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2回目のダイビング体験

ハワイにやって来た。今回も会社のイベントでやってきたが、残念ながら同じ部門の同僚はいない。自由時間に何をしようかなと思っていたら、以前、サイパンで体験ダイビングをしたことを思い出した。

ガイドブックを開いて近くのダイビング・ショップを探す。ガイドブックは日本で購入したので、全部日本語である。何件か見つかったが一番近そうなショップで歩いていけそうなところに電話をかけた。

「体験ダイビングに申し込みたいのですが、今日って可能ですか」
「はい、何名様ですか?」 --- ちゃんと日本語で応答してくれた。
「私一人です」
「わかりました。他の人と合同になりますがいいですか?」
「問題ありません」

すんなりと申し込みができた。今回はウミガメと遭遇できる場所での体験ダイビングだ。サイパンの時よりはるかに深く潜るらしい。

待ち合わせの場所であるショップまで歩いていくと、一緒に行く他のメンバーがすでに来ていた。ちょっと話をするとなんと、同じ会社の違う部署の社員だった。
ひとしきり、社内の話をしているうちに準備が整った。かなり使い込まれたFordのエコノラインだったように記憶している。後ろが観音開きになっていて荷物の出し入れがしやすくなっていた。これが帰りに災難となるのだが。。。
今回は、2度目ということもあり講義は簡単な確認のみで、その後車で港まで行きボートでダイビングスポットに行く。ダイビングについてくるインストラクターはアメリカ人でカタコトの日本語しかできないようだ。電話に出てくれたのはどうやら日本人の店長だったようだ。

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港に行く前にランチを受け取って行くというので、どんなランチだろうと期待していたら、ほかほか弁当のお店の前で車が止まった。好きなものを注文していいらしい。そこには見慣れたメニューが。。。ハワイに来てホカ弁かーと思っていたら、これが一番美味しいとインストラクターは笑顔になっていた。とりあえず、私は唐揚げ弁当をゲットして港に向かうことに。

残念ながら、場所の記憶がない。どこの港から船に乗ったのかがどうしても思い出せない。とにかく、目指せ、ウミガメとの遭遇であった。

ボートはクルーザータイプでかっこいい。7-8人は余裕で乗れそうな大きさだった。港から出て行くルートには杭のようなものが両サイドにあり、その間をボートで進む。左右の杭と杭の間はかなり距離があるので、まるで海の上の高速道路のように感じる。こんな機会は滅多にないので運転してみたいなと思い、声をかけた。
ボートの操縦ってなんていうかわからないけど通じるかな?

「Can I drive ?」 
「Sure」

いとも簡単に操縦を代わってくれた。途端にもっとスピードを出せというのでスロットルレバーを前に倒した。スピードが上がりボートの前の部分がより一層持ち上がって、水の上を跳ねるように進んでいった。程なくして、両サイドの杭が無くなる海上まで来たところで、操縦交代。貴重な初めての経験だった。

ボートはアンカーを下ろして海の上で場所が固定された。
さぁ、いよいよダイビングだ。ボートのサイドから後ろ向きになってマスクを手で押さえながら水の中に入る。入ったら全員揃うまで水面で待って、みんなで潜っていく。今回は、みんな問題なく潜ることができて、インストラクターの後をついていく。今回は水深が5-7mあるらしい。中学生の時に素潜りで潜っていた深さより深い。でも、息ができるので問題はない。はずだった。

しばらく海底付近を遊泳していると、何やら水族館で見たことがある物体が近づいてきた。そう、ウミガメである。結構大きい。事前に触らないようにと強く言われていたが、頭の中は、嬉しさいっぱいで気がつくと触っていた。しばらく一緒に泳いだ。後から聞いたが、ウミガメに噛まれると結構大変らしい。種類にもよるのだろうが噛む力は強く指などは千切れてしまうこともあるそうだ。

楽しく潜っているのだがどうも左の耳の感じがおかしい。耳抜きが左だけうまく行ってないかなぁ。何度かマスクの上から鼻を摘んでフンとする動作を繰り返した。調子がいいと耳がポコンという音ともに快適になるはずなんだが。。。
もともと、左の鼻腔が狭いので左側は詰まりやすいのだ。

左耳の気持ち悪さと戦いながらもダイビングを楽しんだ。インストラクターからの合図で親指を上に向けて動かしている。上がるよという合図だ。みんな指で輪っかを作ってOKサインで応答。無事海上まで浮上しボートに戻る。ボートの後方部分に梯子がついて階段のようになっているので登りやすい。

ボートに上がりマスクとレギュレーターを外す。

「松浦さん、鼻血出てるよ」
「えっ」

一緒に潜ったメンバーから指摘された。潜っている間、耳抜きを何回もトライした時に鼻をかみすぎたようだ。急いで、海水で洗い流した。あー、恥ずかしい。

体験ダイビングは2本がセットになっていた。また移動だ。次のダイビングはビーチからのダイビング。車で移動して砂浜でランチを取った。そう、ホカ弁である。浜辺で食べるホカ弁は、なるほど美味い。これはこれでいいかも。

ビーチからのダイビングはサイパンでの経験と似たような感じだった。寄ってくる魚にパンをあげる。これはこれで楽しい。

2本目のダイビングも終え、帰り支度。インストラクターは運転手も兼ねているから大変だ。全員の装備を確認しながら、車に積み込む。荷物室の扉が観音開きだから積み下ろしはしやすそうだ。ただ、車はかなり古い。

全ての荷物を確認して、帰路に着く。ビーチ沿いのまっすぐな道はそれほど車は多くない。時折すれ違う程度だ。疲れと車の揺れで心地よくなっている時、いきなり風を感じた。

ヒュー、バタバタ、ガラガラ、ドシャーン。

なんと後ろの扉が開いて荷物を撒き散らかしているではないか。
インストラクターは大慌てで車を止め、荷物を拾いに。手伝おうとしたら、危ないからそのまま座っててと制され、悪いなーと思いながらも座っていた。
どうやら、古い車なので、ドアのロックが甘くなっていたらしい。再度荷物を積み込んで、ロックを再確認して再出発した。後ろから車が来てたら大惨事になるかもしれなかったと思うとゾッとした。車内では、他のメンバーと顔を見合わせて「驚いたねー」と言い合った。インストラクターはちょっと罰が悪そうに散乱した荷物を荷台に乗せて運転席に戻ってきた。

「ボスには内緒にね」とでも言いたそうな目をしていた。


☆ ☆ ☆

旅先では予期しない面白いことや怖いことが起きるものですね。でもそれらを含めて旅行は楽しいと感じるものだと思います。あー、前のように気軽に旅行に行ける日が待ち遠しいと思いながら、この記事を書いていました。


↓ 一回めの体験ダイビングはこちら


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