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本と育つ、本で育つ 本好きな子、読まない子

「本好きな子どもに育てるにはどうすれば良いか?」「子どもに本を読ませるには?」、こういった問いとそれへの答えを良く見かける。どうすれば子どもは本を読むのか?私も考えたことがある。長男は放っておいても勝手にどんどん読む子であったが、次男はそうではなかった。また、私自身は三人きょうだいであったが、弟二人が喜んで読書をしていた姿は殆ど記憶に無い。同じ親が、同じ家庭で育てても、個人差が出る。
でも、考えてみれば当然だ。きょうだいの性格が全く異なることは良くあるし(むしろ似ていることの方が少ないのではないだろうか)、あらゆる好みが分かれるのは日常茶飯事だ。学校に上がれば得意科目だって違う。本を好きか否かが反対であっても不思議ではない。
それでも冒頭のような問いが多いのは、このことを悩む親が多いからであろう。「小さい頃から読み聞かせをすると良い」とか、「家に本がある環境を作りましょう」といった答えを読んで、実践してみることもあるのではないだろうか。確かにこういったことが、子どもと読書の関係に及ぼす影響もあるだろう。
ただ、自分自身と長男という二人の本好きの幼少時を振り返って、結局のところこの問いへの答えは無く、好きな子は自然と好きになる、好きでない子はならない、それだけのことのように思っている。幼いうちから読み聞かせ、周りに本を置いておけば、より早い時期に、本好きな子は自ら読み始めるようになり、そうでない子は「自分は本の世界に興味がない」ということに気付くということはあるだろうけれど。
本が好きなことは素晴らしいことだが、本に興味を示さないことを否定する必要もない。本が好きな子は自分の周りの現実世界よりも本の中の世界が心地よく、そうでない子は現実世界で自ら動き回ることの方が楽しいのだ。本を読まない子は駄目なわけではなく、外で遊ばずに本を読んでばかりいる子もまた駄目なわけでない。その子に取って最も豊かな時間を送れる過ごし方をするのが最良なのではないだろうか。

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