見出し画像

【飲食店】2号店を出す為に必要なステップと資金

飲食店を始めて、1号店の経営が軌道に乗ってくると「2号店を出したい!」「そろそろ多店舗展開を考えたい」といった思いが湧き上がってくる方も多いだろう。

今回のテーマは「飲食店の2号店を出す為に必要なステップと資金の考え方」について私の過去の実体験に基づいて話そうと思う。
(何を隠そう過去7店舗ほど出店、赤字も経験している)


2号店のタイミングと検討基準

この記事が目に留まったのは飲食店の増店を検討しているからという前提で話を進めよう。

2号店を検討し始めたのは、1号店の経営がうまくいっているからだろうか?
それとも最初から多店舗展開を想定して飲食店を始めたのだろうか?

最初から店舗展開を想定していると1号店がうまくいくとすぐにでも2店目を出したくなるだろう。
資本が大きかったり、1店舗くらい失敗しても問題ない資金をお持ちの方は別だが、結論から申し上げると、ここはグッと我慢だ
「3期の決算が出るまで」は1号店でしっかりと経営を学びながら実績を積むべきである。

一番の理由は銀行などの金融機関は起業して3期の決算が出るまではほとんど融資をしてくれないから。
金融機関の長い融資の歴史で、起業して3期以内のお店・会社は倒産リスクが大く融資先には好ましくないと判断しているのだ。

なので3期までは1号店の足場をしっかりと固め、他の成功している飲食店を勉強し、今後の展開の為に経営を学ぶ時間にするのが良い。

イチから創業した飲食店経営者の多くは、飲食店スタッフとして働いた経験を基にお店を出しているのではないだろうか。
その経験から自分が店長としてお店に入っていれば成功確率も高いと思う。

しかし店舗展開を始めると話はまったく別だ
2号店以降は自分が店長としてお店にフルタイムで入り続けることはできない。
ということは、経営・マネジメントをしなければいけない、初心者の経営者として勉強をしていかなければならないのだ。

まずは1号店がどの程度成功しているのか、現状を確認しよう。

🔷安定した収益性

大前提ですが1号店は毎月しっかりと利益が出ているか。

自分が店長をしていれば店長としての給料で利益がトントンでもやっていけるかもしれないが、2号店を出店するということは、そこに別の店長を置いて給料を払い、更に利益を上げないと自分には1円の収入も入ってこないことになる。

2号店を出してよい収益とは、自分がお店から離れてなお、返済額を上回る利益が出せるかということを確認しておきたい。

🔷人材の確保

いつでも悩まされる人材の確保は、思った通りに採用、教育できるようにノウハウを積んでおかなければならない。
媒体、求人内容、待遇、入社してからの教育などのことだ。
多店舗展開には、自分以外の店長やスタッフの力が必要不可欠になるからである。

🔷効率的なオペレーションの確立

1号店の成功要因は何でだったのか?これは言語化する必要がある。
言語化できないことは”たまたま”なので、それでは2号店が成功するかどうかは運任せということになってしまう。
言語化して、それをマニュアルにするべきなのだ。

自分がお店に入らない以上、マニュアル化されたオペレーションによって、どのスタッフがどんな状況でも迷うことなく再現性が保たれることも重要である。

常に自分がお店を見続けることができない、ということを考えておきたい。

1号店を他人に任せても良い状態になったら、いよいよ2号店の事業計画を作成しよう!

まずはどれくらいの自己資金でどれくらいのお店を出すか考える。
当たり前だが一般的に投資額が大きければお店の規模も大きく、売上も大きく、ハイリスクハイリターンが強くなっていく。

大きく事業展開をしていきたいと思う方は、大きな投資で大きなリターンを求めていく傾向にあるので、まずは自分が作りたいお店のイメージを事業計画に落とし、金融機関を回り資金調達することをお勧めする。

3期分の決算書があると金融機関が融資の話に応じてくれるようになる。

金融機関は会社経営でのお金の面でのプロなので、実際に作成された決算書をみて今後成長をする見込みがあれば融資してくれるし、そうでなければ融資はしてくれないだろう。

金融機関の担当者が客観的に自分の会社、店舗を見てどう判断するか?というのは2号店を出店するタイミングとして重要な1つの判断材料になる。

出店ペースと資金

では2号店を出す時にどの程度の自己資金と借入があれば良いだろうか。

一般的に最低3か月分の運転資金が現金としてあればよいと言われている。
例えば年商3000万円のお店だとすると月商250万円、そのうちの7割を運転資金だとすると約170万円、3か月で約500万円。1店舗でこの金額なので、2店舗になると手持ち資金は1000万円くらいは欲しいところだ。

では2号店の開店資金はどうするのか?
できれば全額融資してもらえることを目標としたい

融資をしてもらう金融機関だが、金融機関と一括りに言ってもメガバンク、地銀、信用金庫、政府系金融機関と色々だ。
初めて金融機関を回る人はびっくりすると思うが、金融機関の規模、同じ規模でも銀行によって融資してもらえる評価、判断が全く違うのだ。
さらには同じ銀行でも担当者が違えばその判断も全く変わってくるから驚きである。

多くの方はいつも取引している信用金庫に1つ行ってダメだったら諦めてしまいがちだが、少なくとも5~10行は回ってみよう。
まずは地銀、信用金庫、それから政府系金融機関。
地銀、信用金庫に行ったら、もしかしたら始めは保証協会を紹介されるかもしれない。そうしたらひとまずお断りして政府系金融機関に行ってみて欲しい。
政府系金融機関でみなさんが行くのは国民生活金融公庫と商工中金だ。

借入の考え方

多店舗経営を考える方は会社を経営していくので、お金に対する意識を変える必要がある。
私たちは借金をするのは悪いことだという教育を小さいころから受けてきたので、どうしてもお金を沢山借りる事は悪だ、と考えてしまいがちだ。

ビジネスでは、実はここが全く違う。

お店や会社経営では、お金は借りれるだけ借りるのが鉄則!

もちろん必要の範囲内だが、新規出店の費用は必要なお金なので自己資金には手を付けずに、できる限り全額借り入れた方が良い。

お店や会社は、資金のある状態で経営しなければいけないからだ。
お金が無くなる=業者さんにお金が払えない、従業員にお金が払えないということなので、その時点でジ・エンド=倒産なのである。

逆の見方をすると、

お金を借りられる=会社に信用があると銀行から評価された

ということなので、客観的に見たら成長の見込みがあると銀行に判断されたということになる。

自分の働き先を考えても同じではないだろうか。
これから話す2つの会社、どちらの会社へみなさんだったら就職するだろう?

①貯金2000万円、借金ができないので借金も0円、で昨年1000万黒字が出た会社
②貯金0円、今年5億借金した、さらに昨年2000万円赤字を出した会社

私だったら絶対に後者に就職する。

前者は今年2000万円赤字を出したら倒産してしまうが、後者は2000万円の赤字を出し続けてもあと25年間チャンスがあるのだ。

お金さえあればチャンスが続くので、
いつか成功して大きな利益を生んで返していけばいい。

特に今は金利が本当に低いので利息も本当に安く、借りていることに負担はほとんどない。
お金はチャンスという考えで、
会社経営では必要なお金はどんどん借りようじゃないか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<出店ペースの目安>としては
1号店→2号店目へは3年
2号店→3号店目へは2年
3号店→4号店・5号店目へはそれぞれ1年
というように安全に行って5店舗目へ7年くらいで行けるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここまで安定してくれば金融機関の信頼度はグッと上がり、あとは思いのままだ。

まとめ

2号店を出すのは3期目の決算が出てから。
それまでの3年は経営の勉強をすること。
その上で1号店は
・安定した収益
・人材の確保
・オペレーションの確立
をして、成功要因を分析してマニュアルを作り、2号店の事業計画に活かすこと。

多店舗展開は飲食業界人の夢でもあるので、一緒にベストな方法を探しながら
業界を盛り上げて行きましょう!


↓↓↓  YouTube動画 ワンゼミでも公開中!  ↓↓↓

飲食店専用POSレジ ワンレジ
\ 飲食店経営ノウハウ丸わかり!◎ /

飲食店専用POSレジ ワンレジ


最後までご覧いただきありがとうございました!
読んだよ!という方は「スキ」をいただけると励みになります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?