見出し画像

一枚板を求めて地方創生を少し考えた話

家を建てようと思って、設計図引き始めてもらって、そしたら妻が1.6m×1.6mのダイニングテーブルを置きたいと言い始めて、ハァ? みたいなところからこの話は始まるんですけれど。

先にゴールを伝えてしまうと「静岡県三島市にある谷田木材が凄かったから、一枚板欲しくなったらヒアウィゴーだぜ!」っていう話をします。

だいたい「家を建てようと思って」ってカジュアルに言ってみたんですけど、こちとらクソサラリーマン10年続けてきて、やっと手が届くその境地が断じてカジュアルなわけがなく、ご多分に漏れず35年ローン、今まで生きてきたのと同じくらいの年数、借金を背負う or dieみたいな状態になるわけです。

今は仕事の関係で千葉に住んでいるんですけれど、僕実家が静岡で、静岡郊外なんて、表通りには飲めてしまうドブ、裏通りには食べられてしまう桑の実、みたいな場所で育ってしまうと、やっぱ持ち家が欲しくなっちゃう。それに子供が生まれてやっぱり実家の近くで子育てっていう状態はプライスレスだなと思って、静岡に住まいを戻すことにしてあります。

で、色んなツテを駆使して何とか家の設計図を引くって段にこぎつけることができて、何とか家を建てられるんじゃないかという予感が漂い始めたころに、どうにも妻が何かの雑誌の影響を受けたらしくて「1.6m×1.6mのダイニングテーブルが欲しい」と言い始めたんですね。

1.6mってのは160cmのことで、設計図引く時は慣例でmmで表示するみたいなんで、1600って文字がダイニングにドーンって書かれていて、こちとら凡百サラリーマンなんで、ダイニングが特別広いわけないじゃないですか。もう、ダイニングがダイニングっていうか、ダイニングテーブルになるわけなんですよ。

妻はそれでもいいつって。僕もまぁそこにあんまりこだわり考えたことないし、絶対に広い作業机が欲しいって妻も譲るつもりはないみたいなんで「ふーん」つって。で、まぁ木の家にしたかったんで、そのテーブルも一枚板の木だといいよねーなんて言って。まぁいいかなって思って話は進んで、無事融資受けることができたんですね。ちなみに僕の注文は、もっと色々言った。最低条件として、書斎がなければ許さない。そういう家が建つ。

で、現実なんですけど、1600mm×1600mmって木材ってあんま、ないの。

この先の話なんですけど、色々見て回って縦が1600なら結構あった。そりゃそうだ。木は縦に伸びますからね。でも横も1600ってあんまなくて。そりゃそれもそうだ。幹の直径が自分の身長と同じくらいの木を切り倒さなきゃ、1600mm×1600mmってできないんです。物理的に必然。

で、工務店の人もいい人で、木材の展示即売会みたいなところに連れてってもらったんですね。全然知らなかったんですけど、木材にも展示即売会ってあるんですね。全然知らなかった。

所狭しと並ぶ巨木。手前のやつたぶん、4mとかあるんですよ。凄くない? しかも神代杉とかもう名前からしてSSレアみたいな木材が散在していて、正直コミケに行ったときよりワクワクした。そのいずれも大切に扱われてここまで来たのが分かります。興奮しました。最初「わー!」って中に入っていったら制止されたほどに。

そのイベント自体がすげぇ面白かったんですけれど、結論、1600mm×1600mmっていう木材なかったの。えぇーと思って。もう世界各国から見栄えのいい優等生が集まった木の祭典みたいだと思ってたし、実際そうだったに違いないと信じてる。でもないんです。そのサイズ。いやあったのかもしれないけれど、少なくとも見つけられなかった。加えて言うなら、一定以上のサイズで買えるような価格のものもなかった。すげぇたけぇ。

でもそこで、幸運にも運命的な出会いを果たしたんです。それが冒頭の谷田木材の社長で、うらぶれて迷いの中にあった僕らに「木に呼ばれるから大丈夫」と言ってくれたその人なんです。彼は彼の木材置き場なら、もっと多種多様な木材がそろうのだ、と言ってくれた。マジか。

で、一週間経って、色々仲介の人が手を回してくれて、今日その材木置場に行ってきたんですね。結論、ここでも1600mm×1600mmっていうサイズで、値段もマッチするのはなかったんですけれど、「木に呼ばれる」というその言葉通り、ある一枚板からお呼ばれに預かりました。

一通り木材を見た後に「うーん」ってうなってたら、とある一枚板をおすすめしてもらったものです。フォークリフト動かさなきゃ見えないところに眠っていたんですけど、メチャクチャきれいな木目、ダイニングテーブルとして申し分ない材質、節があって少し訳ありな分、手頃になっていたお値段、2100mm×1200のケヤキです! ドーン!

でも興奮してそのケヤキの写真を撮るのを忘れてきちゃったので、代わりに店構えというか木材置き場構えをご覧ください。許可はいただいています。社長とは仕事論みたいなことまで話してきた。

種類が分からないけど誇り高く屹立する木材。70万〜のものが、ポンと置いてあったりする。(買えるわけがない)

手前のは比叡山の杉。凄い。想像より多かったのが、神社とかお寺の敷地で育ってた杉を仕入れているもの。時々手を入れて伐採していかないと、倒れたりして危険なので、そういうのが切られて回ってくるそうです。

フォークリフトでケヤキの一枚板を出そうとしてくれている社長。働いてる男はかっけぇと思ったし、在庫を抱える業種は自分が思っている以上に大変なんだなと思った。

中央にあるのがケヤキ。買ったやつじゃないけど。年輪がきれい。全然木材のこと知らずに行ったけれど、ケヤキは日本の木材としてかかせない広葉樹の王様と呼ばれているらしいですね。木言葉みたいなのもあって、健康、長寿らしいです。家に置くにはいいやつだった。

で。

正直今まであんまり実感として、地方創生みたいなやつは「やった方がいいんだろうなー」程度にしか考えてなかったんですけれど、今日はちょっと、この体験を通して、少しだけ、そのことを考えてしまった。

何ていうか、県外からもお客が押し寄せるといいなぁなんておこがましいことは全然思ってないんですけれど、「一枚板欲しいなー」って思ったときに今回は何となく運良くたどり着くことができただけで、ふつーできない。だってネットでバンバン広告打ってるわけじゃないし、ブログの更新は去年で止まってる

あー、こういうのってアレだなー、出会うべくして出会うタイミングがあったときに、出会うルートがもう少しあったら出会える人たちって、実はもっと多いんだろうなって。それこそ、木の呼び声を何かの方法でもう少し大きくしてあげられたらね。今日の僕みたいに「木が呼んでるッ!」って思える人が増えるんだろうなーって思いました。

自薦型のマッチングとはちょっと違う。それじゃあ自薦しない限りステージに上がれない。困ってる人に対して他薦のマッチングネットワークを作れば、少しうまくいくんじゃないか。お見合いを勧める親戚のおばちゃん的で、健全な仕組みを作れれば。そんなことを少し考えた。

実はここで玄関の敷板も購入しました。3mくらいの丈で身のしまった(らしい)静岡産の杉です。これでだいたい家に必要なポイントの木材は手に入れられたと思う。嬉しい。

そういうわけで、みんな、静岡県三島市にある谷田木材が凄かったから、一枚板欲しくなったらヒアウィゴーだぜ! あとここまで言ってすげぇ無責任で本当に申し訳ないけど、連絡先とか別に聞いてないから、行きたくなったら各自勝手に連絡してくれよな! 調べりゃ電話番号は載ってる! 三島っていうか、もう箱根に近い、伊豆フルーツパークの近くだったぜ! それじゃな!

あとは庭石欲しくなってきた……。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

18
正訓は「まさくに」と読みます。東京でエンジニアしています。 Twitter -> https://twitter.com/masakuni_ito

この記事が入っているマガジン