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VS群馬戦 なぜやられてるように見えたのか

開幕3連勝ですね!
今回は、快勝のわりに、なぜかやられた印象をうけていますよね。「したたか」この言葉が思い浮かぶような試合でした。では、今回はなぜ、やられたように見えるのか。これについて考えていこうと思います!

1 群馬の攻撃と守備の弱点

まず、普段の大宮の守備を見ていきましょう。

541基礎

いわゆるWBが下がり、541のブロックを敷くことで、中を強くして跳ね返すことを前提としています。特に大宮の守備は河本を筆頭に、3CBの守備。特に空中戦に関しては無類の守備力を持っています。

まず、最初に言ってしまいますが、いわゆる相手にボールを「持たせている」ため、相手は、最後のゴール前で決定的な仕事をさせず、危険なシーンは3つくらいしかないくらいうまくいっている。ということです。
また守備に関しては、昨年度よりハーフラインを手前で守備を始めることが多く、「密」の形を作り、ハイプレスをほとんどかけていない。特に前半は顕著で、ほとんど前から守備にいっていません。おそらく何かしらの約束事があるように思えます。

では群馬の攻撃はどうだったのでしょうか。これはおそらくこれからほかのチームもやってくるだろう、541の弱点とイッペイの諸刃の剣をよくつかれていた印象でした。

〇パターン1

541守備弱点1-1

大宮の場合、今期はなぜか前線からガンガンプレスにいかないため、ハーフラインを越えられることが多いです。その場合の大宮の守備は、中央に人数を割く形での541を取っています。そのため、上記の図のようにCFの両脇のスペースがどうしても空いてしまいます。

ここに降りてくる選手、特に群馬の宮坂選手にこのスペースをかなりつかわれてしまいました。

541守備弱点1-2

そして、宮坂選手はパス精度も非常に高いため、何本かこのような逆サイドへのパスを通されています。そのため、サイドバック(この場合は左SBの高瀬)がオーバーラップすれば、渡部がSHとSBで2対1になってしまい、クロスをガンガンあげられてしまいました。

〇パターン2

541守備弱点2-1

次に多かったのが、541の5と4のブロックの間を使われてしまうことです。正直こちらのほうが深刻だと思います。よく見られましたが、ボランチが受けに降りてくる。そこにイッペイがついていく。ここまではいいんです。

541守備弱点2-2

一例ですが、ボランチがSBに預けるとイッペイがボールウォッチャーになりポジションを修正しきれない。

541守備弱点2-3

そのため、CFへのパスコースが開いてしまいました。群馬はなぜかこのあと、執拗の高瀬にボールを預け、クロスを上げてしまいましたが、もしCBに仕掛けられたら危険なシーンはもっと増えていたと思います。特にイッペイは逆サイドにあるとき、ボールを動かされたときなど、スライドをさぼる…とまではいかないが、危険なコースを切る感覚がまだないのではないかと感じました。

2 試合中の変化

高木監督はこの状態にどう対応したか。まずは宮坂選手にはボランチの選手を中心にできるだけプレッシャーをかけること。もう一つは奥抜の投入ですね。

みなさんも知っての通り、奥抜選手は攻撃にも守備にもスプリントを惜しまず、持続できる持続力もあります。高木監督の戦術理解度も高い。それを生かして、ボランチはもちろん、相手のSBにもプレッシャーをかけていました。そのおかげで、宮坂選手にいいボールが入ることが少なくなりました。後半もやられたように感じたのはこの後解説します。

3 大宮のウィークポイント

そもそもサッカーで守る上ですべてを守り切ることはできません。必ずどこかに弱点があります。

大宮の場合は中央に人数を割いている。さらに攻撃時はサイドが一枚しかいません。必然的にサイドの守備や攻撃に厚みを持たせることは難しいです。

また渡部選手の対応にいろいろ文句を言われている人もいますが、それは少し違うと思います。そもそも541のフォーメーションで守備をしており、CBのWBが吸収されています。わかりやすくいうと、WBがSB化しているようなものです。そのため本来、渡部選手が見るべきは相手のSHです。そもそも相手のSBにボールをある程度もたれることは仕方ないと思います。ただし、今回みたいに相手のボランチに簡単に前を向かせる。CFにボールを入れてしまうような守備をしてはいけない。ここが最大の問題だと思います。

またもう一つ問題があります。なぜか波状攻撃を昨年より受けている気がしますよね。その理由はCFにあると思います。この陣形で後ろに人数を割いている分、前線には必然的にCF一人になってしまいます。ここにボールが収まらなさすぎるので、やられているイメージがあるのです。

このやり方を続ける以上、押し込まれます。ただ意図的にサイドから攻撃させ、侵入はほぼゆるしていない。大宮は中が非常に強いのでやられはしません。ただJ1に上がったことを考えるとこれだけクロスを上げられると失点してしまいます。ただボールをとれないわけではありません。やられてるときに、自分たちでボールが保持できないのです。

富山選手や戸嶋選手にフアンマと同じことを求める=キープを求めることは違うという意見は違います。そもそもつらい時にボールをキープすることはCFとしてやらなければならず、だれだれだからというものではありません。
ワンタッチで逃げる、フリックするなどハスキッチなどはうまいですが、そのあたりの工夫はほとんどなく、ただ体をぶつけるだけですよね。それでは収めるのは無理です。

4 ヴェルディ戦予想

以上を踏まえて、ヴェルディ戦はどのように試合を展開するか。その変化を予想してみようと思います。

〇イッペイWB
これはイッペイの守備強度の低さとヴェルディがポゼッションをすることを踏まえるとシャドーは危険だと思います。WBなら守備時はSBなので、考えることは減るし、SBから持ち上がることができるからです。ただヴェルディも中が弱いため、クロスを上げられることを割り切るならシャドーかもしれません。

〇奥抜、黒川のシャドー
攻撃のクオリティを保ちつつ、守備の強度を上げたい。かつ菊池がけがなら、これが一番バランスが取れるのではないかと感じます。

〇CF脇のスペースへの対応。
ここに関しては、監督の手腕が問われると思います。今回はボランチが下がってきましたが、CBがドリブルしてはがしに来ることも想像できます。このCF脇のスペースをどうケアするのか。このあたりに約束事を作ってくるのではないかと思います。ちなみに私は、相手SBはある程度捨てて、ボランチのコースを常に切る守備をするのではないかと思います。(だから奥抜起用)

5 最後に

いかがでしたか?今後の試合はこの弱点を突いてくると思います。だからこれからの試合観戦ではこのCFの脇のスペースをどう守備するか。ここを重点的にみると、いろいろなことがわかってくると思います。

ぜひヴェルディ戦でも見てみましょう!



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