商標出願する際の商標の表記~原則と応用~

よく商標出願する「商標の表記」を何にしたよいかと質問されます。

つまり、アルファベット表記なのか、片仮名表記なのか、平仮名表記なのか、若しくは、ロゴイメージで出願するのかといったような質問です。

今回は、この質問について解説します。

さて、私の事務所の名前はは「OneMile商標知的財産事務所」ですが、そのうち主要な部分は「One Mile」部分です。

単純に「One Mile」を出願するといっても、大きくわけて以下の3つの方法が考えられます。

1.One Mile:アルファベット表記
2.ワンマイル(若しくは、わんまいる):片仮名表記(平仮名表記)
3.One Mile / ワンマイル:アルファベットと片仮名の二段併記

では、1から3どの形で出願するのがよいのでしょうか???

原則は、実際に使用される表記での出願です。

商標法上、商標権者は登録商標の使用をする権利を専有するとあり、
登録商標とは、出願した商標と同一(社会通念上同一)の範囲です。

また、登録商標に類似する範囲の他人の使用を排除することが可能ですが、
この類似する範囲も、登録商標を基準に判断されます。

したがって、実際に使用する表記と異なる表記にて出願した場合、思わぬ不利益を被る可能性があります。

弊所の場合は、「One Mile」は、アルファベット表記でのみ使用しているため、
1のアルファベット表記にて登録しています(登録6051772)。
※ なお、「One Mile」単独で使用する場合は、「One」と「Mile」の間にスペースを入れているので、出願もそのように指定います。

したがって、商標登録出願する表記の原則は、

・アルファベット表記での使用が多ければ1
・片仮名表記(平仮名表記)での使用が多ければ2

を選択するということになります。

上記は、原則ですがその上で、応用的な考え方です。

1.片仮名 / 平仮名表記

日本人であれば誰でも読める言語です。
つまり、片仮名 / 平仮名表記で出願した場合、その特定の読み方を強く保護できることになります。
その読み方をする、他の表記を強く排除できる点においてメリットがあります。

例えば、平仮名「はし」で登録していた場合、他人の「橋」「箸」などの出願を排除し易いです。「はし」の読み方が共通するためです。

しかし、「橋」で登録していた場合、他人の「箸」が登録になる可能性があります。読み方は共通していますが、漢字にすることで意味合いが生じ、観念の違いや、観念からくるアクセントの違いなどが想定されるためです。
※ アルファベットも同様です。

2.アルファベット表記

何らかの意味が生じる場合、その意味合いが強く保護されます。
また、アルファベット表記から、複数の読み方が想定される場合にいずれの読み方も保護の対象となります。

例えば、「ONE」で登録した場合、通常「ワン」の読み方のほかに、「オオエヌイイ」の読み方でも保護され得ます。
つまり、片仮名「ワン」で登録していた場合、「O・N・E」などの他人の出願を排除できない可能性があります。
一方、「ONE」で登録しておけば、「O・N・E」なども類似商標として排除し易いです。

3.アルファベットと片仮名の二段併記

アルファベットが造語で読み方に特徴がある場合には、アルファベットの他に、片仮名をいれることで、コストを抑えながら、上記いずれのメリットも共有できるため有効ではあります。

しかし、いずれか一方の表記のみ使用している場合には、登録商標を使用していないとして、取消審判の対象となる可能性がありますので注意が必要です。
※ 読み方が共通し、意味合いも共通する場合には、いずれか一方の表記の使用でも登録商標の使用として認められます。

コストを抑えながら他社の出願を効率的に排除し、自社のブランドを守るという観点(防衛的観点)で有効と考えます。

また、二段表記で権利を取得しておくことで、少なくともアルファベット/片仮名表記それぞれと同一の商標は類似の範囲として保護されます。
したがって、何らかの問題が生じた場合に、再度アルファベット/片仮名表記のみで権利取得し易くすることが可能です。

いかがでしょうか?

上記、原則をもとに、1から3のそれぞれのメリット・デメリットを想定しながら、商標登録出願する目的と照らし、出願する商標の表記を検討されることをお勧めします!

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