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マッチングアプリで出会った男女の会話を聞きながら昼ご飯を食べた日の話


何故か私が1人でご飯を食べるとき、結構な確率で「マッチングアプリの男女」が隣に来ることが多い。

今日も私の隣はマッチングアプリの男女の会話が繰り広げられる。


毎年のことで、
3月も半ば、1月から3月まで、あっという間に感じますね。

三寒四温とはよくいったもので、東京ではコートがいらない暖かい春が来たかと思えば、うっすら雪が積もるような日も。

そんな季節の変わり目に際して、美容院に行ってきた。


私は引っ越してきて日が浅いので、まだまだ美容院難民だ。当たりを引き続けるまでホットペッパーの初回荒らしをやってしまう。

とはいえ、今回行った美容院では納得感のあるスタイリングが出来て、概ね満足である。嬉しい。

髪形が決まるだけで人は嬉しくなれるのだ。


そんな浮足立った私は、前から気になっていた飲食店でご飯を食べようと思いたった。

場所は新宿、時間は13時なんてとっくに過ぎた頃だ。

ランチというか、もはやおやつの時間帯に足を突っ込むレベルだ。でも、逆に人が少ないと考えれば、良いランチタイムにもなるものだ。

気になっていたお店、ランチの値段は1,500円程度と、少しランチにしてはお高めだ。
でもサラダとなんとデザートもついており、非常に満足感のあるメニューだ。

こういう良い贅沢はしなきゃねと、謎の言い聞かせを自分にし、ワクワクしながら料理を待つ。
こういう時、一人だと手持ち無沙汰になってしまう。

折角窓際に案内してもらったのだがら、窓の外でも見ようか。
そう思っていたら、隣の席から男女の会話が聞こえてきた。

ピークタイムを過ぎたランチ、その場いるのは優雅におしゃべりを楽しむ上品なマダムたちと、料理が来るまでの時間を持て余してる私だけだ。

場が静かなのだ。

そしてその隣の席の2人は結構な音量で会話を聞かせてくれる。

聞きたくて聞いているわけじゃない、耳に入ってくるから聞いちゃうんだと、精一杯の言い訳をさせてほしい。

会話の節々に「アプリ」という言葉が出てくる。どうやらその2人はマッチングアプリで知り合ったらしい。



こういう会話を聞くと、数年前では考えられないくらい、マッチングアプリでの出会いというのは普遍的になったんだなと感じる。

ちなみに私は5年程前に一度使ってみたが、性格に合わなさ過ぎて辞めてしまったという苦い思い出がある。


私は何故かこういった出会いの場面に出くわしがちだ。しかもほぼ私が1人でご飯を食べているときに限って。会話を聞いちゃって、なんか申し訳ない。

お隣の男女は、お互いの好きなものだったり、友人についてだったり、身の上話をテンポよく交わしている。
聞こえてごめんねとは感じつつ、それでもなんだかいい感じだなと、先ほどサーブされたご飯を食べながら思う。

会話の内容的に大学生とかフリーターなのか。
仕事の話はアルバイト程度の話しか出てこない。うーん、あんま聞いちゃダメだよなと思いつつ、めちゃくちゃ聞こえるからしょうがないかと葛藤する。

そうしていくうちに、若い男性がある言葉を放った。「もうアプリ辞めたんだよね」と。

これは、5年前の浅い経験しかない私でも分かる。

これってもしかして、あなたのことを良いと思ってる…ってコト!?

事情も何も分からない、たまたま昼ご飯のタイミングが合っただけの2人なのに、色んな推察が止まらない。

どういうことだ。面白くなってきてしまった。
確かに、男性の方がちょっと女性に興味がありそうというか、何でも肯定的に受け止めてあげている。
滲み出る優しさがすごく伝わってくる。

女性側はそれに対して「そうなんだ」と返し、また会話が続いていった。

気になる。気になるけど何となくの良心が傷んでしまう。うら若き男女の会話をBGMにランチを食べてごめん。後、このランチめちゃくちゃ美味しくてびっくりしてる。さすが1,500円。


なんか、感情が忙しい。会話が気になっちゃう気持ちと、それ以上にご飯が思った以上に美味しくてうれしい気持ち。

色々なせめぎあいがありつつ、私の食べ終わりとともに向こうの会話もクローズに近づいてくる。

その時だ。男性が女性に対し聞いた。
「ここからアプリで他の人にあう予定ある?」と。

そんな、ちょっと攻めた質問だーー!ってなった。私がデザートを食べつつ、本日のクライマックスを見ようとしてる。

そして女性が答える。

「うん、あと2人くらいは会うかな。」



どうやら彼女は、たくさんのデート相手がいたようだ。くう。そういうこともあるか。な

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