ハイウェイで愛じゃないやつ叫ぶ。
ここに綴られているのは2014年5月〜7月に経験した、皆川暢二のアメリカ自転車8000kmの物語です。
2014年 5月9日 アメリカ自転車旅 7日目後半
午後2時、パッドに送ってもらったハイウェイ5号からスタート!
10分後パンク。
場所はハイウェイ。
そうそう!
丁度、車が猛スピードで走るのを横目に、そしてその風を感じながら、パンクの修理をしたいとこだったんだよなーーー!!
あー気持ちがいい、、、
訳ねぇだろうがーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
助けて下さいーーーーー!!!
もう後輪捨てて前輪だけで進みたい。
後輪はやはり、サイドバック2個&自分の体重の負荷がかかるので一番消耗する部分。
かなり焦りだす。
しかし修理するしか手段がない。
腹をくくって瞑想するかの如く修理に集中しようとする。が、誰かに急かされてる訳ではないのにめちゃくちゃ急かされている気になってくる。
もうどうにでもなりやがれ。
その場で40分くらい修理をしていると、後ろから声をかけられる。
はいはい、またつまみ出されるやつね。
「何か手伝おうか?車乗ってく?」
スーパーサイヤ人。
スカウター完全にぶっ壊れました。
お父さん、この人には後光が差しています。
名前はミリア。
わざわざ、車を路肩に停めて声を掛けに来てくれた。
おそらく30代後半で、肌が焼けてて、アウトドア好きが一目で分かる。
レディには年齢は聞けません。
「私、ポートランドまで行くけど」
パ、パイセン、今なんとおっしゃいましたでござりましたでしょうか、いざ候。
この場で修理ができるならしたかったんだけど、ミリアに見てもらったらチューブではなくタイヤ自体に問題があるとのことで、ここでチューブを修理してもまた同じことの繰り返し。そして時間も15時過ぎ。
このまま自転車を押して歩いてポートランドに向かうと、ハイウェイの路肩でテントを張って、警察に捕まって、永久に日本に戻れないで、羊飼いになること確定。
「是非、お願いいます!」
そしてミリアと一緒にポートランドへ。
ミリアの職業は季節労働者。
細かい部分は理解できなかったが、つい先日まで漁船に乗って3ヶ月程海に出て仕事をしていたらしい。
ミリア「今日から3週間休みで、今からポートランドにいる友達の家に行くの。良かったら友達の家に一緒に泊まる?おそらく彼はウェルカムよ!」
はい、怒涛の出会いの連続。
自画自賛する訳ではないが、自分は出会いに関しては相当な引きを持ってるみたいだ。
そしてミリアの車に乗り40分後、コロンビア川を渡り、、
ポートランドーーーーー!!!
街に入るとバイクルートが必ずといっていいほど、道路の脇に設置されている。
さすがアメリカで最も自転車に優しい街だと言われているだけはあるな。
そして自転車屋も多いし、みんな自転車乗りすぎ。
街並みに関しても発展しすぎず、しなさすぎずといった、中都市という印象。
自分としてはこのくらいが落ち着けるし、住んでみたいと思う雰囲気を持っている。
そしてミリアの友達のマウスの家に到着。
マウスは口髭の両先をワックスで固め、チョピンとさせていて、髭のこだわりを持っていて、ハクション大魔王みたいな人です。
2人共アウトドアが好きで、マウスの家のガレージには自転車が3台、カヤックボード2台、その他アウトドア用品が沢山あり、小さいアウトドアショップみたいになっている。
めちゃくちゃ惹かれる。
マウスが自分の自転車を見てくれて、
「もう後輪のタイヤは変えたほうがいいね!よしっ!今から自転車屋に行こう!」
と言って、これと決めたら即行動みたいな人。
アウトドア歴が長い人のたくましさ。
2人とも休みができたらアウトドアをするか、旅に出るような生活を送っている。
まだそこまで多くの人達に会ってきてはいないけど、アウトドア慣れしてる人達は独特のゆとりみたいなものを持っている。無理に言葉を発しなくても、その独特なゆとりが心地良く感じたりする。
そしてカフェがくっついている自転車へ。
日本で自転車屋にカフェが併設されているお店は見たことがない。
ポートランドの街が、自転車もファッションの一部ということを感じさせる店。
そして若い女の子が多い。
マウスと店員に勧めてもらった、パンクに一番強いタイヤとチューブを購入。
既にチューブは3本ご臨終。
そして修理も完了して夕食。
はい、めちゃくそうまい。
チキンは骨の髄まで食ったりました。
またここでもご馳走になってしまった。
すいませんっていう言葉が出そうになる。
すいませんではなく、ありがとうと言おう。
そしてマウスの家へ帰宅。
ワンルームの部屋の部屋の隅から隅まで綺麗に整えられている。
部屋って絶対性格出るんだろうな。
よく聞かなかったけど2人はどういう関係なんだろう?
付き合っている関係ではなさそうだが。
まぁそんなことはどうでもいいや。
笑ってるから。
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