憧れにふける夜。

しっとりと心地よく肌寒い冬の雨の夜。


年齢に縛られたくはないけれど、
来年には30歳という節目の歳をむかえるから
どんな自分でありたいのかを
なんて考えたりしてみた。

熟した果物のような口紅。
無花果、柘榴、カシス、イランイラン、
それに少しだけお香の様な煙の香りの似合う
雰囲気のある女性になりたい時と、

コーラルオレンジのリップ。
レモンやユーカリ、ミントの香りが似合う
サイダーのような
透明感のある女の子になりたい時がある。

なりたい。だから、ありたい。とは違うけれど
私の中には2人の憧れてがあるみたい。

季節や気分によってお洋服や
お化粧を変える様に
自分自身も変えれたらいいのに...

そうは言っても私は1人しかいないから
その場その場で演じるに近い感覚で
気持ちの持っていき方や仕草を変えるしか
きっと憧れをどっちも自分にすることは
出来ないよね、悔しいけど。

どちらか1人じゃなくて、2人ともを
持ち合わせたいなんて、やっぱり欲張りかな。

そう思いながら少しだけ髪型を変えてみたり
お化粧の色を選んだりしてみる。

とりあえずカタチから入らなきゃ...ね。

自分の中に深みを出せたらな、
もっと面白みが生まれたらな、
もしその二人を私の中で私として自分自身にできたなら、もっと魅力的になれるかな。

そうか、私は魅力的になりたいみたい。


そんな事を考えてる
28歳がいたっていいじゃない？


やっぱり欲張りかな？

　　　　　　　　　　　　　　　ito.