o.n.e!(短編小説)
「今来てた業者さん、奥さん番犬みたいだねって言ってたよ。」
「えーなんで。何もしてないのに。」
「いやお前結構睨んでたから。」
もう慣れた、と言いたげに旦那は笑った。私は目が悪いので遠目だとどうしても顰めっ面になってしまうんだ。だって見た事ない顔だったし。誰だよ一体。
「まあ仕方ないか。1年ぶりだってさ、鉄クズ屋さん。昔は季節ごとに来てたんだけどな。どこも不景気で犬なんて飼ってる余裕無いよな〜。あ、だから人間が睨み利かせてんのか。」
旦那は眉間を指差し私の鼻に寄った皺を茶化