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さくら

西加奈子 2005年

・あらすじ

累計55万部突破!2020年11月公開
ヒーローだった兄ちゃんは、20歳4か月で死んだ。超美形の妹は、内に籠もった。母も肥満化し、酒に溺れた。僕も東京の大学に入った。あとは、「サクラ」となづけられた犬が一匹――。そんなある年の暮れ。家を出ていた父が戻ってきた…。

さくら〔小学館文庫〕|書籍|小学館 2024年6月14日閲覧
https://www.shogakukan.co.jp/books/09408227

・感想

家族とその愛犬を描いた小説です。4年前ぐらいに、誰かが紹介していたのをみて、読もうと思いながら後回しにし続けました。今月初めに図書館に行ったときにこの作品を見つけたので、「あっ!」と思い借りてきました。

結構ハチャメチャな家族といったイメージでした。やることなすことに突っ込みどころ満載といいますか、「なかなかに個性豊かな人たちだなぁ」と感じながら読んでいました。それはそれでまた面白かったですが。ちょっと気質的に『成瀬は天下を取りにいく』と似ているような部分も多かったかなと感じます。

愛犬がいるということで、家族の中ではとても可愛がられているようでした。ですが、読み進めるにつれて、ただ可愛がっているというレベルの話じゃない!と思いました。もはやこれは「溺愛」というべきなのではないでしょうか(笑)凄すぎる…。

けれども、ただハチャメチャなことをしているだけなのに、なぜかここに、感動したんですよね。予測不能な感じではあるけど、みんなが一つのことに一生懸命すぎて、「バカ真面目さ」というのが感じられるように思います。

家族って大切な存在ですよね。世の中色々な人たちがいて、必ず家族に属していますが、結局は血の繋がった似た者同士なので、行動が似てしまったり、考え方が似てしまったりとかありますよね。そして、何か気に食わないことがあっても、どこかでお互いを許しあえる存在だから、本当に疎遠になったりする人は少ないのかなと感じます(とはいっても、すべてそうというわけではないので一概に言い切ることはできないと思います)。家族との関係性、これからも大切にしていきたいです。

この作品は2020年に映画化されました。「ちょうどその頃だったのかな、知ったの」とか思っています。映画の方はまだ観たことがないので、機会があれば観てみたいと思います。

・書籍情報

さくら 西加奈子
初版刊行:2007年12月6日
刊行元:小学館
定価:660円(税込)
ページ数:416p
ISBN‎978-4094082272

備考
私は単行本の方を読みましたが、現在一般に販売されているのかが不明だったため、書籍情報は文庫本のものを記載しました。

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