かんばしい日。
金沢に小旅行へ行ってきた友人から、
加賀奉茶 丸八製茶場の玄米茶をお土産として頂いた。
品川駅のエキュートに加賀奉茶 丸八製茶場のショップがあって、スタンドですっごく美味しいお茶が飲める。帰省の際は、ココでお茶を飲むために品川駅を経由するルートを選ぶくらいお気に入りである。
パッケージもいちいち可愛い。
お茶が好きな人や、年配の方へのプチギフトとしても重宝している。
(こうして私はスグ好き自慢を始めてしまう)
信頼を置いているお茶屋さんのお土産なだけに、
くー!とテンションが上がった。
早速頂こう。
パッケージ裏面の説明には、100ccの熱湯にティーパックを1つ…とある。
いつもであれば貧乏性全開で、もっとたくさんのお湯にティーパック1つで煎れるところだが、折角だし、正しくちゃんと頂こう。
お湯を沸かし、大体100cc…くらい。
玄米茶のティーパックを入れた湯飲みにそろそろと注ぐ。
玉露かな?って思うほど甘みを感じる、ふっくらしたお茶の香りと、カラリと香ばしい玄米の香りが、ふわーっと立ちのぼる。
湯船に浸かった時みたいにフニャーとやさしい気持ちになってしまった。
この香りのスチームサウナがあったらいいのに。
所定の時間でパックを引き上げる。
ああ、良い色味。
うつくしいなぁ。
香ばしい香りとは裏腹に、まろやかなとても良い口当たり。
おいしい、ほっとする。
うれしいなぁ。
素敵なお土産をありがとう。
そう思って、うっとり。
しあわせなため息をついた。
*
そうだ。
極早生みかんがあったっけ。
これも頂き物で…本当にありがたい…。
早生みかんの薄い皮をむく。
緑と薄い黄色が混じる、絶妙に感嘆する。
むいているそばから、果汁がじゅわじゅわと滴り、指をつたう。
なんてゆうか、若さ。だなぁと思う。
真っ直ぐで、キリリとした、爽やかな香りが立ち込めた。
ああいい香り。
真冬のみかんにはない、この香り。
名前をつけるとしたら、どんなのが良いだろうな…。
3房をまとめて頬張ると、口から溢れそうなくらいの果汁。
酸っぱさもあり、きゅ、と目を瞑る。
素敵な味だ。
こんな極早生みかんみたいな時代が、私にもあったかなぁ。
なんて、遠い目をしてみる。
日が落ちた部屋に、玄米茶と早生みかんの香りが混じる。
なんか、素敵な空間になっている。
コチコチ、と時計の秒針の音が響く。
*
雨が強くなってきたので、薄く開けていた窓を締めに行った。
金木犀の香りが、雨にすすがれ、ちっともしない。
ちぇ。
当たり前だが、雨の匂いがする。
しっとりと潤う匂い。
今日は嗅覚がよく働く日だなぁ。
さぁさぁと降る雨の線を眺めながら、このことを書こうと思った。
-20221005-
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