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音と声と風景がハマればソレは一生モノの。な話

自分の中で風景に紐付された音楽、有りませんか?

私にとってソレはベトナムをカブで疾走する大泉洋と鈴井貴之。曲は勿論、樋口了一の1/6の夢旅人2002。
『水曜どうでしょう』の最終シリーズ、ベトナム縦断エンディングで使われた名曲中の名曲だ。

水曜どうでしょう(略して水どう)は、ご存知、北海道の産んだ大スター・大泉洋ちゃんと、ミスターどうでしょう・鈴井貴之と番組DとPの2人を足した、計4人のおじさん旅番組。数ある世に出たどんな旅行記よりも風任せな水どうは、地方局の深夜帯30分番組だと言うのに最高2桁の視聴率を叩き出し、番組としては一応の終焉を迎えたものの今だに新シリーズが作られ続けている伝説の人気番組。

樋口了一さんを初めて知ったのが水どうで、TV深夜枠を使って何度も再放送される。
(ややこしいのだけど、最終回に件の楽曲が初めてEDに使われる→ただの再放送じゃなくてご時世的な理由なんかで調整した、どうでしょうリターンズが同じ枠で放送され、改めて1/6の夢旅人2002がどうでしょう公式エンディングテーマになる→リターンズが一周した後は、同じように微調整されたクラッシックがエンドレスで放送、と言う流れ。つまり最終回が終わっても夢旅人はずっと北海道の深夜を彩っていたのです)
そんな事情も有って、昔からのTVcm位耳に馴染んじゃってるんだよね。北海道と言えば、登別熊牧場=水どう=樋口了一だからね、道民なら!

そうやって皆に浸透していく・有るのが当たり前になるってのには訳がちゃんとあって、

本当、このヒトの歌声が、摩周湖か?!っつー位に透明度凄いんだ。

もう年齢60近いと言うのにめちゃくちゃ綺麗な歌声してるんだよね。
クセの有る歌い方とか全っ然必要無い程に。ソレがまた優しくて思いやりの溢れた歌詞にピッタリはまるんだ。

恐らく嘘の少ないヒトなんだろうなぁ。
使われる文言は私位の年齢ならちょっと赤面しちゃうよーな弩直球ストレート。
冒頭言ってた水曜どうでしょうのメンバーって番組内でヤラセしようって事もあったんだけど、結局もうめんどくせーからズルごと放送しちゃおうぜ!みたいな、そう言う馬鹿正直さが有るんだけど、ソコがシンクロしたんだと思う。

夢旅人みたいにヤンチャっぽい楽曲も他者と一緒に居られる喜びに溢れてるし、手紙〜親愛なる子供達へ〜は結構重たい人生観が綴られてる。
多分、他のおじさんシンガーソングライターが歌ったら、あ〜泣かせに来たな〜ってニヤニヤしながら穿った感じで聞いちゃうよーな所謂クサい歌詞だって了一さんの歌声は全部掬い上げてしまう。

(のぞみは聞く人によっちゃ辛い内容の詩かも知れない。けどソレを樋口さんが歌うと澄み渡った湖面みたいな静けさや水面の下に有る希望に、何度聞いても目の奥が熱くなってしまう)



音楽の教科書に載ってても良いと思うけどなあ。合唱曲とかさ。了一さんの模範と共に子供達に歌って欲しい。
本もそうだけど音楽って、その人が持たずに生まれて来た事柄や、失われている時間を追体験させてくれるモンだと思うから。

澄み切った歌声が、聞いたその子を癒してくれ、自分と他人の違いを受け入れ受け入れて貰える充足感を教えてくれる。

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