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そのサッカーを疑え!

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2021年10月の記事一覧

流動的な動きはなぜ横移動に限られるのか。縦方向の流動性に欠ける日本サッカーの問題

流動的な動きはなぜ横移動に限られるのか。縦方向の流動性に欠ける日本サッカーの問題

 一般的に観戦チケットの値段が一番高いのはメインスタンド。次にバックスタンド、そしてゴール裏の順となる。メインとバックはスタンドの傾斜角、ピッチまでの距離が同じであれば、見やすさにおいて大きな差はない。バックにはメインスタンド前で行われるセレモニーが見にくかったり、午後、逆光になりやすかったり、屋根のないスタジアムでは雨に濡れやすかったりという難もあるが、値段を分けるポイントはその程度に限られる。

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欧州組が占める日本代表を見て「隔世の感」だと感激する危うさ。その数はなぜ増えたのか

欧州組が占める日本代表を見て「隔世の感」だと感激する危うさ。その数はなぜ増えたのか

 オーストラリアに2-1で勝利した森保ジャパン。引き分け以下なら監督が解任されたかもしれない一戦に、勝利を収めた現実をどう捉えるか。なんとも言えないところだが、森保監督の続投を願う立場の人でさえ、手放しで喜んでいないはずだ。絵に描いたような辛勝劇。強そうに見えたのはオーストラリアの方だった。40対60ぐらいの関係を強いられた。アウェー戦(3月24日)が苦戦必至であることは、この一戦から容易に判断す

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結果的に3−4−2−1的な4−2−3−1に陥った森保ジャパン

結果的に3−4−2−1的な4−2−3−1に陥った森保ジャパン

 0-1でサウジアラビアに敗れ、解任すべしの声が高まる中でも、森保一監督は「方向性は間違っていない」と、強気を装った。しかし「方向性」とひとことで言っても、意味は広範囲にわたる。漠然とした具体性に欠ける言葉にしか聞こえない。そこで強気を張られても、議論は噛み合わない。独りよがりの台詞に聞こえてしまう。

 森保監督がよく口にする「臨機応変」しかり。具体的なイメージが湧いてこない、分かる人にしかわか

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