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美容室内でプリンを販売するまでの物語

O.N.G代表の大野木です。
今回のnoteは嬉しいご報告から始めます。
東京のあらゆる情報を発信しているウェブサイト「レッツエンジョイ」内の記事で、サンスマイルのプリンが「スイーツライター厳選!今食べるべき東京のプリン5選」に選ばれました。

この記事で、5選の中に選んでいただいたスイーツライターのはなともさんのご経歴はこちらです。

はなともさん
日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとして、雑誌やWEBで記事を執筆。年間で1,000種類以上のスイーツを食べ歩き、テレビやラジオで情報を発信。近年では様々な飲食店とコラボし、商品開発や監修メニューなどを手掛けている。

すばらしい経歴をお持ちの方です。
これだけスイーツに精通している方に選んでいただけたのは自信になります。いわく「現役美容師が手掛けるなめらか極上プリン」だそう(照)。
 
今回は、そんなサンスマイルのプリンの誕生秘話をお話しします。この記事を読めば、美容室の中でプリンをつくるようになった理由がわかると思います。

きっかけは故郷のリンゴ

飲食に目をつけたきっかけは、私が普段働いている美容室「ソレイユ六本木本店」の9周年記念の時です。お客様にいつもとは違うものをプレゼントしようと思い、「ソレイユ」というお店の名前を書いたリンゴを提供しました。私は実家が青森なので、このリンゴは父親がたくさんもいで送ってくれました。

9周年記念で配ったリンゴ

これが、とても好評でした。次に来店するときにほぼ100%のお客様が、「あのリンゴ美味しかったよ」「文字が入っているのが可愛かったよ」と声をかけてくれたのです。

この反応には、私もまさかそこまで喜んでもらえるとは思っていなかったので驚きました。
「美容室で飲食物を提供すると喜んでいただける」
この成功体験から、次の10周年もなにか美味しい食べ物をプレゼントすることにしました。

プリンに決めた理由

次は何をつくろうかと考えていた時に、たまたまテレビ番組(『マツコの知らない世界』)でプリン先生の濱口竜平さんという方が、プリンの魅力を熱弁されているのを見ました。

プリン先生 濱口竜平さん 
プリンを年間600個食べ続け、2万種類試作してきた国際プリン協会会長。

この番組で紹介されていたプリンがあまりにおいしそうで、プリン先生の情熱あるプレゼンを聞いているうちに私もだんだんと興味を持っていきました。そうして漠然と「10周年はプリンをつくるのもいいな」と考え始めたのです。 

そして後日、芽生えたプリンづくりへの思いをお客様に話していたところ、その方がなんとプリン先生とお知り合いとのこと。美容師をやっていると、こういう奇跡的なご縁にたびたび恵まれます。
そのお客様は、すぐに濱口さんを紹介してくださいました。濱口さんとは年も近いこともあって意気投合し、なにかに導かれるようにプリンの商品開発がスタートしました。

美容室の中に製造所をつくってしまおう。

こうしてお店の10周年記念を目指してプリンづくりを始めましたが、やり始めてすぐに、プリン製造を事業として継続的にやっていきたいと思いました。
というのも、私はその頃美容師として引退したスタッフを一生雇用し続けられる会社にするための新しい事業を探していたからです。以前記事にも書きましたが、美容師は立ち仕事で体力的にもしんどいため、50歳を超えて働き続けられる人はほとんどいません。そうした接客が難しくなった美容師を、自社内で再雇用するのに、プリン事業はぴったりだと思いました。また、美容師は1対1で接客しますが、より大勢の方に幸せを届けることができる飲食を事業として始めたい願望もありました。

こうしてプリンの事業化を検討しだすと、同時に資金繰りについても考え始めました。私は経営者ですので、どれだけやりたくても赤字の事業を始めるわけにはいきません。立ち上げ前に売上と支出のシミュレーションを何度も行って、問題なく利益が出るかを確認しました。

シミュレーションでは、売上はいくらくらいを見込めるか、支出(機材費、家賃、人件費、材料費、プロモーション費など)はいくらかかるかを、細かく仮説を立ててエクセルで計算していきます。
そして最終的なおおよその利益を算出したのですが、計算結果を見て「とてもじゃないけど事業化するのは無理だ…」と思いました。どう数字をいじってみても大赤字だったのです。
 
特に頭を抱えたのは家賃でした。六本木という場所の土地代は高く、どうやってもペイすることができません。
これはさすがに事業化は難しいと諦めかけていたところ、スタッフの一人からこんな言葉をかけられました。

「美容室の中に製造所をつくっちゃえば、家賃がかからないじゃないですか」

言われてみれば簡単なことかもしれませんが、まったく発想にありませんでした。 というか普通はそんなこと誰も考えないと思います(笑)。
でも、たしかに美容室の中に製造所をつくれば、家賃はかかりません。サロンに来たお客様にもその場で提供できるので一石二鳥です。
改めて、サロンの中にプリン製造所をつくった場合でシミュレーションを行うと、ちゃんと黒字になりました。「いける!」と体が熱くなったのを覚えています。
 
こうして美容室のスタッフ全員に頭を下げ、もともとはスタッフルームだった場所を壊して製造所をつくることにしました。そんなむちゃくちゃなことを言い出しても、みんなが快く受け入れてくれて、本当に感謝しました。

工事中の写真

大変だった免許の申請

美容室の中にプリンの製造所をつくるには、保健所と役所から許可をもらう必要がありました。
申請に行くと、前例のないことですので、最初はかなり驚かれました。でも、港区の担当者の方々は非常に理解があり、熱心に説得するうちに協力してくださるようになりました。
内装屋さんも何度も一緒に役所まで同行してくださり、どういう構造にすれば審査が通るかを確認してくれました。
こうして無事に衛生基準をクリアしたプリン製造所が完成します。日本で唯一のプリン製造所がある美容室の誕生です。サロンの中に出来上がった姿を見たときは、「もう、やるしかない」と覚悟を決めました。
ここから、この製造所で商品開発を行っていくのですが、ちょっと長くなってきたので、この話は後半に続きます。

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