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【詩】 コップ


何を注ぐの

壊れかけた取っ手が耐えられるもの
不満の果肉入りジュース
哀しみの下流から掬い取ったミルク
それとも天邪鬼が照れ隠しに吐いた台詞を
何時でも見られるようにしておきますか

風が吹いて
ついに倒れて砕け散った白いコップ
いつも丁度良い大きさでいてくれたね
オレンジの花の絵が可愛かった

一度壊れたものでも直せる限り直しますと
云われた私は首を横に振りました
欠片でなく破片だった
それでも懸命に捨ったの



(詩集「喫茶ニューロマンティック」収録作品)


〜追記〜
この詩の一節を、ゆとれひとゆとりさんがアクリルキーホルダーにして下さいました!
自分の詩がこうして形になるのは初めてです。

文学フリマ広島6にて頒布、その後通販でもお取り扱いがあるそうです。分厚めのアクリルキーホルダー、飾っても可愛いです!
文学をこのような形でも楽しめるって心躍ります。

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