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連続小説「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」

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長めの連続ホラー・SFです。先がどうなるのか、まだ自分でもわかりませんw
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記事一覧

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第二十四話(最終話)

私がここに記す言葉は、エピローグであり、警句でもある。 宇宙の法則。 その美しきプログラ…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第二十三話

下柳の上半身を抱え起こした瞬間、恋河原の頭頂部から、すっ、と光の点が抜けでる。その小さな…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第二十二話

「ただいまー」 岩田哲明43歳は疲れ切っていた。パチンコ店に勤めて20年あまり。きょうは…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第二十一話

「ご理解いただけないとは、困ったものですね」 意識を集中していた自分の脳に、直接語りかけ…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第二十話

中継映像をモニターでチェックしていた紅林は、いち早く異変を感じ取った。恋河原が、応接室に…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十九話

【AM11:50】 「この作戦の最終目的は『下柳さんの救出』です」 紅林はオンライン会議…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十八話

「人口減少対策に経済政策。積年の問題に対してわかりやすい施策を示すことができるかどうかで、知事選終盤戦の風向きは大きく変わる可能性もありそうです」 男性キャスターのコメントが終わると、映像はVTRに乗り替わり、女性キャスターが次のニュースの予告を読み上げる。 「お知らせの後は、宗教団体を巡る住民トラブルについてです。住宅街に設置された謎の宗教団体の拠点。周辺住民の間から不安の声が上がる中、宗教団体が単独インタビューに応じました。中継を交えてお伝えします」 CMに切り替わ

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十七話

【AM10:47】 「あー、つまりだな、熱力学第二法則で禁じられた『エントロピーの減少』…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十六話

紅林は櫻田を睨みつけながらも、慎重に言葉を選ぶ。 「茶番だと。お前さんにとっては茶番でも…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十五話

深夜0時の札幌市中心部の大通公園西5丁目。 料金を払うのもそこそこに、転げ出るようにして…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十四話

通りに沿った建物には、普段と同じように明かりが灯っている。が、窓に人影はない。車道には乗…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十三話

今にして思えば、それは、誰かの夢や記憶を覗き見ているようでもあった。 小さなころから目ざ…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十二話

「なるほど。それであわてて、ここまで飛んできたってわけだったのか」 北都大学工学部の准教…

「カラビ=ヤウゲート 深淵の悪魔」/第十一話

「森林さんが『悪魔』という言葉を出されたのは、この説明のためだったということですね」 恋河原のその言葉を受け、森林が補足のように語る。 「私たちにとっての『悪魔』とは『悪の概念そのもの』の存在のことではありません」 「といいますと?」 「『なんらかの意図をもって組まれたプログラム』のようなもの。もしくは、『アバター』のようなものではないかと」 「・・・ごめんなさい、私にはよくわかりません」 そういって小さく首をふる恋河原は、俺にもわかんねえよ、という川端のつぶやき