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【サブスク】業界初!ChargeSpot「モバイルバッテリー」の借り放題、うまくいくか?

こんにちは、思考力特訓中の恩田です。

本日は以下記事を取り上げます(先々週に引き続きサブスクです)。

記事によると、

・日本設置台数シェアNo.1※の「ChargeSPOT」はモバイルバッテリーを「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに全国の駅、空港、商業施設や飲食店、コンビニエンスストア、公共施設などを中心に現在約26,000ヶ所まで設置場所を拡大している。

・この度、月額1,100円(税込)で、全国26,000台全ての「ChargeSPOT」が回数・時間無制限にレンタルできる、「ChargeSPOT Pass」を福岡県の一部のユーザーにて有効化する実証実験を実施する。


モバイルバッテリーのレンタルはここ2~3年で駅やコンビニに設置箇所が増えてますね。

全国26,000スポットといえばコンビニの半分くらい?

結構な数ですね。

そんなモバイルバッテリーのサブスク(定額使い放題・継続課金)がスタート!


このサービス、

「利用したいユーザーは多いか?」

「ビジネスとして成立するか?」

を考えていきたいと思います。


1.顧客は誰?

ビジネスの前提は、それを買ってくれる顧客が存在すること。

つまり、

「誰かしらにとってニーズがある」

その誰かしらが多ければ多いほど、ビジネスとして成立する可能性は高まります。

そうするとまずは、モバイルバッテリーを必要とする顧客はいるのか?

「急な充電切れや充電し忘れ」

「モバイルバッテリーを持参忘れ」

「充電ケーブル・コンセントが手元にない」

こんな場面、多くの人に起こりそうですね。


さらにChargeSPOTは、

「どこでも借りられて、どこへ返してもOK」

外出先で借りて自宅付近で返却。

これなどは利用者の行動動線にマッチしてます。


※レンタルスポットは以下のようなマップで表示されます

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ここまで見た限り、同社のサービスはニーズに見合っており顧客は存在しそうです。


で、今回はマネタイズの仕方を新たに付加。

都度課金だけではなくサブスク(定額・継続課金)での利用を募ります。

安定的な収益源に育てようとしているのですかね?



2.本サービスはサブスクに向いているか?

都度払いから定額継続払いへ。

これが成功するには?

既存顧客でサブスクに移行する人

サブスク開始により新規顧客になる人

のいずれか、もしくはいずれもが存在する必要があります。

どうでしょう?

私的には、う~む。。。


モバイルバッテリーの都度利用であれば、前述したようなニーズは生じます。

しかし、サブスクとなると、

①モバイルバッテリーレンタルを突発的ではなく継続的に利用している

②都度払いより定額継続課金の方が割安

この①②に該当する場合はサブスクの方がメリットがありますが。。。


それぞれを見てみると、まず「突発ではなく継続利用」

これは繰り返しですが、バッテリーレンタルは「いざという時」にありがたいサービス。

多くの方の生活実態において、「いつも」「定期的」「高頻度」に必要なツールではないでしょう。

そうすると多くの顧客にとっては

「突発(=都度課金)」

で事足りそうです。


次に価格(都度よりサブスクの方が割安かどうか)。

同社の価格表を見ると、

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1回当たり利用料としては330円/48時間が平均的かと思います。

そうすると、月4回以上レンタルする人。

もしくは月に1回でもその1回が5日以上など、990円を超える人。

このような人にとってはサブスク(1,100円/月)の方がお得です。

ただこれだけ(頻度・時間)借りる人であるならば、そもそも自分でモバイルバッテリーを所有してそうですね。

モバイルバッテリーは1,000円も出せば、チャージスポットが提供している容量5000mAhの倍の10000mAhの製品が購入できますし。

「自己所有していてサブスクも利用」

このような人はほとんどいないでしょう

以上、モバイルバッテリーのサブスク、普通に考えるとそこまでニーズがあるようには思えません。



3.サブスクが成立するには

ここまで、本サービスに対してあまり好意的ではない見方をしてきました。

しかし、逆から見ると(普通じゃない捉え方をすると)ニッチな支持を得られるかもしれません。

というのも、仮に

「月に4回以上(もしくは5日連続)レンタルする」

「このレンタル回数(日数)が毎月」

であれば、サブスクに切り替えた方がグッドです。


こういった人はどういう人か?

理屈的には、

いつもスマホを見ている』×『外出が多い』×『荷物が少ない


「いつもスマホを見ている=充電残量の減りが早い」

「外出が多い=充電にコンセントケーブルを使用できない」

「荷物が少ない=モバイルバッテリーを持ち歩いていない(というか極力荷物を減らしたい)」

これらが全て揃った人はモバイルバッテリーを結構な頻度で利用する(している)可能性は高いのではないか?

この層が一定数いて、圧倒的な支持を得られれば、ビジネスとして十分に成立します。

そうするとまず、いつもスマホを見ているのは誰か?

これは結構、多くの人が該当しますね。

電車の中、歩行中など、街に出るとスマホを見ながら何かしている人が大半ですから。

次に、外出が多い

これは仕事が外回り系。

あとは学校やバイトで家を空けることが多い学生さん。

最後に、荷物が少なめ

最近の流行?ミニマリストなる言葉があります。

これは不要な持ち物や荷物を減らして生活すること。

こういう人はカバンなどは持ち歩かずサイフも電子マネーが主流のため不要(もしくは必要最低限のミニ財布)。

外出のお供はスマホだけ。

このようなミニマリストからすると、必要なときに必要なモノがありえばいいわけで。

モバイルバッテリーに限らず荷物は持ち歩きたくないでしょう。


つまり、スマホの消費電力が早く、充電環境がなく、荷物を極力減らしたい。

こんな人はサブスク顧客になる可能性を秘めているのではないでしょうか。

そうすると、どちらかというとおじさんより若者ですかね。


そんなことを考えていたら、

同社のCM

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若者でした。

もしかするとこの世代には受けているのかもしれません。


最後に一つ気になるのが、今回、なぜ、福岡なのか?
福岡では2020年12月1日~2021年2月28日の期間で「福岡限定無料充電キャンペーン」が行われています。
同社のキャンペーンはd払いやApplePayなど支払対象に絞ったキャンペーンがやってますが、地域限定は福岡のみ。
もしかすると、福岡は会員が多いとか利用頻度が高いとか何かあるのかもしれませんね。


今回の学び

ビジネスモデル(商品とマネタイズ)は顧客ありきで考える。

商品を考える時、それを必要とする顧客が存在するか?

仮に現在は存在しなくても、顧客になり得そうな人(対象)が、「あ、それそれ、それがあれば便利」とニーズが顕在化されるか?

また、マネタイズにおいても「サブスクが流行っているから」「安定的に収益を得たいから」といった提供者の都合ではなく、顧客の利用実態やニーズに見合ったマネタイズとする。

そして、そのうえで提供者側も利益を得れる。

つまり常に顧客起点。

これが大・大・大・大・大前提!


以上になります。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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