知っているようで知らない『ダウン』~アウター総選挙編~
知っているようで実は知らないファッションのこと。
聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥。
しかしファッションのこととなると一体誰に聞いたらいいものか。
本来であればそんな時に助けになる販売員だが、
ひとたび店員に聞こうものなら、インターネット顔負けの情報の濁流を浴びせられたのち、必要のない買い物をして店を後にする、なんて想像をしてしまう方も多いのではないだろうか。
アパレル業界が最も盛り上がる秋冬シーズンど真ん中の今、そろそろ今年のメインとなる買い物を検討される方も多いのではないだろうか。
昨年切り詰めて購入したアウターは、もちろん今年も着られる。
にも拘らず、毎年のように私たち有権者の頭の中で繰り広げられる、アウター総選挙。
多くの立候補の中から今回は、ダウンジャケットの声明をここに記したいと思う。
まず有権者の皆様に訴えたいのは、ダウンジャケットの利点は間違いなく、軽さと保温性である、ということである。
真冬向けのコートと比べて圧倒的な軽量性でストレスを感じずに長時間着用できる。
その軽さと保温性の源は、なんとなく耳にしたことのあるフィルパワーである。
フィルパワー
フィルパワーは1オンスあたりの羽毛がどれだけ膨らむかを表す単位だ。
『フィルパワーが高い=よく膨らむ=多くの空気を含むことが出来る=暖かい』
とさらっと理解しておけば十分だ。
一般的に600フィルパワー以上のダウンジャケットが良いモノとされており、THE NORTH FACEのヌプシジャケットや、CANADA GOOSEのジャケットがそれに当たる。
そんなフィルパワーを支える羽毛であるが、あのキルティングの中に詰まっているのはダウンだけではない。
ダウンとフェザー
キルティングの中には、ダウンとフェザーが必ずと言っていいほど混ざっている。
ダウンはダウンボールとも呼ばれるふわふわとした丸い羽毛で、空気を含む役割を果たす。
一方でフェザーは鳥の羽のような形をしており、ダウンの形状回復を助ける役割を担う。
ダウン単体では繰り返し潰れた時に、再び膨らんでフィルパワーを発揮することが困難だ。
そこで軸を持ったフェザーがその助けとなる、という訳である。
そんなダウンとフェザーの割合だが、9:1の割合を黄金比と言われている。
もちろん用途によって異なるため、一概にそれがベストとは言えないが、ダウン選びの際の観点としてみるのもいいのではないだろうか。
と、ダウンの中身にばかり焦点を当てたが、ファッションである以上、見た目が大切なことは疑いようがない。
キルティングとノンキルト
ダウンジャケットと言えばあのキルティングデザインを思い浮かべる方が多いだろう。
しかし近年アウトドアなニュアンスを持ったキルティングを施さないジャケットも増えつつある。
キルティングを施さないことで、縫い目からの水の浸入を防ぎ、さらに都会的な要素を取り入れたことで、こうしたテック系やギア系と呼ばれるアイテムは、ビジネスシーンでスーツの上に着用を検討する方からの支持を得ている。
前述したとおりファッションである以上、お洒落な見た目であることは欠かすことの出来ない要素だ。
以上がアウター総選挙におけるダウンジャケットの声明である。
知っているようで実は知らないファッションのこと。
投票を迷っている有権者の方々は、ぜひダウンジャケットの声明を参考にしてみてはいかがだろうか。
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