「庭園施設」の年齢層と、日本庭園・庭園文化を後世に残したいならFacebookよりTwitterやInstagramに注力するべきという話
というつぶやきをTwitterでしたところ、けっこう多くのリアクションをいただいたのでnoteにも書き残したいと思う。
■総務省の最新資料より。日本のSNSの利用率はInstagram>Twitter>>>Facebook
総務省がこの8月に発表した、令和3年度の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」での『主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率』の表は上記の通り。
自分がつぶやいた「インスタやTwitterの方が5〜10倍ぐらい多い」は言い過ぎだけれど、Twitter/Facebook/Instagramの3つのSNSで言えば
Instagram>Twitter>>>Facebook。
Facebookが他2つを上回るのは60代以上のみ。
「同年代同士の交流でFacebookを活用し続ける」のは大切なことだと思うけれど、もし全年齢に施設のPRをしたければ、
「一般的に利用者が多いInstagramやTwitterを優先すべき」だと思っています。(もちろんYouTubeも)
■後世に日本庭園を残すならば、未来ある10代・20代への発信は不可欠。
上記の表から10代〜20代の表のTwitter/Facebook/Instagramの欄を拡大してみる。
若年層になればなるほどFacebookの利用率は低くなり、
Instagram>Twitter>>>>>>>>>>>>>>>Facebook
という傾向になる。
「庭園施設」には幅広い年齢の方が訪れるので、年配の方へのPRも必要。
一方で。ときおり色んな方から庭師さんの「後継者不足」の話を聞く。
日本庭園や日本の伝統・文化を今後数十年と守っていくのは、今の10代・20代の若い世代。
少子化によって彼らの争奪戦はあらゆる業種や文化で激化している。
尚のこと、10代・20代に合わせたTwitter・Instagramを積極的に活用して、(Facebookを放置してでも)『庭園・日本庭園の魅力』を伝えていかなければいけないのでは。
■日本庭園施設のコア層(年齢)はどのあたり?
純粋な「日本庭園施設」とは異なりますが、9月に『おにわさん』で紹介した東京・大田区の『龍子記念館』のデータを紹介。
↑上記のつぶやきに載せている表からざっくり言うと(細かい集計はしていません)、だいたい毎年
65歳以上の無料入場者:60%>>>16〜64歳の有料入場者:40%
という比率になっている。
もう一事例。調布市の『実篤公園』と『神代植物公園』の有料入園者/無料入園者のデータがあったので紹介。
元データ:https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1489133230095/simple/138.xls
2010〜2014年という古いデータだけれど。神代植物公園は序盤は有料60%>>>無料40%だったのが、2014年には5対5になっている。
65歳以上の人口が増えていること自体の影響だと思うので、おそらく最新の年度があれば無料60%>>>有料40%ぐらいに逆転しているのでは。
(無料で入場していてもその分グッズを買ってくれていれば良いので、このバランスの是非については論じません)
以上の傾向からは、
『現状の庭園施設入園者のコア層は65歳以上』
というのは事実・現実でもあり、定年を迎えて平日に時間の取れる層をターゲットにしていくのは必然的なことでもある。
…なんだけど、そこにばかり目を向けて「果たして日本庭園は後世に伝わっていくのかな?」と私個人は思うので、やはり10代・20代に魅力を伝えていかなければと思うんですけどね…。
■「おにわさん」が開拓している庭園ファン層
当サイト、庭園情報メディア「おにわさん」のInstagramは現在約7万人のフォロワー数。
その年齢層のデータを紹介すると以下のような感じ。
コア層は25〜34歳/35〜44歳。
そもそもインスタのコア層が10〜40代で、60代以上はほとんどやっていないという前提ながら、上記で紹介したような「65歳で半分以上」という施設の状況と比べると「若い層に情報を届けている」と言えるのでは。
ちなみに、「おにわさんのウェブサイトの利用者」でもコア層は25〜34歳/35〜44歳。
また、ウェブサイトではこの2つの世代に次ぐのは18〜24歳の層。学生さんの旅行とかに活用してもらっているのかもしれない。
『おにわさん』というウェブサイト/SNSが存在することによって、
「若いあいだに“庭園のことが気になった人”が、より庭園を回遊し、濃くなっていく」という機会を創出できているはず…
(まあそれを創出できたところで自分にプラスがあるわけではないので「新オーナー募集」とかをしてるわけだけど…。)
もちろん、TwitterやInstagramを始めたからと言って急に「若い子」に見てもらえるわけではない。
当サイトが若い世代にも見てもらえている要因には、親しみやすい文章…『おじさんが上から目線で言ってる感』を極力排除するように気をつけている点もあると思う。
自分も中年男性ですが。自分にとっては『主役は日本庭園であって、自分ではない』ので…若い世代が好いていない言い回しは避けたいと思うし、『庭園文化を残すことが第一ならば、その意識はより広まって欲しい』と思います。
■「おにわさん」の課題はTwitterの弱さ
これまで紹介した通り、「TwitterとInstagramに注力が必要」な中でおにわさんが苦労している課題は「Twitterの弱さ」。
Instagram:7万人、Facebook:4,400人、Twitter:3,500人。現状はこの3つの中で最も弱い。
Twitterもかつてよりは勢いが弱まってる??とはいえ、普段は地味(といったら失礼だけど…)な文化財施設が猛烈に「バズる」ことがある。
当サイトとしてもより拡散力が増せば、「より若い世代に届く」と思っている。
なぜ「より広い世代に届かせたい」のか?それは、「一つでも多くの庭園を多くの人に知ってもらいたい」からだ。
そんな方がひとりでも多くなることを願って。Twitter/Instagram、もっと活用しましょ!
[おにわさんーお庭をゆるく愛でる庭園情報メディア]( https://oniwa.garden/ )の中の人が、庭園について思うことなどを綴ります。 サイトでは日本全国約1400の庭園と2万枚以上の庭園写真を掲載!