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CBDは高濃度=高効果ではない

こんにちは。ワンインチの柴田です。

あるお客様から
「CBD濃度が高い方が良いと思い使っているのですが、濃度と効果は比例するんですか?」
というご質問をいただきました。

一言で回答すると、CBDは濃度(%)ではなく、含有量(mg)で選ぶべきです。

含有量(mg)を知らずに高濃度のCBDを摂取し続けた場合、逆効果にもなりえます。

CBDはアルコールやカフェインやタバコと同じではありません。

これにじっくり回答する形でCBD濃度と効果について書いていこうと思います。

CBDの含有率(%)と含有量(mg)のちがい

まず前提として、CBDの含有率と、含有量について理解していただきたいです。

例えば5%濃度のCBDリキッドについて考えましょう。

水10mlは10gです。
比重の問題があるので正確ではありませんが、10mlのCBDリキッドもおよそ10g=10000mgと考えてください。

全体が10ml=10000mgでCBD含有率1%であればCBD100mgを含有しているということになります。たとえば、
10mlで5%なら500mg
20mlで5%なら1000mg

のCBD含有量となります。

ここで重要なのは、全体量(ml)の変化によって含有量(mg)は変化することです。
ここに、5%濃度の製品Aと、50%の濃度の製品Bがあります。
どちらが多くCBDを含有していますか?

答えは「この条件だけではわからない。」が正解です。

製品Aが5%濃度で100mlであれば含有量は「500mg」
製品Bが50%濃度で10mlであれば含有量は「500mg」

となり、どちらも同じ量のCBDしか入っていないのです。

是非お手元やHPのCBD製品で含有量を計算してみてください。

CBD製品の値段は、CBDの量(mg)にほぼ比例します。
それは、CBD自体が高価だからです。
相場価格より高すぎる場合は、一度考えたほうが良いかもしれません。
しかし、ここでは「高濃度=高効果」なのか「摂取量(mg)=高効果」なのか?について、この段階ではわかりません。これについて書いていきます。

CBDは「含有率(%)」と「含有量(mg)」のどちらのほうが重要か?

CBDの作用機序についてザックリと書かせていただきます。

CBDは、神経伝達物質であるエンドカンナビノイドに対し影響を与え、この影響によりホメオスタシス(恒常性)が正常化する、というものです。

CBDの研究は、法律の問題もあることから、日本での研究事例は殆どないのが実情です。

当然、「国産CBD」やMADE IN JAPANのCBDは存在しません。

ですので今回は海外の臨床事例をもとに考えていきますが、CBDの濃度はさして重要ではなく、絶対摂取量(mg)が重要であることが見えてきましした。

吸収方法(経口、舌下、Vaping)によって変わるCBD吸収量

これについても別の記事でさらに詳しく書こうと思いますが、とりあえず、CBDのバイオアベイラビリティについて簡単に書いていきます。
バイオアベイラビリティとは、自分が摂取した成分が、体内に吸収され血流にどれだけ乗るか?ということです。

CBDの場合、摂取方法が大きく3つほどあります。
経口摂取・・・食べ物のように消化され主に小腸から吸収され、肝臓で一部分解されたあと血流にのる。
舌下摂取・・・口腔粘膜から吸収されるので、肝臓を介さず直接血流にのる。
Vaping・・・肺や鼻腔内粘膜からの吸収なのでこれも肝臓を介さず直接血流にのる。
上記のような摂取方法の違いにより、バイオアベイラビリティが大きく異なってきます。
・カプセルやグミなどの経口摂取(約4%~10%)
・CBDオイルの舌下摂取(約13%〜19%)
・CBDリキッドVAPEによる摂取(約34%から46%)

このように経口摂取では4~6%しかCBDを吸収せず、舌下や肺からの吸収のほうがより吸収率が高いことがわかっています。

これによれば、VAPEによる吸引はCBDの摂取効率が良いことがわかります。しかし、ここで注意しなければならないことがあります。

果たして高濃度のCBD-VAPEである必要はあるのでしょうか?。

最適なCBD量とは「効果を示すU字カーブ」

「適切なCBD量」は個人差があることが分かっています。
年齢、体重や身長、カンナビノイド受容体量、エンドカンナビノイドシステムの状態などあまりに複合的な要因があります。

「求めているものはなにか」もとに摂取量を考える必要があります。

ここで、CBDに興味がある人の多くは、「リラックス、抗不安、良質な睡眠」に興味があることが、過去に実施した「CBDに期待する効果」のアンケートから分かっています。

ただ、特定の疾患、とくに「てんかん」の治療薬としてCBDを使っている人はごく少数おられますし、超高濃度CBDが必要となるような事例があるのも事実です。

しかし、これまでの臨床データから照らし合わせると、高濃度・高用量のCBDを必要とする方は主にてんかん患者などのみです。

健康な人はこれに該当しないと考えて差し支えないと思います。
抗不安やリラックスを目的とした場合、それは少量の摂取で十分な効果が得られることが分かっています。(1日50~100mg程度)

それだけではありません。

高濃度CBDによる過剰摂取はむしろ逆効果

研究では、一定以上のCBDを摂取することで、抗不安やリラックスを目的とした場合、それが有効ではないとするデータすら出ています。

カンナビジオール(CBD)における抗不安作用の存在を評価するために、ラットの不安の高架式十字迷路モデルで薬物をテストしました。2.5、5.0、10.0 mg / kgの投与量は、抗不安薬のような効果であるエントリー率(オープン/エントリーの総数)を大幅に増加させました。しかし20.0 mg / kgの用量でのCBDはもはや有効ではありませんでした。
by https://link.springer.com/article/10.1007/BF02244012?LI=true

また、下記の動物実験の研究では、「低から中程度のCBD用量で不安が軽減されたが、CBDの抗不安効果は高用量で逆に消失した。」と書かれています。

重要なことは、著者らはCBDに対する逆U字型の効果に注目しています。テストした4つの用量のうち、最低用量は中程度の抗不安作用があり、2番目に低い用量は最大の抗不安作用があり、3番目の用量は中程度の効果があり、最高用量はなんと効果がありませんでした。

ちなみに、てんかん治療としては1日あたり600mg以上という非常に高用量の経口CBD(錠剤)を使用します。

しかし、これは経口摂取であるためバイオアベイラビリティは低く、実際の吸収率はVAPEなどに比べるとかなり少なくなっていると考えられます。

高濃度を求められるこのような治療においてもバイオアベイラビリティは見た目ほど大きくありません。

これを鑑みると、VAPEでの高濃度摂取は、果たして本当に効果的か?また身体への負担は大丈夫か?効果実感は本当に高まるのか?について考える必要があると思います。

研究も盛んなメディアLeaflyでは「低用量のCBD(約5mg)から始めて最適な量を探してください」と書かれています。

ちなみにFDAはCBDの推奨1日摂取量(RDI)を作成していません。つまり、CBDには公式のサービングサイズ(推奨量)がありません。

用量を2倍にしても、効果が2倍になるとは必ずしもいえず、ある一定量を越すとむしろ副作用が出る可能性すら高めてしまうのです。

高濃度で「効いている気がする」のはプラシーボである可能性が大きい

アルコール、カフェイン、タバコは成分含有率が高いと高い効果を発揮します。

なので、お酒はストロングと銘打った製品が売り上げを伸ばしています。

しかし、ここまで書いてきたようにCBDにおける濃度(%)という指標は、一般的な人にとってさして重要なものではないのではないでしょうか?

「濃度が高いからよく効く」というプラセボの可能性もあるかもしれません。もしくはCBD以外の何か、の可能性もありますが。

まとめ

ここまで、CBDの濃度はさして重要ではなく摂取量が重要で、さらに人により絶対摂取量も変わるというお話をしてきました。

① CBDの濃度(%)はさして重要なファクターではない。
② 個人差があるので絶対摂取量(mg)は、自分がCBDに求めるものによって変化する。
③CBDの摂取のしすぎは本来求める効果を低下させてしまう恐れや副作用を高める可能性すらある
④ 濃度(%)と価格は関係がないが、CBD含有量(mg)と値段は比例する。

という事を書いてきました。

高濃度で摂取量を高めていけば効果があがるものではないのでご注意ください。

皆さんのCBDライフの参考になればうれしく思います。


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