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一専業主婦が産んだゆるキャラが、アフリカの村の公式ゆるキャラになった話。

『トーゴの土地の利用権利を頂いたので、そこでおもろいことがしたい』という相談が、とある日本人から舞い込んできた。面白そうなので、私は二つ返事で『トーゴ行きます』と伝えた。

成田空港の集合場所に、ひときわ目を引くお姉さん(以下産母)がいた。見知らぬ人形がプリントされたTシャツにバッグ、それぞれには複数の言語で、『私はだんごま』と書かれていた。産母も私達と一緒にトーゴに行くことを知った。だんごまとは、産母が2年前に産み出したオリジナルキャラクターであり、商標登録もされていた。だんごまの目標は、ふなっしーのような存在になることであった。

産母


だんごま


力の入れ具合から、ビジネス的に何かやりたい人なんだろうな…と私は思い、だんごまのインスタアカウントを検索した。
https://instagram.com/dangoma.2020?igshid=YmMyMTA2M2Y=

だんごまインスタのフォロワーは10人のみだった。私達はだんごまのファンになってしまった。

産母は、だんごまを無茶苦茶トーゴ国民にプレゼンする。多くのトーゴ国民がだんごまを目にしたが、関心をもってくれたのは飛行機で隣になったおじさんと、謎牧師の妻のみだった。それでも産母はあらゆるだんごまTシャツを着て、だんごまをアピールしまくった。

私達は、例の土地に到着した。この土地は、トーゴの中部に位置するアニエ2村の郊外にある。土地の使い方に関する村長との会議が終わった際、産母は私に通訳をお願いしてきた。

例の土地と産母

『だんごまをこの村の公式キャラにするよう提案してほしい』

村長は急にノリノリになった。だんごまステッカーが村長室に貼られ、だんごまは村のゆるキャラになった。今後だんごまは、村の広報に使われる。

だんごまと産母と村長


『好きなことを仕事にする』というフレーズが流行っている。私もフリーランスとして好きなことを仕事にできている。

けれど、利益や数字に気を取られ、本当に好きなことに没頭できていないんじゃないか?私は誰かの好き心をロジックで潰していないだろうか?

様々なことをだんごまが教えてくれた旅となった。

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