詩 秋の迷い子
ひんやりした窓に
頬を当てて
秋を感じる
秋になっていてもいいから
気持ちだけでも夏に置いていかせてと
季節に無理なお願いをする
あの日に帰りたいとか
はやく時が経って欲しいとか
子どもに戻りたいとか
もっと大人になりたいとか
月日の流れは
止められず
私の気持ちの流れとは
なかなか噛み合わない時のなか
季節に縋りたい気持ちを
手放して
早く秋に追いつかなきゃ
その先に待つ冬にも
備えなきゃ
逃げられない時のなか
半袖にしがみつく
心許なさに
涼しい風が吹いては
立ち止まる夕時
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