人間、持っててイイ意地は恋路だけ!って恋愛全然関係無い話。
勝てると思っていた。実際、練習試合では勝てていたから。練習だって今日に合わせて声掛け合いながら調整して、出来る事は全部やった。
もう1試合勝てたら‥。
ハイすんません嘘付きました。
その試合は男子団体準優勝。大会終了お迎え頼むの連絡と「準優勝!皆すげーじゃん!」と躊躇いなく言える程に、賞状を囲んだメンバーの笑顔が眩しい写メ。
帰りの車中も和やかなモンで誰も今日までの練習を振り返ったりせずに、笑いが絶えなかった。
私にとってクイーンは、遠ざけるべき存在だった。
当時の私はやたら逆張りで、長年世間から注目されてるような超メジャーバンドを受け入れ難く「どうせ大衆に媚びたつまんねーヤツらだろ?」な20代なのに中2病な人間だったんだ(ホントは聞きたいクセに、つまんないのはお前だよ!なのよねー)
まあそんなだったから、情報番組とかでクイーンの話題が上ってライブらしき昔の映像がチラッと見えたりすると、聞いてみたいかも。と思うのだけど、特集された要因が、木村拓哉が主演するドラマの主題歌になったからだと知って、商業ロック×月9ドラマなんか聞く意味無い!とかね。ホント馬鹿だねー。
次に大きな波が来たのは2020年ちょい前位。ロック誌で頻繁に取り上げられるようになって、私自身がもう意地張らんで聞こうかな‥ってなってて。なんせ好きなアーティストが軒並み、尊敬してる・子供の頃から聞いてたつってるし、気付いちゃったんだよね、良い音楽だからずーっと聴かれてるって。
だから今までの頭悪い主張をかなぐり捨てて思い切って買ったのよ、ベストアルバム。
んで!何故そのタイミングで世間のクイーン熱が上がってたかとゆーと、言わずと知れた映画・ボヘミアン・ラプソディが制作・公開されてた期間だから。
違うんだよ!映画ありきのアルバム購入じゃねーの!ホントはずっと興味があったからああ!
車内は賑やかで、とても敗戦の将の帰陣に見えない。だからこそ誰も試合内容を口にしないのが気になった。でも私が口を挟んでも何の励ましにもならないのは分かってる。
ふとカーステレオから流れて来た曲を聞いて、あっK-1?と誰かが呟くと次男がすかさず例の足踏みをしだした。クイーンのウィ・ウィル・ロック・ユーだ。
次男が手拍子で煽るけど皆最初はヒトの車だから‥と遠慮する。だから持ち主の私が、いーじゃん、やんなよ!と言い放つと途端に足踏みが鳴り響く。
私は運転中だから彼らの表情は分からない。怒ってるのか、悲しんでるのか、清々しい顔をしてるか。ただ、後部座席からは中学男子6人全力の足踏みで車の床が抜けてしまいそうで密かにビビった。
まるでクイーンの映画のハイライト、ライブエイドのワンシーンのような感情の爆発。
自分のしょーもない意地っ張りで遠回りしたけど、この場面に出くわす事が出来たから間に合った!って言っていいかな。
それ以来聞きたいモノは素直に聞くようにしています。
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