そうか、みんなさみしいのか
そうか、みんなさみしいのか
ぼんやりひかり始めた街を突っ切る。電車に揺られながら、手の中の長方形の世界が、緑色の点滅でメッセージの存在を知らせた。
内容は、飲み会の出席を問うもの。会社ではそんなに交流もない人たちの名前もチラホラ。会社の一部署にしては、割と参加率は高い。開催は来週。
会社では、みんなドライな対応で、プライベートと仕事は分けてますから、みたいなすました顔してるのに。
いくら人数を集めようが、盛り上がろうが、オシャレなお店で映えようが、
ひとりの部屋に戻れば、心細さが等しく襲ってくることを、
それからは逃げられないことを、
薄々理解していても、
それでも淡い期待を捨てられない。
誰かが、きっと誰かが、自分のさみしさを埋めてくれるという期待を。
そんな斜めの考えで飲み会に参加するべきかどうか(単純に楽しんでいる人もいると思う)、判断できないまま、電車を降りた。
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