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「フルリモートで広報ってできるの?」8ヶ月の実体験をまとめてみた。

「フルリモートで広報ってできるの?」

こんな質問をよく聞かれることに最近気づいたので、8ヶ月のフルリモートでの広報・PR活動について実体験をまとめてみました。

■はじめに:自己紹介

2021年8月からLAPRAS株式会社で広報・PRをしています。
前職では京都の大手電機メーカーで広報していました。価値伝達のコミュニケーションの幅を広げ、チャレンジするためにスタートアップへ転職しました。LAPRASにジョインしてから、京都に住みながらフルリモートワーク中です。それまでは出社が基本の大企業で働いていました。

■現在のフルリモートの働き方

LAPRASのオフィスは東京・五反田にありますが、基本的には京都でリモートワークしています。LAPRASは全社員が基本的にリモートワーク前提ですので、非常にリモートワークがやりやすい環境が整っていると思います。

まず、フルリモートの生活をイメージしてもらうために、ある1日のスケジュールをこちらで紹介します。

ある1日のスケジュール

僕は朝がかなり弱いので7時くらいからアラームが鳴り出して起きるのが7時半くらいです。そのまま走りに行くことが多いです。(気分が乗らずに走りに行けないこともしばしば。笑)
仕事が立て込んでいるときはランニングを削って朝に仕事を入れます。

朝ごはんをちゃんと食べたいと思い続けてもう30年くらい経っていますが、結局食べられない体質が治らず、プロテインに頼ってます。笑

10時にバーチャルオフィスに集まって朝礼をするので、それまでにニュースのチェックや1日の仕事の確認をして準備したり、資料作りをしたりします。

朝礼後は、打ち合わせや作業をします。具体的なミーティングの参加については後ほどご紹介します。

お昼ご飯はほとんど"焼きそば"を作って食べています。

余談ですが、子供の頃から「何食べたい?」と聞かれたら「焼きそば!」と答えていたような焼きそば大好きっ子なので、今でも「焼きそば」が僕の体を作ってくれています。ちなみに、焼きそばは、フライパン一つで10分もあれば作れる超簡単・スピードメニューで洗い物も少ないので、リモートワークにはもってこいですよ。笑

午後は、また打ち合わせや作業をしていきますが、やはりずっと座っているので体が疲れてきます。そこで、打ち合わせの合間に、ストレッチをやったりするように最近はしています。LAPRASには、「Rest as Work(RAW)」という制度があり、仕事のために休んだり、体を動かす時間を就業時間に入れていい(1時間まで目安)というものです。
できる限りこの制度を使って、ストレッチしたり、近場の山を走ったりして体を動かすようにしています。

LAPRASには、ストレッチ講師や瞑想マスターが講習会をしてくれるので僕は頼りっぱなしです。笑

フルリモートで一番辛くなるのが"運動不足や体の凝り”などなので、意識的に体のメンテナンス時間を取るようにしています。

こうして夜まで働きますが、基本的には自分で全てスケジュールは決めていますので、終わりの時間も自分次第です。家庭の事情で16時に終えることもありますし、途中中断することもあります。

フルリモートだと時間を自分でコントロールしやすくなるので、これは非常にメリットだと思っています。

■社内メンバーとの関わり方

フルリモートでよく聞かれるのが、このような連携に関する内容です。

「広報は様々な部門や人と連携したり、情報を収集しないといけないけど、どうしているんですか?」

リアルの方が、情報収集や連携はしやすい部分は正直あると思います。
ちょっとその人のデスクに行って聞けたり、意思疎通もやりやすかったりと。

ただ、フルリモートでできないことはありません。
僕が連携をうまくやるためにやっていることは、大きく2つです。

① 部門のチームミーティングに参加する

広報・PRをする上で、重要となる開発部門、事業部門、セールス/カスタマーサクセス部門などのチームミーティング(LAPRASではホラクラシーを採用しているので、Tactical Meetingと言います)に参加しています。

毎回広報・PRからのアジェンダがあるわけではないですが、現状の課題が何で、今後何をしようとしているかがわかります。まずここで情報収集をしています。

その上で、そのミーティングの中で広報・PRとしての意見を言い、何かしらの実行施策を提案します。何より重要だと思っていることが、この意見を言うことと提案することです。

広報・PRって何をすることなのか、周りの人はよく理解できません。しかも、一回説明しただけでもよくわかりません。だから、ミーティングの中で、「広報・PR的にはこう考えます。こうした方が目的達成のためには良いのでは?」と意見を言います。
これを継続していくことで、メンバーも「広報はこう考えるんだ。こんな観点で物事を見るんだ。」と少しつづ理解をしてくれます。

チームミーティングに参加して、情報収集するとともに、広報視点を少しずつ理解してもらうことがまず社内のメンバー連携で大事な一つ目のことです。

②主要なメンバーと1on1を週次でやる

次に、チームミーティングとは別にリーダーやマネージャーなどの方針決定者との1on1ミーティングを週次や隔週で実施しています。

この狙いは、それぞれのリーダーが考える課題や今後の計画を細かく共有し、広報・PRといった社外コミュニケーションの観点で連携する部分を探っていくことです。特に、事業企画、マーケティング、人事・採用といった部門リーダーとの連携は重要です。

このような部門のリーダーと議論をしながら、全社的なコミュニケーションの課題を常に考え、短期的に手を打つべきこと、中長期的に実行すべきことを分けながら広報・PR施策を実行していきます。

チームミーティングでは直近のPDCAといった日々の実行計画を確認していきますが、1on1では中長期的な課題も踏まえて少し未来思考で議論してすり合わせをしていっています。

このように、チームミーティングと、1on1のミーティングを組み合わせることでかなり連携が取れます。ただし、ミーティングの範囲を広げすぎると、ミーティングの拘束時間が多くなり、作業時間が取れなかったりするので、ひとり広報としては、うまく優先順位をつけながらバランスをとることも重要です。(一時期、1週間のうち8割ミーティングになってしまい、作業時間が全然取れない事態になって疲弊してしまったことがありました…)

■メディアリレーションはどうやってるの?

次に多く聞かれるのは、
「リモートでメディアリレーションは大丈夫なの?」です。

コロナ前までは、記者クラブで記者の方にご挨拶したり、会社へ訪問してご挨拶したりリアルな活動をしていました。しかし、コロナ後はリアルな機会は減ったので、記者の方と知り合う機会も減ったように思います。WEBメディアの編集者や記者さんも出社してない人が多くいらっしゃいますし。

さらに、記者の方の異動、転職など流動性もかなり上がったので、2年前にお付き合いしていた記者さんが今はどこにいるの?状態になっていたりします。

そんな状況の中でのメディアリレーションをどうやっているかというと、大きく分けると2つです。

①紹介

基本的には、誰から紹介していただくことを優先しています。広報仲間からもあれば、メディアの方に紹介いただくこともあります。やはり、知っている人からの紹介ということは非常に有効です。特にコロナ禍になり、記者の方と簡単に出会えなくなりましたのでこの紹介をとても大事にしています。

「単に誰か紹介してください。」ということではなく、あるネタをもとにして、「このコーナーやこの企画が合うと思うので、担当の方を紹介してもらえないですか?」といったようにお願いしないといけないです。

②直接ご連絡

次が直接のご連絡です。
無作為にいろいろな方と繋がりを持とうとするよりは、ターゲットメディアの記者さんで連絡ができそうな方は、直接ご連絡をさせていただくこともあります。

この時の最初の文章は非常に気を使います。
なぜ興味を持ったのか、自分は何が提供できるのか、具体的に何をお願いしたいのか。これらを簡潔かつ感情が伝わるような文章にします。

僕は正直、飛び込み営業とかそういう類のものがとても苦手なので、基本的には信頼できる方からの紹介をもとにちょっとずつ広げています。
そのために、広報コミュニティへ参加したり、メディアの方とも情報交換したりしています。

そして、つながった方と関係性をしっかりと作ることを心がけています。紹介してもらうには信頼が必要です。たまに東京へ行くタイミングでは、直接お会いしたり、ご飯に行ったりして関係性を深めたりしています。

「今度、東京に行くのでご飯行きましょう!」という理由は誘う時の心理的ハードルを少し下げてくれるのでリモートワークのメリットかもしれません。もちろん会う時の情報提供など何かしらのお土産は必須です!

取材に関しても、オンラインでの実施で問題なく進められています。
どうしてもリアルな場が必要な場合はもちろん東京に出張して対応します。
現在の会社のメンバーもオンラインに慣れているのでオンライン取材の抵抗感はほぼないです。むしろ、リアルな対面の時が慣れていなくてとても緊張するようです。笑

提供素材としてプロフィール写真をほぼ社員は撮影して準備しています。
リモート取材ならではの提供できる素材は多めに作っておくと安心です。
・プロフィール写真(3パターン)
・インタビューしている様子
・仕事をしている様子
など。

■フルリモート広報のまとめ

ということで、リモートでの広報・PR活動はやってみている感じとしては今は不自由はないなという印象です。ただし、これはLAPRASという会社がリモートワークに対して働きやすさを追求していたり、社員メンバーの理解が高いということに支えられて要因が大きいです。

▼うまくやるためのポイント

リモートワークで広報・PRをうまくやっていくポイントとして大事にしたいことをまとめるとこちらです。

● リモートでも情報収集し、連携できる社内の仕組みを構築すること
● 広報・PRでやろうとしていることを理解してもらうためのコミュニケーションを多くすること
● メディアリレーションは少しずつ着実に紹介などで広げていくこと

▼フルリモートで良いところ

●自分の時間がコントロールしやすい
移動時間などがないために、自分の時間をコントロールできる領域が広いです。うまく使えば情報収集も効率的にできますし、優先順位もつけやすい。

●リモート前提で依頼してもらえる
自分がリモートワークということを伝えておくと相手からもオンラインの取材でいいですよ!と言ってもらえる可能性が高くなります。
記者の方も忙しいので、リアルよりもオンラインを好まれる方も多くいらっしゃいます。

▼フルリモートで難しいところ

●込み入った話や複雑な問題の解決は難しい
広報・PRの社外コミュニケーション活動は横串で部門をまたいで統合したりする必要があります。そのような場合に、いかにして統合した計画を共有し、実行するか。これはリモートで進める場合にはちょっとコツが必要になります。

●超特急なリアルな取材への対応が難しい
例えばTVの取材などで、3時間後に取材に来たいと言われた場合、ひとり広報が地方にいるとどう頑張っても現地にいくことができない場合があります。もちろん、その際に対応できるように代わりに社員の方に頼むのですが、そのような体制を準備しておく必要はあります。

以上、今回はフルリモートでの広報・PR活動についてまとめてみました。
これからフルリモートでの働き方を視野に入れている方などの参考になれば嬉しいです。
最後に、広報のつながりは大事なので、ちょっとでも興味持っていただいた方は私@onishilion_prとつながっていただけると嬉しいです!!



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