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詩/賛歌

賛歌

ゆったりとした服を着て
おだやかに遊ぼう
おおらかな淫らもこのままにしておく
神の名を唱えず
信仰によらずとも表れる恥と怒り
耳を澄ます
人の目を気にせず
私は無名の良心になりたい

地球はまるいのだから
やがて風はどこにでも吹くだろう
風はいい 雨もいい
木々も道も
星も稲妻もいい
ただここにこのようにしてあった
悲しみも
たまにはいいものである

行き場のない気持ち
みんな空へ持っていこう
夜の空の広さ
私は私なりに あなたはあなたなりに
さいなむものも時とともに過ぎる
御心のままに
どんな仕事でも謙虚にこなそう
なんでも食べよう

理論はいつも平気で凌駕されてきた
シッダルタも イエスも
人間を超えて逝ったけれど

人生はいいものである

1996年6月

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