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化学物質過敏症でクリーニング難民!そんな方のお力に!アトピー体験から生まれたone more

クリーニング後のニオイがダメ!

こんにちわ。宅配クリーニングone moreのクリーニング師、久保と申します。私達のサービスしてから1年。ニオイがダメという方と数多くお会いしてきました。

例えば、

”化学物質過敏症になってからは、前に出していたクリーニング上がりは全て別の部屋に保管したままで、恐くて封も開けられないで そのままになっていました”

青森県 女性

クリーニングから帰ってきて、ニオイからピリピリしたりしてダメなんです。
お願いした黒いコートは、着てみたら生地の触れる手首〜甲の辺りが赤くかぶれて、ゴワゴワになったせいか肌を削る感じでした。

京都府 女性

他にも何名か、化学物質過敏症です!という方にお会いしてきました。そして、そこまで悩み・苦しんでいる方がいるということに驚きました。

ニオイがダメ、着たら肌がピリピリする。場合によっては肌が赤くなってしまったり。。。せっかくお気に入りの服なのに、クリーニングに出したばっかりに着れなくなってしまった!

なぜ、クリーニングでそのようなことが起きてしまうのでしょう?

今回は、その原因と、私達クリーニング屋さんができることについた書きたいと思います。

1.ニオイやかゆみの原因は何か?

そもそも、原因となる要因として2つ考えられます。

①ドライクリーニング溶剤

弊社も母体となっている会社は「弘前ドライクリーニング」。他にも街中を見てみると「くまたにドライ」や「しんじょうドライ」のように、ドライと名前の付いたクリーニング屋さんがたくさんあります。

実はこれ、水の代わりにドライクリーニング溶剤で服を洗うクリーニング手法のことを言います。

スーツやセーター等、和服に代わり洋服が日本でも普及していくと同時に、これらは水で洗うと縮んだり、型崩れしてしまうということに悩まされました。縮まずに洗うには手間もかかります。

そこで、出てきたのがドライクリーニング。石油を加工した、いわば工業ガソリンに服を漬けて洗うこの手法は、一切服が縮まず、型崩れもしない。しかも、乾きも早くて大量に服を洗うことができました。

この画期的な手法は瞬く間に全国に広まり、大型店から個人店まで使われています。

しかし、同時にある問題が全国で起きるようになります。

それは、化学やけど。
乾燥が不十分の衣服を着ることで、肌に炎症が起きたり、ひどいときはただれたりと、クリーニング溶剤の残留物が肌に悪影響を及ぼしてしまう事故が頻発しました。

今ではかなり少なくなりましたが、それでも敏感な方はわずかな溶剤の臭いや残留物に反応してしまうのです。

今では、より臭いが少ない溶剤も出ていますが、このドライクリーニングの手法自体が化学物質過敏症の原因の1つとして間違いないでしょう。

②合成洗剤

次に原因として挙げられるのは合成洗剤。私達クリーニング店が使う洗剤はよっぽどこだわっている所を除き、水洗いでもドライクリーニングでも、基本的には合成洗剤です。

業務用の洗剤は、石油由来で作られており、

・強力に汚れを落とす合成界面活性剤
・汚れ落ちをサポートするアルカリ剤
・洗った後に白く見せる蛍光増白剤(蛍光塗料ともいいます)

等が全部入った物が販売されています。これ1つで汚れも落ちるし、白く見えるし、とっても便利なんです!しかもコストも安い。

なので、市販品は肌にやさしい物も増えていますが、業務用はまだまだ普及はしていないのが現状です。

つまり、一般的なクリーニング店が歴史上・コスト面なので使っている手法・洗剤が化学物質過敏を引き起こす原因その物であり、これらを回避するのは中々難しいと言えます。

2.溶剤がなくならない理由

実は、ドライクリーニングは僕たちクリーニング屋さんにもリスクがあります。ドライクリーニングに携わる人は特殊な健康診断を受けなければなりません。それくらい、健康上のリスクがあるんです。

それでも、なぜドライクリーニングはなくならないのでしょうか。

理由は、ドライクリーニングで洗わないといけない服が増えているからです。こちらの帽子は、洗濯表示が全て×です。

こちらは布団ですが、洗う時は自己責任でと書いてあります。

非常にいいにくいのですが、服や布団を作る側の方たちは洗うところまでの責任は考えてくれません。

クリーニング店にはそのしわ寄せがきています。

元アパレルデザイナーの友人に聞いたら、服を作る時「何かあったらい嫌だからとりあえず洗濯表示はドライ」とすることも多々あるそうです。

本当は水で洗った方がいい。だけど、何かあったらクリーニング店の責任。だから無難なドライで洗う。

その負の連鎖がドライクリーニングがなくならない原因であり、化学物質過敏症がなくならない理由の1つだと思います。

3.アトピー体験から導かれた、肌にやさしい洗濯方法

実は、私はアトピーです。今も治療を続けています。

そんな私に子どもができた時、心配ごとの1つは「子どもにアトピーが遺伝しないかな・・・」ということでした。

このかゆみ、ひっかいた後の痛み、爪も割れるし、見た目も綺麗じゃない。この苦しみを子供に引き継がせるのでは、、、

漠然とした心配が頭を巡っていました。

そんな中、「生まれてくる赤ちゃんに着せたい物がある」と義理の母より相談を受けた時、私たちはある決心をしました。


①服は全て水洗いをする

やっぱり、服は溶剤ではなく、水で洗った方がいいんです。汚れも落ちるし、何より安心安全。

なので、スーツもセーターも。今までドライクリーニングで洗っていたものを全て水洗いするようにしました。

②洗剤は肌に触れていい物だけを使う

これまで使っていた合成洗剤を全てやめて、ヤシ油から作られた石けんを使うようにしました。石けんだけでは洗浄力が心元ないので、重曹も合わせて使うことにしました。もちろん香料も入っていません。

洗濯表示と違う洗い方をするということは、何かあったら全責任を負わなければいけないし、水洗いした物は乾かすのも大変、シワを伸ばすのも手間がかかります。

コスト面でも、合成洗剤の方が安く便利。でも、私がこの話をしたとき、2つ返事で「それはやったほうがいいですよ!」と言ってくれたスタッフには感謝しかありません。

リスクがあっても、手間がかかっても、私達にはこのクリーニングをやった方がいい!という確信が私達にはあります。

4.ニオイがない!服もキレイ!嬉しい声

この新しい挑戦を詰め込んだone moreは、この1年で多くの方から喜びの声を頂きました。

中には、わざわざお手紙をくださったり、お電話でお礼を言って頂いたりと、今では本当にやってよかった。と思います。

先述の化学物質過敏症の方たちからも

おそるおそる 鼻を近づけて匂いを確認したところ→全然大丈夫でした! 安心して自分の部屋にカーディガン持っていきました~!
今回カーディガンの匂いをとって頂いたので、着る事が出来るようになリました。とても嬉しいです! まだ他にもあるので、リピートでお願いしようと思ってます。またよろしくお願いします!

青森県 女性

今回、到着した箱を開けた時にまず、刺すようなニオイがしなくて。
それぞれの衣類は何かしらニオイがしましたが、とりあえず試着の段階では大丈夫でした。少し風通ししておけばそのまま着られそうでホッとしました。
でも、私が触って今のところ平気なので、かなり安全性が高いなと驚いています。

京都府 女性

と喜びの声を頂けました!
(まだ改良の余地はありそうですが・・・苦笑)

私自身も、アトピーの体験はあるのですが、化学物質過敏症の方の敏感さは想像以上で、もっともっと知っていきたいと思っています。

他にも、服がキレイになった!蘇った!というお声をたくさん頂きました。

いつか、アトピーも化学物質過敏症もなくなり、何も気にせずに毎日の生活を送れるような社会にしていきたいですね。

5.新しい時代の衣文化を

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

化学物質過敏症の方が悩む溶剤や合成洗剤。これらは、クリーニング店だけでなく、アパレルなどの服を作る側も含めた「衣文化」全体の問題だとお伝えさせて頂きました。

これまで、衣服は作るのも洗うのも「安くて大量に」の時代でした。その弊害の1つが、化学物質過敏症でありアトピーであるようにも思います。時代が変わり、SDGs等が叫ばれるようになりましたが、まだまだ昔の文化より抜け出せてはいません。

今、私自身もそういった新しい時代の衣文化を業界の垣根を超えて作っていこう!という活動をしております。是非応援して頂けると嬉しいです。

少しずつでも、未来の子供たちにも誇れる文化を繋いでいきたいですね。本日はお読み頂き、ありがとうございました。



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