見出し画像

詩 ひらりの夜

壁に貼ったメモが
ひらりと落ちる

約束からの
時間の経過
教えてくれる

もう捨てようかな
もう一度貼ろうかな

貼り直せば
またつくのだけれど
メモの内容は
変わらないわけで

変われるものと変わらないもの
考えると渦の中
私にとって
ただのメモ
じゃなかったと
ふと気付く

行ったり来たり
遠回りしている日々の中で
突然に
メヲサマセと
まどろむ私に
落ちる声

積もった時間が
私の心にずしんと重りを乗せる
そのわりにひらりと落ちる
あっけなさ

たった一枚に
心が吸い込まれる
壊れそうで
優しくなれそうな
青い夜が
ひらりと落ちる


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?