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【ご報告】鳥取で始まった複業のカタチ~とっとり翔ける福業報告会~パネルディスカッション概要

今年度から開始した、副業、プロボノ、ボランティアなど多様な関わり方で、幸せな働き方を創造していく新たなプロジェクト「とっとり翔ける福業」について、令和4年2月16日(水)にオンライン報告会を開催しました。

報告会では、プロジェクトの流れや地方金融機関からみる複業人材の可能性の説明のほか、パネルディスカッション形式で複業受け入れ企業・自治体、複業者の両方からのお声をお聞きしました。

パネルディスカッションでは、オンラインでのコミュニケーションやフィールドワークを通して、その土地や住民に惹かれ、単なる外注や業務委託とは異なる「仲間」や「パートナー」として関係性を築いていただいていることが感じられました。

以下のとおり、パネルディスカッション部分について概要を報告します。

【報告会概要】
(1)開催日時
令和4年2月16日(水)午後1時から2時半まで
(2)内容
①開会(午後1時から1時5分まで)
②主催者挨拶(午後1時5分から1時8分まで)
 森田 雅典(鳥取県ふるさと人口政策課関係人口推進室長)
③”とっとり翔ける福業”の流れについて(午後1時8分から1時25分まで)
 中川玄洋氏(特定非営利活動法人 学生人材バンク 代表理事)
④地方金融機関からみる副業人材の可能性(午後1時25分から1時35分まで)
齋藤 浩文 氏(株式会社鳥取銀行 法人コンサルティング部)
⑤パネルディスカッション(午後1時35分から2時20分まで)
 テーマ:鳥取で始まった複業のカタチ
 パネリスト:原 美香氏(株式会社ヘイセイ総務部課長 兼 食品事業部課長)
 浜川 明氏(琴浦町企画政策課人口対策担当 係長)
 柘植洋一氏(株式会社JTB ビジネスソリューション本部
 新宿第三事業部 営業戦略チーム 特命リーダー)
 ファシリテーター:中川 玄洋 氏

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以下表記
(原)・・・原 美香氏(株式会社ヘイセイ総務部課長 兼 食品事業部課長)
(浜川)・・・浜川 明氏(琴浦町企画政策課人口対策担当 係長)
(柘植)・・・柘植洋一氏(株式会社JTB ビジネスソリューション本部新宿第三事業部営業戦略チーム特命リーダー)
(中川)・・・中川玄洋氏(特定非営利活動法人 学生人材バンク 代表理事)

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-参加動機は。
(柘植)
(株)JTB勤務。元々旅行が好きでコロナ禍でワーケーションをしてみたいと思ったのがきっかけ。ワーケーションをする中で地域課題解決型を自らするにはどうすれば良いのかという問いがあった。副業が昨年解禁され、色んな地域複業に参加する中で、鳥取県は様々な取組を積極的に進めていることから、是非と思い参加した。

―企業側の受入動機は
(原)
鳥取銀行と琴浦町役場からお話をいただいたのがきっかけ。
ちょうどコロナ禍で商談会・展示会がなくなり、商品をPRする場がなく販路拡大にどうしたらよいのだろうかとの思いがあった。企画提案の業務委託はあったが、複業の受入は初

-参加してみて感想は
(原)
すごく良かった。複業希望者とのコミュニケーションの機会が多く「この人だったら大丈夫そう」というのが感じられたほか、コーディネート役がいて会社内で悩んで終わるようなことも相談できて心強かった。

(中川)受入企業側は複業希望者へ、また複業希望者は受入企業へどこまで聞いて良いか線引きが難しいいったことはあったので、我々地域側のコーディネーターは、なるべく双方へ感触を聞きながらもやもやをクリアにしていきながら進めた。

-参加動機や感想は
(浜川)
元々外部人材の活用に興味関心のあった琴浦町副町長から声があがり、まずはやってみようとなった。行政は事業実施のため予算措置をするのが通常の流れだが、今回はトップの理解が大きな力となり進めていくことができた。関係人口というテーマは行政の中でも良く出てくるが、複業人材活用のノウハウが多くの市町村にはない。そういった意味でとても有益なきっかけとなる取組になったと感じている。

―「とっとり翔ける福業」を体験してみてどうだったか
(柘植)
複業のマッチングは難しいもの。倍率が20倍、40倍と高いものもあり、なかなか見つからない時期も初期にはあった。今回の「とっとり翔ける福業」では大変丁寧にフィールドワークやマッチングを進めておられたので、フィールドワークに行くまでに事前情報も多く得られたし、自分でも琴浦町のことをかなり調べてから行ったため、大変濃いものになった。複業は都市部・地域側双方においてまだ定着していないため、これくらい丁寧にされるのはとても良いと思う。実際に琴浦町にいってその土地が好きになり、この土地のために貢献したいと思うようになりそれが提案につながった。元々はお金の目的もあったが、正直なところ今は地域の方々と何か新しいものを作り上げたり、課題解決に自身が貢献している充実度が自分の中心の尺度に変わっている。

-社内の反応は
(原)社長がラジオで複業人材の活用について聞いたタイミングだったこともあり、好感触だった。自分達がこれ以上動けない状況というのがわかっていたので、それも後押しとなった。

-提案書をみた感想は
(原)「こういう考え方もあったのか」と感じたほか、フィールドワーク参加者同士のディスカッションでもアイデアを得ることが多かったその場にいるだけでも学びが多かった。企業として吸収して得るものが多かった

(浜川)
DX担当が一人で選挙業務を兼務。フィールドワーク時期が選挙と被ってただでさえ多忙である状況であったため少し大変だったが、提案書を見た職員、フィールドワークに参加した職員はハイテンションで「今までなかった視点を得られた」と言っていた。

(中川)
普段壁打ち相手がいない企業の経営陣にとって、改めて議論の場をつくる良い機会になっていたという面も見受けられた。

-複業による自社や地域への影響はどのようだったか
(柘植)
移動することが業務の一つでもあるが、コロナ禍となり、海外との人流がなくなったため、ワーケーションが面白そうだと思った。また同時に、副業がなし崩しに一気に解禁になった。しかし、まだ副業の意義や効果はまだ浸透していない段階だと思っている。会社にも地域の視点を持って業務を行う地域交流のセクション等がある。そういった種類の業務をしていく上で地域貢献型のワーケーションをしている社員がいると見識が本業の企業にとってもとても役立つと思う。
複業をすることで今までとは関わりのなかった地域に人脈もできる。また、複業をしていく中で地域の方達と本業の話もして、それが本業の広がりにもなっていく。また、本業をする中で鳥取のワーケーションを企画するような仕事の時に鳥取のことが自分の言葉で語れたりする。地域複業って実はとてもいいことだと思う。少しでも私が啓蒙活動をしないといけないと思っていて、今回の社名開示についても広報・人事を通した。こういう事も今まではなかったので、今回社内においても良いきっかけになったと思っている。他に地域複業している人材は結構いるので一緒に盛り上げていけたら、会社も地域も良くなる。さらに自己成長にもつながって三方良しの仕組みだと思うのでもっと啓蒙していきたい。

-地域の中小企業として、このプログラムはどうだったか
(原)
外部への業務委託よりも複業人材の活用のほうが金額的に抑えられるほか、応募してきてくださる方は鳥取に興味関心を寄せてくださっている方なので進めやすい。また、相談先(コーディネーター)の存在があるのもとても安心だった。

-自治体として、このプログラムはどうだったか
(浜川)
町内で複業人材を受け入れている地域内企業はほぼなかったが、今回(株)ヘイセイさん、大山乳業さんが受け入れたことで複業推進していく良いきっかけになったと思っている。また、来年度の町の事業において鳥取銀行等のお力を借りながら継続して複業人材活用の事業を進める方向で検討しており、その第一歩として今年事業推進できたことはとても良かったと思っている。役場として一度受入を体験しているので、他の企業さんにもお話しやすい

-「とっとり翔ける福業」ならではの良さについて
(柘植)
コーディネートを丁寧に行なったためマッチングもスムーズだった。フィールドワーク参加者との交流が自分にとってはとても良かった。仕事の取り合いになるイメージがあったがそうではなく、複業希望者同士でアイデアを重ねていく議論ができた。男はつらいよの寅さんが好きで、地域課題解決と関係人口創出のモデルだと思っているのだが、地域とつながって課題を解決する幸せというものが日本人にはしみ込んでいるのではないかとフィールドワークで感じた。考えを共にできる仲間が増えたのが良かった。

-最後に一言
(原)
社内に課題があるのであれば、参加するだけでも意義があると思うので、参加してもらえたらいいなと思う。自分は参加して良かったと思っている。
(浜川)
何もわからないところから始まったが、複業人材と関わる中で「こんなにすごい経歴の人が町に関わってくれるんだ」と率直に驚いた。また、そういった方達に琴浦町のことを知ってもらえたこと、好きだと言ってもらえたこと、提案をしてもらい新しい視点を授けてもらえてありがたかった。愛を感じるというか、人と人との関係を繋いでいける事業だと思った。数値だけではなくて、人と人とをつなげられるプログラムだと思った。
(柘植)
現地訪問により、琴浦町、鳥取県に対する愛が芽生えた。複業は本業と違い選ぶことが可能だが、このプログラムは自ら選び、楽しいからしている。今後、鳥取、琴浦や地域課題を解決するワーケーションについて啓蒙活動をしていきたい。自分が楽しくてさらに自分の成長につながって、何よりも地域の方々の役に立てるこの構図はこれからの地方創生を進める上で良い仕組みだと思う。今後も鳥取、琴浦と引き続き関わっていけたらと思っている

〔当該プロジェクトの成果〕

※正しくは6社に対し20名から33提案いただきました。

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