発的に反省をし始めるのです。次回は、この「反省」というものについて深く掘り下げ、子どもが問題行動を起こした時の対応について書いていこうと思います。
 今週も素直で優しい子どもたちに囲まれてたくさん幸せをもらいました。読んでいただいてありがとうございました!


参考文献 岡本茂樹、「反省させると犯罪者になります」、2013

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