[フィクション]あの夜食べたアイスクリーム
例えば、深夜に一人家を抜け出してコンビニに向かい、持ち帰るアイスクリーム。木の使い捨てスプーンですくった一口の甘みが、乾いた喉にブッ刺さる。こういう体験に、「罪悪感」とかいう言葉を簡単に使える。
自分たちの消費活動が、地球のあっち側で、いたいけな人びとの爆殺に一枚噛んでいたとしても、あんまり身にしみて出てこない3文字。一口のアイスも、砂塵と化した灰色の街の風景も、脳みそにちょっと刺激与えて溶けて消えていく。
人に優しくありたいと思っているくせに、身近な人の一挙手一投足に腹