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【勉強法】「勉強が嫌い」な子どもたちと接するときに気を付けること5選!(後編)

いつもご覧いただきありがとうございます。学習塾ONEDAYです。

過去2回にわたり「そもそも勉強しない」問題を取り上げてきましたが、前回は自分で勉強する方向に向かうためにまず本人がすべきことを解説しました。親御さんや先生方が子どもたちに勉強するように誘導する際に、方法論のひとつとして参考にしていただければ幸いです。まだ読んでいない方はぜひご一読ください!

▼前回の記事はこちら!

3回目の今回は特に親御さんに向けて、勉強の意欲を取り戻すためにお子様とどのように向き合うかを詳述します。
筆者も講師として保護者の方と面談させていただく機会は何度も経験していますが、「このままだと親御さんの影響で本人の勉強に対する意欲を失ってしまうな」と感じる機会も残念ながらあります。このようなケースでは子どもと大人の信頼関係が弱い状態であり、下記の記事で言及したように大人の何気ない一言で信頼関係が崩壊する一歩手前にあるともいえます。

そこで今回はその対策として、こどもと接する大人が気を付けるべき考え方をお伝えします。1講師の経験則に過ぎない部分はありますが、それでも参考にしていただける点も十分にあると思いますので、最後までお付き合いください。

その1:自分と子どもは違うことを認識する

ひとつ目は特に高学歴なご両親に多い落とし穴であり、かくいう筆者も生徒の指導にあたる際に最も気を付けています。
自分が子どもの頃に勉強ができた経験が強い大人にとって、自分のお子さんが勉強に困っている姿は奇異なものに映るでしょう。「自分たちの子どものはずなのに、なぜこんな問題もできないんだ……」と悩まれるかもしれません。もっと言えば「勉強しない理由がわからない」と感じることもしばしばあるはずです。

ですが、中学生や高校生は自分のことを自分で判断し、自分で決められる年齢です。思春期のお子さんは自我が確立する途上なので、勉強1つをとってもその子なりの理屈がある場合がほとんどです。そのような子どもの理屈を「所詮子どもの意見」と大人が切り捨ててしまえば、自我が芽生えた子どもと対立するのは目に見えています。だからこそ、大人は自分の価値観を子どもに押し付けてはいけないのではないでしょうか。

その第一歩として、自分と子どもは違うことを認識するのがいいと思います。親子ほどの年齢差があれば授業の内容も部活動の在り方も全く異なります。タブレットを使って授業をするのが当たり前な今の子たちの価値観が、親世代の価値観と同じはずがないのです。となればすることはひとつで、始めに子どもの価値観を「そういうものなんだ」といったん受け入れることが大事です。

その2:子どもの人格まで否定しない

とはいえ、子どもが持つ価値観が明らかに正しくない場合だってあります。何かと理由をつけて勉強しないこともその一つです。このような場合、大人は子どもの間違いを正す責任を伴うのもまた事実です。

このようなときに子どもに注意をする機会が生じるわけですが、「大体あんたはいつも怠けてばっかで、だからあんたはダメなんじゃない!」といった注意の仕方を目にします。実はこの注意の仕方には大きな問題があるのですが、皆さんはお気づきでしょうか?

実は先ほどの注意の仕方だと、子ども自身の人格まで「ダメ」と言ってしまっています。先ほど注意は

①あんたは怠けている
②だからあんたはダメだ

という2つの内容に分かれています。今回注意したいことは「①あんたが怠けていること」なのですが、先ほどの言い方だと「あんた」そのものがダメだと言っているように受け取れてしまうのです。

そこで対処法として、注意の対象を行動に結びつけてみましょう。先ほどの例でいうと②の内容を「怠ける」という行動に対する注意に変えて、「怠けるのはよくない」という言い方にすればOKです。

①あんたは怠けている
だからあんたはダメだ→怠けていることはよくない

その3:結果が伴うまでの時間を許容する

3つ目はわかっていても忍耐のいる話です。結果が目に見える形で現れるまでに時間がかかることは、むしろ大人になってからの経験で重々承知ではないでしょうか?
例えば大人がダイエットをしようと考えたとして、まずダイエットのために運動をするまでに1か月(それでもやるだけマシですが)、ダイエットを始めても挫折して2週間くらいでやめてしまい、それを乗り越えて1か月くらいでようやく成果が目に見える、なんて話はザラですね。大人でさえ結果を出すまでに膨大な時間と努力を要するいい例です。

勉強も同じで、テストの点数など数字で努力が可視化されやすいとはいえ、それでも目に見える結果が出るまでにはそれなりに努力が必要です。にも関わらず、勉強となると大人でさえすぐに成果を求める傾向が出始めます。これには無理がありますよね。

勉強を全くしていなかった子にとっては、1日10分机に向かっただけでも一歩前進なんです。点数などに直結するのはその先の話なので、まずは失敗を繰り返しながら努力を続ける大切さを伝えてください。間違っても子どもに目に見えた成果を性急に求めない、これが大切です。

一方で日々の努力を可視化して成果とするのはありです。例えば勉強の目標を達成できた日はカレンダーにシールを貼る、といった方法があります。クーポンのスタンプを集める原理と似ていて、何日かシールを続けて貼れたら途中で切らしたくなくなるという心理が働くものです。この心理を利用して習慣化につなげるのはひとつの手です。

その4:成功したら過程をきちんと認めてあげる

4つ目は「結果を生み出した努力を承認する」ことです。これは以下の2つの褒め方の比較が最もわかりやすいですね。

ほめ方A:「テストで100点取れてえらいね!」
ほめ方B:「テストでいい点とれるくらい頑張ってえらいね!」

どちらも子どもをほめている点では全く同じなのですが、前者の褒め方が「100点を取った」という結果に注目しているのに対し、後者の褒め方は「いい点を取るために努力した」という過程に注目しています。そして、この2つを比べたときに適切なのは後者の過程に注目した褒め方です。

ではなぜ結果に注目した褒め方がまずいのでしょうか?その理由のひとつに挙げられるのが、「結果さえ出れば何をやってもいい」という誤解を与えかねないからです。

よくある例としては、テストでどうしてもいい点を取りたいがためにカンニングに手を染めてしまう事例です。本来テストはその時点での学力を測るツールでしかなく、点数以上に「どこで自分がつまづいたのか」確認して次につなげることのほうが重要です。

しかし、周りの大人が点数という結果ばかりをほめると、子ども自身も結果に拘泥するようになり、そのためならズルでもなんでもするようになってしまうのです。このようなケースでは自分自身の実力を高める努力に集中できていないため、見せかけの好成績を収めることができても、本来の学力は何も身についていないことが多々あります。せっかく勉強しているのにこれではもったいないですよね。
このようなミスリードを起こさず、子どもが正々堂々と実力を高めて勝負できる力をつけられるようにするためにも、まずは「努力をして自分を磨くことが素晴らしい」という過程の部分をきちんと見てあげることが大切です。

その5:大人が自ら学ぶ姿勢を見せる

最後は我々大人にとって一番耳の痛い話です。忖度なしにはっきり言うと、子どもが勉強しないことに悩んでいる場合、まずは大人である自分自身が、「新しい挑戦や日々の自己研鑽を何もしていない」と子どもに思われている可能性を疑ってください。

実際、「日本の大人は勉強しない」という言説はこれまでも様々なところでいわれています。例えば子どもに勉強の一環として読書を勧めることは多いですが、平成30年の文化庁の調査によると16歳以上の男女2000人程度のうち、約半数にあたる47.3%もの人が「1か月に1冊も本を読まない」と回答しています(下図参照)。

文化庁、平成30年度「国語に関する世論調査」より引用

この原因を筆者なりに考察すると、インターネットの普及により情報収集の手段が書籍からインターネットに移行した、と考えられるでしょう。とはいえ、書籍はネット上の情報と比べて信頼性の高いメディアであり、大人にとっても有用な情報収集のツールであることに変わりはありません。にも関わらず、大人の半数は1か月に本を1冊も読まない。これが現実です

ここでは読書を例に挙げて説明しましたが。ほかのさまざまな事例を考えてみても、子どもから見て大人が勉強をしている姿というのが極めて想像しにくい、というか、ほとんど何も勉強していないように見えるのが今の日本社会です。
そして、自分は新しいことを勉強しない大人が、自分の子どもには勉強するように指示し、子どもが勉強しないと「先生、どうしたらよいでしょうか」と相談する。こんな話が当たり前の光景になっているのです。

子どもが勉強するようになる最も確実な方法は、子どもが幼少のうちから「新しいことを学ぶのが当たり前の家庭環境をつくること」です。そして、その大前提にある考え方が「大人も新しいことに挑戦し、その姿を見せること」です。子どもは自分たちの写し鏡であり、特に幼少期は親の姿を見て子どもは成長していきます。子どもが勉強しない・挑戦しない子になっているということは、挑戦しない自分の姿を投影しているともいえるのです。
逆に言えば、挑戦する大人から感じ取れるものは多いですよね、そして何より、一生懸命な大人は失敗する姿も含めてかっこいい。だからこそ、まずは新しいことに挑戦する一歩を踏み出して、かっこいい姿を少しずつ見せるのが実は一番効果的なのかもしれません。

まとめ

最後になりますが、この記事で申し上げたことは全て学習塾ONEDAYの講師全員が徹底して取り組むことでもあります。我々スタッフ一同も子どもたちの道標となれるよう、日々挑戦と勉強を繰り返して精進してまいりますので、今後とも学習塾ONEDAYをご愛顧いただきますようよろしくお願いいたします。

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最後になりますが、当塾では勉強に不安を抱えている方の学習支援を行なっています。今回の記事でお話しした内容についても個々のお子様の事情に合わせた形でカスタマイズした提案を行うことが可能です。
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