イベント全景_前半

−地域×観光の可能性を探る!−『ローカルツーリズムをおもしろがる 』イベントレポート

観光地を巡る旅行から、日常の生活や暮らしを体験する旅行がトレンドになりつつある中で、地方に住む人たちは自分たちの住む地域の魅力に気づいていない場合も多いように感じます。

こうした問題意識に対して『鳥取をおもしろがる人』を起点に地域内外を繋ぐことに取り組む『おもしろがろう、鳥取』では、“−地域×観光の可能性を探る!−『ローカルツーリズムをおもしろがる 』”を開催しました。

ゲストを務めるのは大山町で観光プロデューサーをしながら、泊まれる芝畑『トマシバ』をチームで運営する佐々木正志さんと、南部町で、食べて泊まれる寄り合い場『てま里』を地域の方と運営する井上可奈子さん。

そして、NPO法人学生人材バンクの中川玄洋(@genyole_t24)がMCを務めます。

イベント全景 前半-min

地域と観光を組み合わせることで、『地域でどのような取り組みができるか』『地域にはどのような可能性があるのか』実践者のお二人の話を踏まえ、後半パートでは『観光×鳥取』をどうおもしろがるか、参加者も一緒になって考えました。

ローカルツーリズムを1分間でアップデート

始めに、参加者が同じ知識を持った状態でイベントを進行して行くために、『ローカルツーリズム』の定義を含め、日本における観光の現状をNPO法人学生人材バンクの藤吉から説明しました。

藤吉さん-min

藤吉:「『ローカルツーリズム』とは"有名観光地を鑑賞する旅行ではなく、地域に根ざした歴史文化や日常を体験する、生活する旅行スタイル”。2018年の観光庁のデータでは、訪日客が地方で消費する額は1兆円をこえ、東京での消費額を上回るほど。外国人旅行客は増えていて、2030年までに、訪日観光客数6000万人を目指していることが“インバウンド”と至るところで聞く背景にあります。」

訪日観光客の数は増加傾向にある中で、旅行のトレンドも移り変わっていると言います。

藤吉:「旅行のトレンドとして、①旅に求める『自己変革のニーズ』の高まり、②『一時的市民』として暮らしを体験すること、③『オーバーツーリズム』などがあるんじゃないかと思います。」

今後、鳥取や他の地域における『ローカルツーリズム』の取り組みはどのように変化していくのでしょうか。実際に観光に携わっているお二人の話しが始まりました。

鍵は、地域の人との関係性

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中川:「実際に観光業に関わっているからこそ見えた、『ローカルツーリズム』の難しさって何かありますか?」

井上:「地域の人の協力を借りることも多いのですが、関係性を築くには長い時間も必要です。例えば、作りたい体験があったとしても、『地域の人との関係性を考えると、今はまだそのタイミングではないな』と思うこともあります。」

井上さんパワポ-min

井上可奈子:広島出身、国際基督教大学卒業後、広島FM放送、NPO法人Teach For Japanを経て2018年より鳥取県南部町地域おこし協力隊、一般社団法人手間山の里専務理事に就任。地域の方と共に食べて泊まれる寄り合い場てま里を立ち上げ、2019年4月よりゲストハウス運営、英会話教室を担当する。

仲良くなって関係性を築いていく中で、お互いができることを無理のない形でやっていきたいと井上さんは語ります。

中川:「いかに地域の人に応援してもらうかの設計や、地域の方に知ってもらうことは重要ですよね。佐々木さんはどうでしょう?」

佐々木:「地域の方や協力してくれる方との関係性作りは大切ですよね。参加者は満足してくれるけど、受け入れる側には負担になっている場合もある。地域の方と仲良くなったからこそ、本音を聞かせてもらえるようになりました。」

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佐々木正志:東京生まれ、鳥取県大山町在住。大山町地域おこし協力隊を一年、個人事業を二年経て、合同会社sunsunto設立。鳥取大山を拠点に観光事業OrangeTrip / 野菜通販OrangeBox 等を展開。泊まれる芝畑「トマシバ」や、シェアオフィス「シゴト場カケル」をチームで運営する。

佐々木:「暮らしに触れる観光ツアーをやろうと思った時に、まだ形ができていなかったのですぐには理解を得られませんでした。実績や関係性をコツコツと積み重ねることが大切だと、すごく実感しています。」

地域の人を上手く巻き込む

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ゲストの井上さんと佐々木さんのお二人ともに『ローカルツーリズム』において、持続するためにも『地域の人に無理のない形で関わってもらうことは大切』だと言います。そこに中川さんから次のような質問が飛びます。

中川:「地域の人の『やりたい』を掘り起こすために、具体的に工夫をしていることはありますか?」

井上:「例えば、地域の学生から『てま里』でタピオカを売ってほしいと言う声があがっていたんですが、作る人、売る人がいなくてできなかったんです。その話しをある高校生としていた時に、『なら、自分たちで作ればいいよね』という結論に至って企画書を書いて来てくれたんです。そこから、どうすれば実現できるか一緒に考えました。」

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『地域のニーズや困っていることを伝えること』が、誰かの『やりたい』を引き出すことにつながりました。その後、ワークショップ形式でみんなで美味しいタピオカを考え、美味しかったタピオカを地域のイベントで出店販売したそうです。

中川:「上手く地域の人に頼るのはツアーや体験を作る際にも大切ですよね。そのあたり、佐々木さんは上手そうですがどうでしょう?」

佐々木:「ツアーをする前段階で、鳥取へ遊びにきた友人を色々なところに連れ回していたんです。飲食店などのお店ではとても喜ばれて、遊んでいるだけなのに地域や事業者の方と勝手に仲良くなりました(笑) 今ではツアーをする時に『いつ来てもいいよ』と言ってくれて、快く協力してくださっています。最初に仕事から入らないことが一つのポイントになるかもしれません。」

ゲストもホストも関係なく一緒に入り混じることで、楽しみは無限大に広がると佐々木さんは言います。

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後半パートではこれまでの話を踏まえ、登壇者、参加者が入り混じって『観光×鳥取』をどう面白がるかグループに分かれてミニワークを行いました。

地域にある資源に目を向けてみる

『日常で見過ごしている、身近にある可能性に目を向ける』という意図で、5~6人のグループに分かれ、『地域にある資源』をポストイットに書き出し、グループ内で共有しました。

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『空き家や人の少なさは、可能性でもあるよね』と説明を加えながら共有し、『面白いね』『そういう視点もあるんだ』といった声が飛び交いました。

『資源×興味関心』で新たなアクティビティツアーが生まれる?

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続いて、書き出した『地域にある資源』と、自分が持つ『興味関心』を掛け合わす事で『どのようなアクティビティツアーができるだろう?』という事を考えます。参加者同士で積極的に意見を交わす姿が印象的でした。

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参加者A:「私はチーム作りに興味があり、鳥取という非日常の空間で、チームビルディング研修を行うことで、日常の連帯感が生まれるのではないかと思い、チームビルディング研修を鳥取でやると面白いのではないかと思いました。」

参加者B:「『赤ちゃん×おしゃれカフェ』というコンセプトで、小さな子どもや赤ちゃん連れでもOKということを押し出していけば良さそう。子どもが騒いでもいいような場所でありつつ、おしゃれな空間があれば出かけやすいと思います。」

参加者C:「美味しい白ネギが多く採れるので、シェフを呼んで白ネギ料理を提供してもらったり、色々な白ネギの食べ方を知ってもらうような企画があれば面白そうですよね。」

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『これもいいよね』『あれもいいよね』と各グループで様々な意見が飛び交い、誰かの言葉で視野が広がり、一人では思いも寄らないアイデアが生まれていました。

小さく始めて、持続可能な観光を作る

最後にゲストの二人から『一つの会社が事業を大きくして行う観光ではなく、それぞれが接点を持って行う観光の方が旅行者をファンにする可能性を秘めている』『一般の人が気軽にツアーを作れるサービスもたくさんある』という話からも、『観光』がより身近に感じる時間になりました。

『観光』がより身近なものになれば、自分たちの手で小さく始めることができる。

『鳥取でどのようなツアーを行えば面白いか』考えている参加者の皆さんは、まさに小さな観光事業者のようでした。

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『観光』を他人事で終わらせてしまうのではなく、鳥取に住む一人ひとりが『観光×鳥取』をおもしろがることが、より良い『ローカルツーリズム』の一歩に繋がるのではないかなと思います。

様々な意見やアイデアが飛び交った今回のイベントを経て、参加者の皆さんが今後どのように観光に関わっていくのか非常に楽しみに思うような会になりました。

文・撮影:米泳ぐ(森田 悟史/河津 優平) 編集:藤吉 航介


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「おもしろがろう、鳥取」は、地域を独自の視点で面白くする「おもしろがる人」を起点に、地域の中と外をつなぐプロジェクトです。

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コメント (1)
私も正に地域×インバウンドを実行しようと企画を立てているところでした。鳥取て実行しているものをお手伝いしながら学んだり、コラボしたりしてみたいです。
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