動けない時の感覚

こうしてソファに寝転がっていると
1番動くとこができなかった時の感覚を思い出す。

全身が重だるく、
いくら念じても金縛りのように体が動いてくれない。
心臓は重苦しく、
鎖で雁字搦めにされて地中深くにぶら下がり、
鎖の先に巨大な錨がぶら下がってるような感覚だ。
食欲があるのかないのかわからず、
生きることを力なく拒むように食事を摂ろうとしない。
光の届かない、カーテンを締切った部屋の中で、
ただただ曇色の冷たい空気が停滞していく。
生きる元気もなければ死ぬ元気もない。
ある意味、この時期は皮肉にも安全なのだ。

今思えば、あの時期は徹底的な休養が必要な時期だったのかもしれない。
言わば冬眠中の熊だ。
カロリーの消費を最小限にするために脳が運動の停止を命じてるのか。
授業で「うつには休養がまず大切」と繰り返し聞いていたがここまで徹底的なものだとは思わなかった。

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