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そのサッカーを疑え!

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2024年5月の記事一覧

オーバーエイジ問題。W杯に続く大会は五輪ではなく本日決勝を迎えるCLだとの認識に立てるか

オーバーエイジ問題。W杯に続く大会は五輪ではなく本日決勝を迎えるCLだとの認識に立てるか

 五輪本大会に臨むU-23日本代表。メダルの可能性はオーバーエイジの顔ぶれ次第できまるといっても過言ではないが、顔ぶれは明らかになっていない。先日のメンバー発表(6月に行われるアメリカ遠征)の会見でも、所属クラブとの交渉役である山本昌邦ナショナルチームダイレクターの口から、前向きな言葉は出てこなかった。

 オーバーエイジとして五輪出場を積極的に希望している選手が、そもそもどれほどいるか、だ。招集

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47年堅持した欧州トップ10から陥落したバルセロナ。失われた特別感。世界に追いつかれてしまったのか

47年堅持した欧州トップ10から陥落したバルセロナ。失われた特別感。世界に追いつかれてしまったのか

 チャンピオンズリーグ(CL)を欧州1部とするならば、ヨーロッパリーグ(EL)は欧州2部であり、カンファレンスリーグ(UECL)は欧州3部となる。その3つのカップ戦の、過去5年の戦績に基づいて算出されるのがUEFAランキングで、各国リーグの来季の出場枠は、その順列で決定される。

 今季はそのランキングに異変が起きた。1999年以降24年の間、2位以内を守ってきたスペインが、イタリアに抜かれ3位に

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相手ボールに30年以上前から4-4-2で対峙した欧州と「そこ」にいることの意義さえ語られなかった日本

相手ボールに30年以上前から4-4-2で対峙した欧州と「そこ」にいることの意義さえ語られなかった日本

 サッカーで主役と言えば誰を指すだろうか。選手か監督か。たまたサポーターか。両GKが美技を連発すれば、その存在感はいやが上にも高まる。主審もVAR時代を迎えた現在では主役に見える時がある。しかしフアン・マヌエル・リージョはインタビューした際に、上記には存在しない要素を口にした。

 ボール。ゲームの中心にいるのはボールで、サッカーはそのボールに対して反応するゲームだ、と。サッカーにはマイボールと相

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「賢くしたたかに」(森保監督)の落とし穴。5バックから4バックには戻せない

「賢くしたたかに」(森保監督)の落とし穴。5バックから4バックには戻せない

 時に5バックで後ろを固める采配を「臨機応変で賢くしたたかな戦い方」と自賛する森保監督。普段、言質を取られたくないのか、サッカーの中身について詳細に語ろうとしないが、この件については大胆にも言い切っている。確信に満ちた口調で自信満々に語る。反論を浴びることを覚悟の上だとすれば、いい度胸しているという話になるが、実際はそうではないように見える。

「賢い」の対義語を辞書で引けば「愚か」だ。筆者は非森

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