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もう公園に行かない息子と両親の涙。

「パパ!公園行こ!」「ママ!動物園行きたい!」
長男のこんなかわいい声を、
何度も何度も聞いてきた。
めんどくさいな、今日は疲れてるから・・・
なんてことはなく、
休みの日は、夫と二人、全力で息子と遊んできた。

1歳8ヶ月でお兄ちゃんになった長男。
よく泣いていつも抱っこされている
弟に嫉妬したり、
赤ちゃん返りをしたりすることもなく、
いつも穏やかに、私のそばで遊んでくれていた。

7歳にして、
3人の弟を抱える立派なお兄ちゃんになり、
小さな赤ちゃんをお風呂から出して
おむつをしてくれたり、
弟たちと一緒になって
たくさん笑って笑って遊んだり、
そうして息子は、優しい中学生になった。

成長する長男。
一方、子どもたちがいつまでもかわいくて、
子どもたちと遊んでいたい夫と私。
体も心も成長する長男に、
今週も言ってしまう

「公園行こう!」

「イェーイ!」「やったー!」
「自転車持っていくー!」とはしゃぐ
弟たち3人と対照的に、全然気乗りしない長男。

連れて行きたい、みんなで一緒に行きたい・・・
という両親の心とは裏腹に、
長男は家にいたい。一人でも構わない。
自由に過ごしたい。

あぁ、これが成長・・・わかっているけど、
寂しいのは親の方。
あれこれ提案してみるけど、
首を縦には振らない長男。

仕方ない・・・と諦めて、
夫と私は、弟たち3人と一緒に5人で出掛けた。
3人でも十分賑やかで、
可愛さも有り余るほどだけど、
やっぱり一人欠けるって寂しい。

あぁ、これがまた数年経ったら
次男が抜け、三男が抜け・・・ってそれ以上は
夫婦で話すと、今からでも二人で涙が出る。

公園について、わーっと走り出す弟たち3人の
小さくてかわいい背中を見ながら
夫はポツリ。
「長男も来たらええのに。
一人でおるのは、寂しいやろうに」
「うん、でもな」
寂しい私が続ける。

「あの子に散々遊んでもらったやん。
公園行こう、動物園行こう、
っていっぱい言ってもらったやん。
その度にその気持ちに応えてきたやん。
やから、あの子はあんなに優しくて穏やかな子に
育ったんやと思うで。
私たち、いっぱい遊んでもらったよ。」

「そうか・・・そうやな」

快晴の公園。涙をため、肩を落とす夫と私。
そう。
子どもたちと「遊んであげてる」
なんてとんでもない。
私の人生の中のたった10年くらいしか、
子どもたちと過ごせる時間はない。
そう思うと、ママママいっぱい言われるのは
「うるさい」「もういい」「静かにして」
なんかじゃなくて、
「ママって言ってくれている」貴重な時間。

4人の子育てをしていると、
その成長を見ながら、どのぐらいの年齢で
抱っこがいらなくなるか、手をつながなくなるか、
近寄ってこなくなるか、わかってしまう。

抱っこ出来る年数なんて10年もない。
一緒に寝られるのも、手をつないでもらえるのも。

家に帰ったら、小さい頃から変わらない
優しくて穏やかな長男が待っていた。
こういう風に休日を過ごしたくなった
ちょっと大人になりつつある長男が。
もう少しで私の背を抜くけれど、
まだまだ細くて頼りない背中。

12年間、いっぱいパパとママと遊んでくれて
ありがとう。
その背中に伝えたいのは、
そんなありがとうの気持ちです。


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